バイオマスレジンHD コメ由来の「ライスレジン」開発,製品化

使い捨てプラスチックごみ問題、とりわけマイクロプラスチックが生態系に深刻な影響を及ぼすとして世界各地で問題になる中、バイオマスレジンホールディングス(本社所在地:東京都千代田区)はこのほど、石油系プラスチックに代わる、コメ由来のプラスチック、バイオマスレジン「ライスレジン」を開発したと発表した。現状、製品事例は積み木、レジ袋、ゴミ袋、箸、クリアファイルなどだが、コーヒーレジン、ウッドレジン、バンブーレジン、そばレジンなどにバリエーションを広げている。
ライスレジンは、精米時に発生する砕米や米菓、醸造などの製造過程で排出される米粉など食用には適さないコメを原料としたバイオマスプラスチック。石油系プラスチックとコスト、成形性、強度がほぼ同等でありながら、焼却時にダイオキシン等の有害ガスが発生しない熱可塑性樹脂だ。資源米や木粉、竹、竹炭などの国産植物原料に安全性の高いプラスチック「ポリオレフィン」を加えて特殊技術で複合する。ポリ乳酸プラスチック等と違い、生産時に発酵過程を必要とせず、既存の植物系プラスチックが解決できていない耐久性・耐熱性・加工性を石油系プラスチックとほぼ同等で実現している。
ライスレジンは、同社が業務提携および資本業務提携する2社と展開する。国内外の販売では三井物産プラスチック(本店所在地:東京都千代田区、三井物産100%出資)と、製造ではベトナムに拠点を持つコバオリ(本社所在地:京都市北区)とそれぞれ連携する。
現在国内で消費されている年間1,400万トンの石油系プラスチックをすべて「バイオマスレジン」に転換すると、4,400万トンの二酸化炭素(CO2)削減につながり、SDGsの取り組みに向けて活用の広がりが期待される。

ホンダジェット 最新型「EliteS」発表 積載重量・航続距離伸ばす

ホンダは5月27日、航空機事業会社、ホンダエアクラフトカンパニーは、同社初のオンライン発表会で、小型ビジネスジェット機「HondaJet」の最新型としてアップグレードされた「EliteS(エリートS)」を発表した。機体の最大離陸重量が200万ポンド(約91kg)増加し、より多くの荷物を積載できること、あるいは燃料搭載量を増やし、航続距離を最大120ノーティカルマイル(約222km)伸ばすことが可能となった。

近鉄エクスプレス タイの医薬品物流で品質認証を取得

近鉄エクスプレス(本社:東京都港区)は5月28日、タイ法人KWE-近鉄ワールド・エクスプレス(タイランド)が、医薬品物流の品質認証、GDP(Good Distribution Practice)を取得したと発表した。今回取得したのはタイ国内輸送サービスの提供に関する医薬品の適正流通基準。
今回の認証取得により医薬品企業、医薬品大手ディストリビューターへのアプローチを強化し、輸入フォワーディング、配送ビジネスの拡販を進めていく。同社グループの医薬品物流の品質認証取得は8法人目となる。

北越コーポレーション タイで逆浸透膜支持体生産工場を建設

北越コーポレーション(本社:東京都中央区)はこのほど総額約210億円を投じ、新潟工場に家庭紙生産設備を新設するほか、タイに設立する子会社を通じて逆浸透膜(RO膜)支持体生産工場を建設すると発表した。
新潟工場の家庭紙生産設備の新設には約150億円を投じ、年間2万5,000トンの生産能力を整備する。トイレットペーパー、ティッシュペーパー、ペーパータオル等を生産する。タイのRO膜支持体工場には約60億円を投じ、年間5,000トンの生産能力を整備する。新設両工場とも2,023年12月に生産開始する予定。

ロート製薬 新型コロナ抗原検査キットの製造販売承認6/16発売

ロート製薬(大阪本社:大阪市生野区)は5月28日、新型コロナウイルスの高原迅速検査キット「チェックMR-COV19」の製造販売承認を27日に取得し、6月16日より発売すると発表した。同キットはイムノクロマト法により、鼻咽頭ぬぐい液および鼻腔ぬぐい液中の新型コロナウイルスの核タンパク質を検出する。特別な測定機器が不要で、15分で抗原の有無を判定することができる。同キットの国内での流通・販売・プロモーションは、販売提携契約を締結した企業に委託する。

関空改修工事を着工 第1ターミナル コロナ収束後見据え

関西国際空港を運営する関西エアポートは5月28日、第1ターミナル改修工事の起工式を執り行った。新型コロナウイルスの影響で着工は半年遅れ、2020年度の国際線利用者数は約20万人と前年度比99%減と落ち込んだが、、山谷佳之社長は「収束は不透明だが、ワクチンの接種も進み、大阪・関西万博前には活況が戻っていると考えている」としている。
改修計画では、国際線と国内線のエリアを配置し、国際線の駐機スポットを34から39に増やす。一つのレーンで複数の人の手荷物を同時に検査できる「スマートレーン」も16から22に増やすなど、空港全体の受け入れ能力を年間3,300万人から4,400万人に拡大する。出国審査後の商業施設が集まるエリアも60%増やす。改修費は約700億円で、改修中も空港機能は維持する。出発エリアの訪日客向け商業施設の拡充工事の一部は2026年秋ごろの完成を目指す。

ユニリーバJ・花王が6/1からボトルの水平リサイクルへ協働回収

ユニリーバ・ジャパン(所在地:東京都目黒区)と花王(所在地:東京都中央区)は、日用品プラスチック 容器包装の資源循環の推進に向けて協業する。その一環として、6月1日から東京都東大和市で「みんなでボトルリサイクルプロジェクト」を開始する。
東大和市の10カ所に回収ボックスを設置し、家庭で使用後にきれいに洗浄して乾かした使用済み容器を回収。回収した容器をリサイクル事業を担うヴェオリア・ジェネッツへ運び、分別・洗浄・処理した後、ボトル容器からボトル容器への水平リサイクル技術の検証を行う。企業の枠を超えて、水平リサイクルの仕組みの構築に取り組む。
両社はそれぞれ個別にプラスチックの資源循環を推進してきたが、日本においてはメーカーによって使用しているプラスチックの素材が異なることなどから、多くの容器が再び容器へとリサイクルされることがないのが実情。そこで今回両社が協働、プロジェクトに取り組むことになった。

JERA・IHI 石炭火力で石炭とアンモニア混焼技術がNEDOに採択

JERA(東京電力と中部電力の火力発電事業を統合)とIHIは5月24日、今後の環境負荷の低減に向け、大型と商用石炭火力発電機で石炭とアンモニアの混焼による発電を行い、アンモニア混焼技術の確立を目的とした実証事業で、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に採択されたと発表した。
事業期間は2021年6月から2025年3月の約4年間。両社はJERAの碧南火力発電所4号機(発電出力:100万KW)で、2024年度にアンモニア20%混焼を目指す計画。JERAはアンモニア貯蔵タンクや気化器等の付帯設備の建設やアンモニアの調達を、IHIは実証用バーナーの開発をそれぞれ担当する。大型の商用石炭火力発電機で大量のアンモニアを混焼する実証事業は世界初となる。
水素を低コストで効率よく輸送・貯蔵できるアンモニアは、エネルギーキャリアとしての役割に加え、火力発電の燃料として直接利用が可能であり、燃焼時にCO2を排出しない燃料として、温室効果ガスの排出削減に大きな利点があると期待されている。

トヨタ 世界販売4月は85.9万台で過去最高 北米・中国が好調

トヨタ自動車が5月28日発表した4月の生産・販売・輸出実績(トヨタ・レクサス)によると、2021年4月の世界販売は前年同月の2倍にあたる85万9,448台で、4月としては過去最高となった。世界の自動車主要市場の北米と中国での販売が好調だったことに加え、新型コロナウイルスの影響で前年の販売が落ち込んでいた反動。
同社の世界販売が前年同月を上回るのは8カ月連続。新型コロナウイルスの感染拡大前の2019年4月は78万8,000台だったため、2021年4月はこれを9%上回っている。海外販売は約73万5,000台で、同じく4月としては過去最高だった。

パナソニック CO2排出量30年までに実質ゼロに 楠見氏が目標

6月に社長に就任するパナソニックの楠見雄規CEOは5月27日、オンラインで経営方針に関する記者会見を開き、2030年までに二酸化炭素(CO2)排出量を実質ゼロにする意欲的な目標を明らかにした。自社の工場やオフィスで再生可能エネルギーを利用することや省エネを徹底すること、排出権取引を活用することで目標を実現する考え。日本企業の多くはCO2排出量実質ゼロの目標時期を2040~2050年としており、パナソニックの目標はかなり思い切った時期設定となっている。