中小企業庁「事業復活支援金」6/17まで申請期限延長

中小企業庁は5月20日、新型コロナ禍で打撃を受けた中小企業に最大250万円を支給する「事業復活支援金」について、5月31日までとしていた申請期限を6月17日まで延長すると発表した。終了期限が迫ってきて申請件数が伸びていることや、延長要望が出ていることに配慮した。
同支援金はコロナ禍で売上高が落ち込んだ中小企業や個人事業者に対し、それぞれ最大250万円、50万円を支給する制度。1月末からの申請受け付けで5月16日までに約139万件の企業と個人事業者に約1兆円を給付している。

岸田首相 東シナ海に構造物設置の中国を批判

岸田首相は5月21日、中国が東シナ海の日中中間線の中国側海域で新たな構造物を設置し始めた動きを「認めることはできない。外交ルートを通じて強く抗議している」と批判した。排他的経済水域(EEZ)や大陸棚の境界がいまだ確定していない状況で、一方的に開発を進めることは遺憾だとした。
日中両政府は2008年にガス田の共同開発で合意したが、2010年に交渉が中断している。岸田氏は「交渉再開に早期に応じるよう中国側に強く求めた」としている。

首相 6月にも観光促進策 平時取り戻す歩み進める

岸田首相は5月21日、大阪市内で講演し、6月にも観光を促す政策を開始すると表明した。新型コロナウイルスのワクチン接種と医療体制を確保しつつ、6月から「水際対策も観光も平時を取り戻す歩みを進めていきたい」と語った。
日本政府は6月1日から入国者数の上限を現在の1日1万人から2万人に増やす。入国時の検査や待機は入国者の8割で免除する。これらの水際対策の緩和と合わせて観光促進策の導入を目指すというもの。

海洋開発機構と東大 南極氷床融解のメカニズム解明

海洋研究開発機構と東大は5月20日、「大気の川」に起因した、過去の西南極氷床の大規模融解のメカニズムを解明したと発表した。これにより、遠く離れた太平洋低緯度地域の変化によって、南極氷床の融解が引き起こされることが分かった。また、今後危惧される南極氷床の安定性が現在進行中の地球温暖化で熱帯域の気候変動が起きた時にどうなるか、気候モデルの分析・予測精度向上に貢献するとみられる。

コロナ飲み薬の利用進まず 22年1億人分供給余剰 

新型コロナウイルス感染症の医療ひっ迫を防ぐ切り札として期待されていた飲み薬の利用が進まず、供給余剰となる懸念が強まっている。これは、この飲み薬の処方対象が重症化リスクの高い患者に限られるなど使い勝手の悪さが”足かせ”となり、購入に慎重な国や地域が多いためだ。
英国調査会社の分析によると、飲み薬は米ファイザー、米メルク、塩野義製薬の3社で年内に合計1億5,800万人分生産される見通しだ。これに対し、各国政府などによる購入が決まったのは5,800万人分で、約1億人分の供給先が決まっていないという。

首相 クリ-ンエネルギー戦略で20兆円 国債発行

岸田首相は5月19日、首相官邸で行われた「クリーンエネルギー戦略」に関する有識者会議で、脱炭素社会の実現に向け、政府が今後10年間で20兆円を投じる方針を表明した。新たな国債を発行し、脱炭素に取り組む企業への補助金などに充てる。今後10年間で官民合わせ150兆円規模の新たな関連投資を実現するとしている。

JV9社「うめきた2期開発」に食と文化体験ゾーン

大阪駅前北地区を再開発する「うめきた2期開発」事業者JV9社(代表企業:三菱地所)は5月19日、プロジェクトの南街区商業ゾーンで、食と文化を体験できる大規模フードマーケット「Time Out Market Osaka」の出店を決めたと発表した。
これは、世界の主要都市で発行されているグローバルメディア「Time Out」の編集者が監修する施設で、同店舗の誘致にあたり阪急阪神不動産(本社:大阪市北区)と、TIME OUT MARKET LIMITED(本社:英国・ロンドン)がマネジメント契約を締結した。Time Out Marketは、アジア初進出となる。

日本 男女の賃金差の開示義務化 非上場企業も対象

日本政府は、企業に対し男女の賃金差の公表を義務付ける方針を固めた。上場・非上場を問わず、301人以上を常時雇用する企業を対象とする。6月に決める、岸田政権が掲げる「新しい資本主義」の実現に向けた計画に盛り込み、早ければ年内の施行を目指す。男女の対等な評価を通じて人材の多様性を高め、企業の成長につなげる。

コロナ打撃の中小企業向け7兆円支給の事業終了へ

コロナ禍で売り上げが落ちた中小企業などに最大250万円を支給する政府の給付金事業が5月末で終了することが分かった。
緊急事態宣言下の2020年5月に「持続化給付金」として始まった同事業。その後も「一時支援金」「月次支援金」「事業復活支援金」と名称を変え続けられた。その結果、給付は2年間で約852万件で、7兆円を超えた。
給付金事業を終わるのは、ウイズコロナへ、政府は経済活動の「正常化」に舵を切っており、緊急的な支援の必要性も下がっているとの判断からだ。
これら一連の政府の給付金事業により、実質無担保・無利子資金を含めた融資により、生き延びた中小企業は多くそれなりの役割は果たした。このことは近年、企業の倒産件数が低水準に収まったことが如実に物語っている。
ただ、破たんは免れたが、懸念されるのは返済のめどが立たない、借入金が増えただけの、内容が伴っていない企業が相当数に上るとみられることだ。今後、倒産”爆発”のリスクがある。

 

ウクライナに192万人が帰国 戦禍で厳しさ増す雇用環境

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、5月19日現在でウクライナから640万人が国外に避難したが、192万人が帰国した。これに伴い、同国の求職者数は2月下旬のロシアによる侵攻開始前に近い水準に回復してきたという。一方、求人数は侵攻前の約10万人から2万人未満に落ち込み、労働需給は大きく緩和している。ただ、企業の事業環境を勘案すると、帰国した人たちの暮らしに関わる雇用環境は厳しい。
というのも、戦禍で事業停止に追い込まれた企業や事業規模を縮小した企業が多いからだ。また、戦闘による破壊、物流網の寸断により、円滑な企業活動は望めない。企業を取り巻く事業環境は厳しい。
ウクライナ中央銀行によると、ロシアの軍事侵攻を受け4月下旬時点で同国企業の54%が人員削減し、34%は賃金を引き下げている。ILO(国際労働機関)は4月7日時点で、ロシアの侵攻開始後、ウクライナで全雇用の3割に相当する480万人が失業したとの推計を発表している。