日本 路線価6年ぶり下落 大都市圏含め39都府県で

国税庁は7月1日、2021年分の路線価(1月1日時点)を公表した。全国の平均変動率は前年比マイナス0.5%で、6年ぶりに下落した。新型コロナウイルスによるインバウンド(訪日外国人客)需要の消失や、飲食店への営業自粛・営業時間短縮要請の影響で、観光地と商業地で下落傾向が顕著に表れた。路線価は相続税や贈与税の算定基準となる。
都道府県別では、39都府県が前年から下落した。東京(マイナス1.1%)と大阪(同0.9%)は8年ぶり、愛知(同1.1%)は9年ぶりに下落し、株高の影響で地価が安定していた大都市圏も下落した。上昇したのは福岡(プラス1.8%)、宮城(同1.4%)など7道県で、2020年(21都道府県)の3分の1にとどまった。

大企業景況感4期連続改善,2年半ぶり高水準 日銀短観

日銀が7月1日発表した6月の全国企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は大企業製造業でプラス14となり、前回3月調査のプラス5から9ポイント上昇した。景況感の改善は4四半期連続で、2018年12月以来2年半ぶりの高水準となった。大企業非製造業はプラス1と4期連続の改善で、2020年3月以来5期(1年3カ月)ぶりプラス圏に浮上した。

20年度税収 過去最高の60.8兆円 18年度抜く

国の2020年度の税収が想定を5兆円超上回り、60兆8,000億円程度になる見通しであることが分かった。2018年度の60兆3,563億円を抜き、過去最高を更新する。コロナ禍の影響が懸念されていたが、製造業など一部大企業の業績が好調で法人税収が伸びた。2019年10月の消費税増税の効果が年間を通して出たことも税収全体を押し上げた。

太陽光発電37府県でトラブル 土砂災害など公害化

毎日新聞の調べによると、太陽光発電設備の設置が引き起こす景観や自然破壊などの問題が各地で深刻化し、47都道府県のうち8割にあたる37府県がトラブルを抱えていることが分かった。
原子力発電に代わる主力電源として期待されながら、太陽光発電はいま様々なトラブルの要因となり、全国で公害化している。トラブルの内容は「土砂災害」が最も多く29府県、次いで「景観の悪化」が28府県、「自然破壊」が23府県などが続く。これにより、訴訟にまで至っているケースはすでに20件以上に上っている。
脱炭素化に向け、再生可能エネルギーの中でも時間と手間が比較的かからない太陽光の開発・普及は欠かせない。ただ、一部の太陽光発電設備は地域の環境破壊を招いてることは事実だ。開発と環境の両立、この難しい課題の克服が求められている。

カンボジアのRCEP協定の国内批准 8月までに実現

日本貿易振興機構(ジェトロ)がカンボジア商業省にヒアリングした結果、地域的包括的経済連携(RCEP)協定の国内批准について、8月上旬までに完了する予定であることが分かった。
同省と国民議会は同協定について、ASEANの各リーダーのコンセンサスに基づくイニシアティブだと評価。サプライチェーン拡大に伴う貿易と投資の促進は、新型コロナウイルス収束後のカンボジア経済立て直しに重要としている。国民議会と上院の順で議論を行って承認された後に、国王が公布して批准手続きを完了する。

カニクイザルとコモンマーモセットの全ゲノム解読成功

慶應大学や理化学研究所などの共同研究チームは6月30日、創薬研究に利用される非ヒト霊長類モデル動物のカニクイザルとコモンマーモセットの全ゲノム配列を染色体レベルまでほぼ完全に解読することに成功したと発表した。
カニクイザルはヒトと同じ霊長類で、医薬品開発に用いられる前臨床実験モデル動物としての重要性から活発な研究が行われている。
今回のゲノム解読の成果により、カニクイザルとマーモセットのゲノム情報基盤が整備され、創薬研究における有効性評価、安全性の予測解釈が容易になり、創薬における新たなイノベーションにつながることが期待される。
この研究成果は国際論文誌「サイエンティフィック データ」に2021年6月28日、掲載された。

習氏 一党支配の正統性訴求 中国共産党100年式典

中国・北京の天安門広場で7月1日、中国共産党の創立から100年となるのに合わせ大規模な記念式典が開かれた。演説した習近平総書記(国家主席)は「我々は生産力が劣っていた状況から、経済規模で世界2位になるという歴史的な進歩を実現した」と述べ、党の実績を強調した。
そのうえで、「中国共産党がなければ中国の建国はなく、中華民族の偉大な復興も実現できない。歴史と人民は共産党を選択した」と述べ、一党支配の正統性をアピールした。

台湾「独立」志向32.4%と過去最高更新 中国を警戒

台湾の政治大選挙研究センターが実施した、2020年12月の最新世論調査によると、「即座に独立すべきだ」(6.6%)、「独立に向かうべきだ」(25.8%)を合わせた独立志向の市民は32.4%と、過去最高を更新した。
一方、「即座に統一すべきだ」(1.0%)、「統一に向かうべきだ」(5.6%)を合わせた統一志向の回答は6.6%と過去最低を記録した。
1国2制度によって中国の一部となった香港で2019年以降、民主派に対する当局の抑圧が進んでいることで、中国への警戒感がかつてないほど強まっている。

5月鉱工業生産3カ月ぶり低下 半導体不足で落ち込み

経済産業省が6月30日発表した5月の鉱工業生産指数速報(2015年=100、季節調整済み)は前月と比べて5.9%低下し、94.1となった。低下は3カ月ぶり。世界的な半導体不足の影響などで自動車を中心に幅広い分野で落ち込み、下げ幅は2020年5月(10.5%低下)以来の大きさとなった。
生産指数は2021年4月に新型コロナ感染拡大前の2020年1月(99.1)を超えて100.0まで回復していたが、再びコロナ前の水準を下回った。こうした状況を踏まえ、基調判断は「生産は持ち直している」を据え置いた。