国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会は7月26日、「奄美大島、徳之島、沖縄本島北部および西表島」(鹿児島県、沖縄県)の世界自然遺産登録を決めた。亜熱帯の森にアマミノクロウサギ、ヤンバルクイナ、イリオモテヤマネコなど貴重な固有種が数多く根付く生物多様性が評価された。
「黒い雨」訴訟 国が上告断念 政治決着で確定へ
菅義偉首相は7月26日、原爆投下後に降った放射性物質を含む「黒い雨」訴訟を巡り、原告84人(うち14人は死亡)全員を被爆者と認めた広島高裁判決について、上告を断念すると表明した。
これにより、原告が「いずれも黒い雨に遭ったと認められる」と結論付けて全員に被爆者健康手帳を交付するよう命じた広島高裁判決が28日の上告期限を前に政治決着で確定する見通しとなった。
広島県・市の湯崎知事と松井市長は政府に対し、被爆者の高齢化などを理由に、上告断念による裁判の終結と幅広い救済への政治判断を迫っていた。
卓球混合ダブルスで水谷・伊藤組が金メダルの快挙
東京五輪新種目の卓球混合ダブルスの決勝戦で7月26日、水谷隼・伊藤美誠組が、2019年世界選手権覇者の中国ペアにフルセットの末、4-3で逆転勝ちし、日本卓球界悲願の金メダルに輝いた。1988年ソウル五輪で卓球が採用されて以降、全種目を通じて初の金メダルを日本にもたらす快挙を成し遂げた。
ワクチンパスポート 申請受け付け開始 海外渡航用
日本政府と地方自治体は7月26日、新型コロナウイルスワクチンの接種証明書について、申請の受付を開始した。海外渡航向けの発行が目的で、全国の市区町村が窓口になる。まずイタリア、オーストリア、トルコ、ブルガリア、ポーランドの5カ国が対象となる。接種証明書と査証(ビザ)の発行時や入国審査の際に示すと、相手国に入国した後の待機措置やPCR検査が免除される。
新種目のスケボー女子で西矢が金,中山が銅の快挙
東京五輪新種目のスケートボード女子ストリートで7月26日、13歳の西矢椛(もみじ)が金メダル、16歳の中山楓奈が銅メダルにそれぞれ輝いた。西矢は、バルセロナ五輪の競泳・岩崎恭子(当時14歳)を超え、日本五輪史上最年少での快挙を成し遂げた。西矢は大阪市出身。昨日、金メダルを獲得した男子の堀米雄斗に続き、スケートボードストリートで男女ともに金メダル奪取となった。
金メダル続々 阿部兄妹,大橋,堀米など熱戦制す
熱戦が続く東京五輪で7月25日、日本人選手の金メダルが続出した。柔道男子66㌔級で阿部一二三、同女子52㌔級で阿部詩の兄妹が目標の金メダルに輝いたほか、競泳女子400㍍個人メドレーで初出場の大橋悠依が、今大会競泳陣で初の金メダルに輝き、競泳陣に良い流れを呼び込みそうだ。このほか、今回の東京五輪で正式種目として採用されたスケートボードの男子ストリートで、堀米雄斗が次々と高難度の技を連発し、頂点に立った。
コロナ禍で自殺者3,200人増 今後も増える?東大試算
東京大学のグループはこのほど、コロナ禍によって国内の自殺者は約3,200人増えたとする試算を公表した。計算上は今後も増える見通し。
日本では失業率と自殺者の数に強い相関があることが知られており、グループはコロナ禍以前に複数の民間機関が公表していた失業率の予測をもとに自殺者を推計し、実際の自殺者数との差を計算したところ、約3,200人になったという。
警察庁のまとめによると、新型コロナウイルス感染症が広がった2020年3月~2021年5月、国内で自殺した人は約2万7,000人となっている。
小泉環境相 気候変動対策で新興国の理解深まる G20
イタリアで開かれたG20、主要20カ国の気候変動問題を担当する閣僚会合に出席した小泉進次郎環境相は7月24日、気候変動対策の必要性について、「新興国の間でも確実に理解が深まった」と述べた。これにより、秋のCOP26にむけ、脱炭素の国際協調は進むとの見方を示した。ただ、気温上昇の最大の原因とされる石炭火力発電の廃止については、主要CO2排出国の一つ、中国などの反対で合意を得ることができなかった。
このほか、日本が石炭火力の廃止について後ろ向きだと批判を受けてきたことについては、石炭火力プロジェクトへの金融的な支援を止める方針を打ち出したことで、日本の具体的な取り組みは高く評価されているとし、不名誉な評価は一掃されていると強調した。
高藤 日本選手団金メダル1号 柔道男子60㌔級制覇
7月24日から本格的に始まった東京五輪柔道男子60㌔級で、高藤直寿は、日本選手団金メダル1号に輝いた。金メダルを期待されながら銀メダルに終わったリオ五輪の雪辱を果たした。また、柔道女子48㌔級で渡喜名風南が頂点には届かなかったが、五輪初出場で銀メダルを獲得した。
「黒い雨」訴訟 政府が上告要請 県市は断念求める
日本政府は7月23日、「黒い雨」訴訟を巡り、被告の広島県と広島市に上告するよう求めた。同県・市の幹部が明らかにした。県・市は政府に上告断念を認めるよう求めており、上告期限の7月28日までに上告するかどうかを最終的に判断する。
黒い雨訴訟とは、1945年8月6日の原爆投下後に、「黒い雨」を浴びたと訴えた84人全員を被爆者と認めた広島高裁の判決を巡るもの。同高裁は、国の援護対象区域から外れた住民について、疾病にかかわらず、幅広く被爆者と認める判断を示している。