新型コロナの死者 世界で33万人超え、感染者500万人突破

米国ジョンズ・ホプキンス大学のまとめによると、新型コロナウイルス感染症による死者は5月21日、世界全体で33万人を超えた。また、感染者は500万人を突破し、増え続けている。世界最多の157万人の感染者が確認されている米国で、9万4,000人を超える人が亡くなっている。
感染者はロシア、ブラジルでの増加が目立っているほか、封じ込めに成功した国々とされるシンガポール、中国、韓国などで第2波の流行が指摘されている。

緊急事態宣言 関西3府県は解除、首都圏4都県・北海道は継続

日本政府は5月21日、緊急事態宣言について大阪、京都、兵庫の関西2府1県は解除、東京、神奈川、埼玉、千葉の首都圏と北海道は継続すると発表した。継続する5都道府県については、判明してくる大型連休明けの新型コロナウイルス感染者の動向を見極め、5月25日に改めて判断するとしている。

世界初 ES細胞から作製した肝臓細胞移植で難病新生児の治療に成功

国立成育医療研究センターは5月20日、ES細胞から作製した肝臓の細胞を移植して難病の新生児の治療に成功したと発表した。これは「尿素サイクル異常症」の生後6日目の新生児に、ES細胞からつくった細胞を移植したもの。国内では初めてで、肝臓への移植は世界でも初めてという。同医療チームは今年度中に3例ほど移植を行って、広く使える治療にしていきたいとしている。

シンガポール 新型コロナで停止の建設活動を6/2から段階的に再開

日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、シンガポール建設庁(BCA)は6月2日から、新型コロナウイルス感染防止のため一時停止していた建設活動を段階的に再開すると発表した。同国では感染防止のための必須サービスや業種以外の職場を、4月7日から全面閉鎖。ほぼすべての建設活動も停止している。
今回の措置により、一部例外的に稼働している必要不可欠なインフラ工事に従事している人に加え、6月2日から5%が復帰し、建設労働力の計約10%が工事に携わることになる見通し。BCAによると、工事を再開するのはMRT(大量輸送高速鉄道)や最深下水トンネルシステム(DTSS)などのプロジェクト工事。
なお、同国で5月17日までに確認された新型コロナウイルス感染者は2万8,038人(うち死亡22人、重篤16人、回復9,340人)。このうち2万5,782人が低熟練外国人労働者。

4月訪日外客数99.9%減 ほぼゼロ 過去最少のわずか2,900人に

日本政府観光局(JNTO)の推計によると、2020年4月の訪日外客数は前年同月比99.9%減のわずか2,900人となり、7カ月連続で前年同月を下回った。また、単月の訪日外客数としてはJNTOで統計を取り始めた1964年以降、過去最少となった。
新型コロナウイルス感染症の拡大により、多くの国で海外渡航制限や外出禁止等の措置が取られていること、また日本でも検疫強化、査証の無効化等の措置の対象国が拡大されたことなどから、主要22市場すべてで訪日外客数がほぼゼロに近い数字となった。

中国吉林省舒蘭市で新たに新型コロナ感染者11人を確認

日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、中国吉林省舒蘭(じょらん)市で、5月7日に再び確認されて以降、14日現在で11人となり断続的に感染者が増え続けている。こうした状況を想定してか、吉林省衛生健康委員会は10日に舒蘭市の感染リスクレベルを「中リスク」から「高リスク」へと引き上げている。同省の感染者は5月6日まで73日間連続でゼロとなっていた。
現在、舒蘭市行きの列車は一部運行停止となっているほか、同市では封鎖管理が行われている。生活必需品の購入のため各世帯で1日1人の外出のほか、感染抑制の対応や病気の治療、突発的な事由を除き原則外出禁止となっている。公共施設の閉鎖措置なども併せて実施されている。

20年の世界経済マイナス5%成長に大幅下方修正 世銀総裁

世界銀行のマルパス総裁は5月19日、新型コロナウイルスによる悪影響で、2020年の世界経済の実質成長率が「マイナス5%になる可能性がある」と危機感を示した。これにより、アフリカをはじめとする「途上国への悪影響は深刻だ」と指摘した。
世界銀行は2020年1月時点で「2.5%のプラス成長」を見込んでいた。その後の世界的な新型コロナウイルスの感染拡大で一転、大幅な下方修正を余儀なくされた。リーマン・ショックで最悪だった2009年(マイナス1.7%)を、はるかに超える深刻な不景気に見舞われることになりそうだ。

新型コロナ関連の経営破たん166件、42都道府県に広がる

東京商工リサーチの集計によると、5月19日午後5時現在、新型コロナウイルス関連の経営破たんは全国で166件(倒産109件、準備中57件)に達した。当該地域は42件都道府県に広がり、空白県は現時点で福井、和歌山、鳥取、高知、長崎のわずか5県となった。5月は19日までに57件発生しており、月間100件に迫るペースで推移している。
都道府県別にみると東京都が35件(倒産31件、準備中4件)と突出。以下、北海道16件(同14件、同2件)、大阪府13件(同6件、同7件)、静岡県9件、兵庫県8件、新潟県と福岡県が各6件。業種別では宿泊業が31件(同20件、同11件)、飲食業が26件(同14件、同12件)、アパレル関連が21件(同12件、同9件)、食品製造業が13件で続く。

2025年の世界ロボット市場 19年比で製造業2.2倍 ヒト協調4.5倍に

総合マーケティングビジネスの富士経済(所在地:東京都中央区)がまとめた「2020ワールドワイドロボット関連市場の現状と将来展望No.1FAロボット市場編」によると、製造業向けおよびヒト型コミュニケーションロボットとも大きな伸びを予測している。2025年の製造業向けロボットの世界市場は2兆2,727億円で、2019年比で2.2倍、ヒト協調ロボットの世界市場は2,653億円で同4.5倍となる見込み。
世界的な人手不足や、様々な業種におけるスマートファクトリー化の進展により、市場拡大が期待されるとしている。

フィリピン 20年GDPマイナス2.0~3.4% コロナ禍で経済損失4兆円

日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、財務省、国家経済開発庁、予算管理省などで構成されるフィリピン開発予算調整委員会(DBCC)は5月13日、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響により、2020年のフィリピンの経済成長率はマイナス2.0~3.4%と予測し、コロナ禍による経済損失はGDPの9.4%にあたる2兆ペソ(約4兆2,000億円)とする見通しを発表した。
フィリピン統計庁(PSA)は第1四半期(1~3月)の経済成長率がマイナス0.2%と、1998年以来のマイナス成長を記録したと発表。同国内の新型コロナの感染者数は5月12日時点で1万1,350人、死者数は751人で、感染拡大は止まらない状況にある。このため、同国経済への悪影響は第2四半期以降も継続するとみられる。