空飛ぶクルマの有人飛行実証実験 パイロット搭乗せず

「空飛ぶクルマ」にパイロットが搭乗せずに人を乗せて飛行するテストフライトが3月10日、兵庫県淡路島市で行われた。このテストフライトは淡路市が、空飛ぶクルマの実用化を目指す岡山県の一般社団法人などと共同で、市内の海岸沿いの敷地で行った。
使用されたのは全長およそ6m、16枚のプロペラを備えた2人乗りの機体で、パイロットは搭乗せずに自動で飛行する。今回は検査員が乗り込み、プロペラが回り出すと垂直に20mの高さまで上昇し、時速25キロほどの速さであらかじめ決められたルートのおよそ600mを飛行した。淡路市などによるとパイロットが搭乗しない空飛ぶクルマの有人飛行実験は関西圏では初めてという。

みずほ銀行 インドで循環型廃棄物処理手掛けるi3Xへ出資

みずほ銀行は3月8日、インドで循環型廃棄物処理事業を手掛けるシンガポールのIdeation3X Pte.Ltd.(以下、i3X)に500万米ドルを出資したと発表した。
インドではモディ政権が各都市の環境改善を目指す「クリーン・インディア・ミッション」を推進しており、2030年までにインド全域に3,000カ所余りある廃棄場に高く積み上げられたごみの山をなくし、同時にごみを原材料として再利用する循環型廃棄物処理事業モデルの確立を目指している。
みずほ銀行は、インドの社会課題を解決するためのテクノロジーとソリューションを提供することを目指すi3X並びに横河電機の協業を後押しするため、価値共創の取り組みの一環として出資する。

TOTO ベトナム・ビンフック省の水栓金具工場稼働開始

TOTO(本社:福岡県北九州市)は3月7日、グループ会社のTOTO Vietnam Co.,Ltd.(本社:ベトナム・ハノイ市、以下、TOTOベトナム)の水栓金具工場が3月から稼働を開始したと発表した。3月4日に現地で、工場所所在地・ビンフック省の多数の行政関係者、工事関係者の臨席のもと、開業式を執り行った。
同工場への投資総額は約100億円。生産能力は年間約120万個。敷地面積は約10万㎡、建築面積約2万8,000㎡、延床面積約3万8,000㎡(2階建て、鉄骨造)。
TOTOベトナムはハノイ市および同市南東のフンイェン省の2つの敷地に衛生陶器工場を保有している。

伊藤忠 核融合エネルギー米スタートアップBLF社と提携

伊藤忠商事(本社:東京都港区)は3月7日、核融合エネルギー関連スタートアップのBlue Laser Fusion Inc.(本社:米国カリフォルニア州パロアルト、以下、BLF社)の第三者割当増資を引き受けるとともに、フュージョンエネルギー関連ビジネス、およびBLF社が開発するレーザー技術を応用した関連ビジネスにおける戦略的業務提携契約を締結したと発表した。
BLF社は、高輝度青色発光ダイオードの発明でノーベル物理学賞を受賞した中村修二氏が共同創業者の一人として2022年11月に設立されたスタートアップ企業。自社で開発を進めるハイパワーレーザーを用いたレーザー方式核融合炉の商用化を目指している。

コマツ ナトリウムイオンバッテリー搭載フォークリフト

コマツは3月7日、ナトリウムイオンバッテリーを搭載した電動式フォークリフトのコンセプトマシンを開発し、3月から取引先顧客の現場で実証実験を開始すると発表した。ナトリウムイオンバッテリーを搭載するのは同社として初めてで、フォークリフトへの搭載は世界でも先駆的な取り組み。
ナトリウムイオンバッテリーは①エネルギー密度は低いものの、急速充電が可能②サイクル寿命(充放電を繰り返せる回数)が長いことから、ランニングコストの低減が期待できる③地球上に豊富に存在するナトリウムを用いるため、安定した調達が可能で、将来的にコスト削減が見込まれるーなどが利点。
同社は電動式フォークリフトの選択肢を増やすことで、あらゆる現場の電動化を加速させ、環境負荷低減とカーボンニュートラルの実現に貢献する。

23年の国際特許出願 前年比1.8%減 減少は14年間で初

世界知的所有権機関(WIPO)によると、2023年の特許の国際出願件数は前年比1.8%減の27万2,600件にとどまった。前年に比べ出願件数が減るのは、この14年間で初めて、
国別では中国が引き続き1位だったが、件数は6万9,610件と前年比微減だった。2位の米国は5.3%、3位の日本は2.9%それぞれ減少した。世界的な金利上昇によりイノベーションへの投資資金が回りづらくなっていることが主な要因としている。

JFEエンジ さいたま市と電池交換式EVパッカー車の実証

JFEエンジニアリング(本社:東京都千代田区)は3月7日、さいたま市と2023年5月に締結した協力協定に基づき、廃棄物焼却施設で発電した電力の有効活用による地域の脱炭素化と、レジリエンス性向上に資するエネルギー循環型ごみ収集システムの構築に向けて同日、同システムの共同実証試験を開始したと発表した。これに伴い電池交換式EVパッカー車の出発式を執り行った。
さいたま市の廃棄物焼却施設クリーンセンター大崎から廃棄物発電による電力供給を受け、隣接する東部清掃事務所にEV電池を自動交換する電池交換ステーションを設置。電池交換式パッカー車は2台以上の複数台運用する。同ステーションではわずか約58秒で電池交換が可能で、EVの課題とされている充電時間に制約されず、ごみ収集を行うことができるとしている。

パナソニックIS 飲食・物販両店舗に対応の施設用POS開発

パナソニックインフォメーションシステムズ(以下、パナソニックIS)は3月7日、同日より飲食店舗と物販店舗のどちらの運用にも対応した施設POSシステムを発売すると発表した。従来のPOSシステムは飲食店舗用、物販店舗用などの業態に特化した製品が一般的。しかし、両方の店舗を抱える集客施設にとっては「POSシステムの管理運用に手間がかかる」「売上データの分析がし辛い」などの課題が発生していた。
こうした課題を受け、飲食、物販店舗の両方のどちらにも使い勝手の良い集客施設に向けPOSシステムを開発したもの。導入費用は、POS端末一式費用1台あたり30万円から、導入支援サービス費用は1施設あたり225万円から。別途月額ライセンス費用、サーバー利用料が必要。

西松建設 アサヒ飲料と協業しカーボンネガティブコン開発

西松建設は3月6日、アサヒ飲料とともに製造過程でのCO2の排出量がマイナスとなるコンクリートの開発に着手したと発表した。これはアサヒ飲料の「CO2を食べる自販機」により、大気中のCO2を吸収した特殊材を活用し、コンクリートに練り混ぜることによって、CO2排出量がマイナスとなるカーボンネガティブなコンクリートを実現するもの。両社は十分な強度を持つコンクリート材料となることを確認し、今後実施工への適用に向けた取り組みへ進める。
日本国内での生コンクリート年間出荷量は約7,500万㎥(2022年度)とされる。例えばこのうちの0.1%を開発中のコンクリートに置き換えるだけで、毎年27万本の杉の木と同等のCO2削減効果が見込まれる。これは森林の広さで東京ドーム約77個分に相当する。