国連気候変動枠組み条約事務局は11月5日までに、各国が提出した温暖化ガス排出削減の目標がすべて実現しても、2030年の排出量は2010年比で13.7%増えるという分析結果を発表した。これは、中国や日本など14カ国の温暖化ガス削減目標を新たに反映して更新したもの。10月下旬の分析16%増から少し改善したが、なお増え続ける。
各国排出目標引き上げで気温上昇1.8度に抑制 LEA分析
国際エネルギー機関(LEA)は11月4日、世界各国が公表した最新の温暖化ガス排出削減目標を分析した結果、目標が完全に達成されれば産業革命からの気温上昇を今世紀末時点で1.8度に抑えられるとの見解を公表した。
COP26でインドのモディ首相が2070年までに排出を実質ゼロにする目標を発表。最近、中東諸国やロシアなども実質ゼロ目標を公表していること、加えて強い温室効果を持つメタンを2030年までに2020年比30%減らす枠組みに約100カ国・地域が参加したことなどが気温の上昇幅を押し下げた。
地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」は産業革命前からの気温上昇を2度未満、できれば1.5度以内に抑えることを目指している。