京大と鹿島 月・火星移住へ「重力」人工発生施設研究

京都大学有人宇宙学研究センターと、大手ゼネコンの鹿島建設(本社:東京都港区)は7月5日、月や火星への移住を想定し、「重力」人工発生施設について共同研究を進めると発表した。
将来、人類が月や火星で暮らす場合、地球と同じ程度の重力が欠かせない。このため、月や火星の地表面に直径200m、高さ200mから400mのグラスのような形をした施設を建設し、これを回転させた遠心力で重力を人工的に発生させるとしている。
施設の中には居住エリアに加えて、海や森林などの地球環境を実現した小さな生態系を設けて、人類が生存できる基盤をつくることを目指し、必要な資材は地球から搬送するほか、重量があるものは現地で調達して建設を進める構想。
月と火星の間を移住する場合は、新幹線の車両ほどの大きさのカプセルを六角形に連結して回転させ、地球と同じ重力を生み出しながら移動できるようにするとしている。

KDDI 通信障害86時間ようやく全面復旧を発表

KDDI(au)は7月5日、86時間に及んだ大規模な通信障害に関し、全面的な復旧を確認したと発表した。携帯電話業界で過去最大規模の通信障害で、最大3,915万人が影響を受け、コールセンターには9万6,700件余の苦情が寄せられた。KDDIでは利用者への補償について、影響範囲を確認し、早急に検討して報告するとしている。

香港の中国返還25周年 ジョン・リー新政権発足

香港の中国返還から25周年を迎えた7月1日、香港特別行政区トップの行政長官に李家超(ジョン・リー)氏が就任した。政権No.2の政務長官には李家超氏と同様、警察・治安畑の経験が長く、前政権で行政長官事務所主任を務めた陳国基(エリック・チャン)氏が就いた。このほか、財務長官には陳茂波(ポール・チャン)氏が留任した。「一国二制度」を標榜しつつ、統制色の際立つ体制となった。
当日の就任式には中国の習近平国家主席のほか、国務院香港・マカオ事務弁公室の夏宝龍主任らの高官も出席した。

野田少子化相「こども家庭庁」設立へ内閣府で訓示

野田聖子少子化相は7月5日、子ども政策の司令塔となる「こども家庭庁」の設立準備室の職員に内閣府で訓示した。2023年4月の設置に向け、内閣府や厚生労働省出身の80人以上が参加した。
こども家庭庁は首相の直轄組織で専任の閣僚を置く。各省庁の職員や民間人材を集め300人規模にする。野田氏は「子どもたちを霞が関や永田町のど真ん中に置く、かつてない歴史転換の大事業」とした。

25年大阪万博 地下鉄トンネル掘削工事が本格化

2025年大阪・関西万博の会場となる人工島・夢洲で整備工事がいよいよ本格化する。現在は万博会場へのアクセスの要となる地下鉄のトンネル工事の準備が進んでおり、7月中にも大型の掘削機械「シールドマシン」が稼働し、建設中の夢洲の新駅と陸地を約1年かけて結ぶ。夢洲には大阪市や大阪メトロが中央線を延伸し、2024年度中の開通を目指している。

大阪商工会議所 大学発スタートアップ企業支援へ

大阪商工会議所は、大学の研究成果を活用して関西から新たな技術やサービスを生み出そうと、大学発のスタートアップ企業を支援するためのプログラムを実施することになり、参加企業を募っている。
このプログラムは大阪商工会議所が京阪神の商工会議所と連携して行うもの。対象は大学の研究成果をもとにした先端技術を持つスタートアップ企業のほか、研究の事業化を目指す教員や学生などの個人。金融機関や起業家などが応募内容を審査し、優勝者は米国で開催される世界最大規模のテクノロジー見本市、CESへの出展の権利が与えられる。
応募期間は8月26日まで。書類審査などを経て今年9月下旬に結果が発表される。

5月の実質賃金1.8%減 物価高で2カ月連続マイナス

厚生労働省が7月5日発表した5月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、基本給と残業代などを合わせた現金給与総額(名目賃金)から物価変動の影響を除いた実質賃金は前年同月比1.8%減となった。物価上昇が名目賃金の伸びを上回り、2カ月連続でマイナスとなった。実質賃金の落ち込み幅は前月(1.7%減)を上回り、新型コロナウイルス禍で経済活動の停滞が響いた2020年7月(1.8%減)以来の大きさ。

中国”ゼロコロナ”失業 大都市で顕著 6.9%で最悪

中国国家統計局のデータによると、5月の都市失業率は5.9%と、過去2番目に高かった4月から0.2ポイント下がり、最悪期は脱したかの印象を受ける。ただ、その内容をみると、政府の”ゼロコロナ”政策が影を落とし、北京市、上海市の直轄市、省都、自治区の区都など主要31都市の失業率は6.9%と4月を0.2ポイント上回り、3カ月連続で最高を更新している。
この”ゼロコロナ”失業のあおりは、若者や「農民工」と呼ばれる農村からの出稼ぎ労働者が受けやすい。16〜24歳の失業率をみると、5月は18.4%で、4月から0.2ポイント上昇した。主要31都市の失業率と同様、過去最悪の更新が続いている。