日本 濃厚接触者の待機期間10日間に短縮 厚労相が表明

後藤厚生労働相は1月14日、感染拡大中の「オミクロン株」の潜伏期間を考慮し、新型コロナウイルスの濃厚接触者の待機期間を、現在の14日間から10日間に短縮する方針を示した。後藤氏は、「オミクロン株の潜伏期間は3日のケースが最も多く、10日を超えることは極めて稀ということが判明したため」と説明した。
また、医療従事者など社会活動の維持に必要な「エッセンシャルワーカー」と呼ばれる人については、待機から6日目にPCR検査などで「陰性」と確認されれば、解除を認める方針も示した。

万博会場・夢洲への延伸費 当初より129億円増 地盤の沈下で

2025年大阪・関西万博の会場となる人工島・夢洲(ゆめしま、所在地:大阪市此花区)に新駅を建設するための大阪メトロ中央線の延伸事業費が、当初の予定より129億円膨らむことが分かった。地盤が想定以上に沈下しているため、追加の地中障害物の撤去に17億円、大勢の来場者を受け入れるための駅舎の強化に24億円、誘致予定の統合型リゾート(IR)で使用する際の出入り口の通路の拡幅に9億円などが必要になったとしている。
市は延伸事業費を540億円と試算していたが、これらが必要になると合わせて延伸事業費は669億円に上る。市は追加分の大半を負担する方針だ。大阪府と大阪市は地下鉄中央線を対岸の咲洲(さきしま)にある「コスモスクエア駅」から延伸し、万博開幕までに夢洲に新駅を建設することを目指す。

コロナ禍で中国天津市の日系企業の工場の停止相次ぐ

北京冬季五輪を間近に控え、北京市に隣接する中国天津市で新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の国内感染者が確認されたことを受け、市が1月9日朝から全市民約1,400万人を対象にPCR検査に乗り出したことで、同市にある日系企業の工場が停止に追い込まれている。トヨタ自動車、ローム、電子部品の北陸電気工業などの工場が9日もしくは10日から稼働を停止し、13日まで停止したままという。
市は検査結果が出るまで市民の外出を制限しており、従業員の出勤が困難になっているためだ。当局からの指示で工場に立ち入ることができない工場もある。そして、各社とも再開時期のめどは立っていないとしている。
天津市当局の12日の発表では、検査で77人から陽性反応が出ている。工場が多く集積する経済技術開発区を含む地区では、11日に市当局から地区封鎖を行う新たな通達が出されている。ただ、現時点では地区封鎖の解除条件や時期が明確になっておらず、操業再開の時期は不透明だ。

世界銀行 22年の世界の成長率4.1%に下方修正 日本2.9%

世界銀行は1月11日、2022年の世界全体の実質成長率を4.1%とする最新の世界経済見通しを発表した。2021年6月の前回予測から0.2ポイント下方修正した。新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の感染拡大や物価高などの要因を反映させた。日本については年後半にかけて経済活動が活発になっていくとして、事前の予測を0.3ポイント引き上げて2.9%の成長を予測している。

ベトナム 労働者の海外派遣,21年43%減の4.5万人にとどまる

現地メディによると、ベトナム労働・傷病軍人・社会事業省の海外労働管理局によると、2021年の海外への労働者派遣数は4万5,058人(うち女性は1万5,177人)で、前年実績比42.71%減少した。計画の50.06%にどどまった。新型コロナウイルス禍により、派遣先の海外諸国の入国制限が大きく響いた。

21年企業倒産 前年比22%減の6,030件 57年ぶり低水準

東京商工リサーチのまとめによると、2021年の企業倒産件数は前年と比べ22%減の6,030件だった。2年連続で前年を下回り、1964年の4,212件に次ぐ57年ぶりの低水準にとどまった。負債総額は6%減の1兆1,507億円だった。東京商事(所在地:東京都中央区、負債額1,004億円)の倒産や、エフパワー(所在地:東京都港区、負債額464億円)の会社更生法適用申請などの大型倒産も発生したが、倒産件数の減少で全体では減った。
業種別では新型コロナ禍で大きな影響を受けた宿泊業が27%減の86件、飲食業が23%減の648件にとどまった。運輸業は5%増の239件と全産業で唯一、増加した。
ただこの倒産件数、決して産業界の、とくに中小零細企業の実勢を反映したものではない。新型コロナウイルス禍が長期化する中、政府の支援要請を受けた国や金融機関の、事実上無利子・無担保の緊急のつなぎ融資などの資金供給によるもの。これにより経営不振の企業を恣意的に下支えしているケースも数多い。実力以上の負債を抱え、猶予期間を過ぎれば返済を迫れらることになり、こうした企業の先行きは全く不透明だ。

21年12月街角景気 4カ月連続改善 先行きオミクロン株で悪化

内閣府が1月12日発表した2021年12月の景気ウオッチャー調査(街角景気)は、3カ月前と比べた現状判断指数(DI、季節調整値)が56.4と前月比0.1ポイント上昇した。一方、2~3カ月後の先行き判断指数は前月より4.0ポイント低い49.4に悪化した。新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染拡大が個人消費の回復の足かせになるとの見方が広がった。現状判断指数の改善は4カ月連続で、2005年12月(57.5)に次ぐ過去2番目に高い水準だった。

東証市場再編 優良厳選「プライム」が経過措置で”骨抜き”に

東京証券取引所は1月11日、4月に控えた市場再編に向け全銘柄の移行先を発表した。1部上場企業2,185社のうちの8割超の1,841社が最上位の「プライム」に移行する。
プライム市場は投資家が優良企業に投資しやすくするため上位市場の企業数を絞り込もうとしたはずだった。それが、大幅に後退してしまった。現実に1,841社の1割強の300社程度が基準を満たしていないが、経過措置でプライムに残留するという。これでは成長企業を厳選して、世界から投資を呼び込むとの当初の狙いが、完全に”骨抜き”になる懸念が残る。
その結果、次位の「スタンダード」に東証1部から344社、ジャスダック・スタンダードから658社がそれぞれ移行。下位の「グロースに」ジャスダック・グロースから36社、マザーズから424社がそれぞれ移行する。