イランに19年ぶり改革派大統領誕生 政権運営は不透明

米国との対立が続いてきたイランに、両国の対話に前向きな姿勢を取る改革派の大統領が19年ぶりに誕生した。7月5日の大統領決選投票で、マスード・ペぜシュキアン氏(69)が勝利した。有権者の過半数は、「米欧を含め世界全体と交流できるイラン」を選択したが、国のトップに君臨する保守強硬派のハメネイ師が果たして、経済制裁緩和・解除を目指し、米欧に接近を図る新大統領の改革路線を容認するのか?有権者との板挟みで、政権運営がスムーズに進むとはとても考えにくい。したがって、イランに対して強硬派のトランプ氏優勢が伝えられる米国大統領選挙の行方とからみ、イランの先行きは不透明だ。

関西の1〜6月倒産 25%増の1,264件 10年ぶり高水準

東京商工リサーチ関西支社のまとめによると、近畿2府4件の2024年1〜6月の倒産件数(負債額1,000万円以上)は、前年同期比25%増の1,264件だった。1〜6月の倒産件数が1,000件を超えるのは2年連続で、2014年(1,282件)以来の高水準となった。新型コロナウイルス禍での資金繰りを支援す実質無利子・無担保の融資制度「ゼロゼロ融資」の返済が追い付かない企業が増え、コロナ関連の補助金の支給がなくなったことや、長期にわたる物価高騰が影響し倒産増加につながった。負債総額は14%減の1,346億2,900万円だった。
倒産件数を産業別にみると、飲食」・サービス業の倒産が増えた。とくに飲食業の倒産は67%増の180件に上り、リーマン・ショックの影響を受けた2009年1〜6月の178件を上回った。

供給網強化へ連携合意 経団連が「アジア・サミット」

経団連は7月5日、カジア各国の経済団体首脳らを東京都内に招いて、第13回「アジア・ビジネス・サミット」を開いた・日中韓などが参画する地域的な包括的経済連携(ECEP)を拡大し、サプライチェーン(供給網)へ強靭化など域内の経済連携を強化することで合意。共同声明を採択した。
声明はRCEPの枠組みの中で、貿易自由化から除外されている物品の関税削減の議論も開始すべきだと主張。環太平洋連携協定(TPP)の加盟国拡大を目指すべきだとの意見でも一致した。

東京都知事選 小池百合子氏が3選 得票2位に石丸伸二氏

任期満了に伴う東京都知事選挙が7月7日投開票され、小池百合子氏(71)が現職の強みを発揮し、開票直後、早々と3選を果たした。子育て世帯への支援をはじめ、これまでの2期の実績をアピールし、幅広い層の支持を得た。得票2位には、前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41)が入り、前参議院議員の蓮舫氏(56)を上回った。

万博 中国パビリオン建設工事現場でロープ切れ, 鋼材落下

2025年大阪・関西万博を運営する博覧会協会は7月5日、海外パビリオン建設中に起きた鋼材落下事故について、発生場所は中国パビリオンの建設現場だったと明らかにした。クレーン車での荷揚げ中に長さ10m、厚さ5mmの銅製鋼材8枚が3〜4mの高さから落下した。けが人はなかったものの、工事を中断している。

中国 日本の大陸棚にブイ設置 事前に説明なく, 昨年に続き 

林芳正官房長官は7月5日、中国の海洋調査船「向陽紅22」が6月、日本最南端の沖ノ鳥島北方の太平洋に位置する日本の大陸棚・四国海盆海域に、中国側から事前の説明がないまま、小型ブイを設置していたことを明らかにした。日本側は同調査が東シナ海を航行している段階から動向を監視し、活動目的の詳細な説明を求めていたが、説明があったのはブイ設置後だった。
中国のブイを巡っては、昨年7月、沖縄県・尖閣諸島沖の日本の排他的経済水域(EEZ)内でも「中国」と記載されたブイを設置しており、日本政府が即時撤去を求めていた。

5月の消費支出 実質1.8%減 外国パック旅行費53,8%減

総務省が7月5日発表した5月の家計調査によると、2人以上の世帯の消費支出は29万328円と、物価変動の影響を除いた実質で前年同月比1.8%減少した。マイナスは2カ月ぶり。記録的な円安の影響で海外旅行が伸びず、教養娯楽は8.4%減った。とりわけ外国パック旅行費が53.8%減となった。宿泊料も20.9%減少した。このほか、消費支出の3割を占める食料は3.1%減。外食も1.9%減と17カ月ぶりのマイナスになった。

英国で政権交代 労働党が14年ぶり奪還 保守党 記録的大敗

英国の下院(定数650)総選挙が7月4日、投開票された。5日までの開票の結果、キア・スターマー党首(61)率いる最大野党の中道左派・労働党が過半数を大きく上回り大勝した。労働党として過去最多だった1997年総選挙の418議席に迫る議席を確保した。スターマー氏はチャールズ国王の任命を受け、5日に新首相に就任した。労働党はブラウン政権(2007〜2010年)以来、14年ぶりに政権を奪還した。
一方、リシ・スナク前首相(44)率いる与党の中道右派・保守党は、過去最少だった1906年の156議席を下回る記録的大敗を喫した。シャップス国防相、トラス元首相等らは落選した。

EU 中国EV追加関税 7/5から暫定適用 最大37.6%上乗せ  

欧州連合(EU)欧州委員会は7月4日、中国から輸入される電気自動車に対し、5日から暫定的に追加関税の適用を始めると発表した。現行の10%に最大37.6%を上乗せする。中国政府から不当な補助金を受けて、安値攻勢を仕掛ける中国製EVが「欧州の自動車メーカーに経済的な損害を与える脅威となっている」と見なし、暫定的に追加関税措置を断行する。加盟国による投票を経て、4カ月以内に最終決定する。