NATO首脳会議閉幕「ロシアは脅威」即応部隊30万人超

北大西洋条約機構(NATO)首脳会議は6月30日、12年ぶりに改定した今後10年の指針となる新たな「戦略概念」を採択して閉幕した。この中でロシアを「最も重大かつ直接の脅威」と指摘、抑止力と防衛力を大幅に強化すると打ち出した。
これに伴い、NATOは有事の際に即応部隊を10日以内に10万人、30日以内にさらに20万人を派遣できる体制を整えると発表した。2023年までに現在の4万人から30万人以上に増員する。そして、180日以内には追加で50万人以上を送れるようにする。

G7食糧支援に6,000億円拠出「現状変更に反対」

主要7カ国首脳会議(G7サミット)は6月28日、首脳宣言を採択して閉幕した。ロシアに対し「不法で不当な侵略戦争」と強く非難、ロシアへの制裁強化とウクライナへの支援拡大で合意。途上国への食料の安定供給のため45億ドル(約6,000億円)を追加拠出する。このほか、覇権主義的な動きを強める中国を念頭に、首脳宣言で東・南シナ海での「力による現状変更に反対する」ことを明記した。

日本のノウハウ導入したバングラデシュ総合病院オープン

バングラデシュ・ダッカ市で6月18日、「イーストウエスト医科大学病院事業」により設立されたシップインターナショナル病院のオープニングセレモニーが行われた。政府の担当大臣からお祝いのビデオメッセージが寄せられたほか、関係者、日本大使館から伊藤大使、JICAに中澤理事らが臨席した。
同事業は、新型コロナウイルス禍で当初の計画が変更されたが、医療・介護分野で幅広く事業を手掛けるシップへルスケアホールディングスの中核企業グリーンホスピタルサプライが参画し、日本の病院経営、医療現場のノウハウが導入されている。

WTO 6年ぶり閣僚宣言を採択 食糧危機対応で一致

スイス・ジュネーブで開催されていた世界貿易機関(WTO)の閣僚会議は6月17日、約6年半ぶりに閣僚宣言を採択し閉幕した。ロシアのウクライナ侵攻で生じた食糧危機に対応するため、不要な輸出規制を導入しないことで一致した。また、海洋資源の乱獲につながる漁業補助金を規制することで合意した。閣僚宣言の採択は、2015年12月に開かれたナイロビ会合以来。

日本 カンボジアの若手行政官の学位取得を支援

日本政府は、カンボジアの次代を担う若手行政官等が日本の大学院で学位(修士・博士)取得を支援するため総額3億6,300万円を供与限度額とする無償資金協力する。
カンボジアの首都プノンペンで6月13日、三上正裕カンボジア日本国特命全権大使と、プラック・ソコン・カンボジア副首相外務副大臣との間で、この書簡の交換が行われた。これにより、最大26名のカンボジアの若手行政官が日本の大学に留学する。

日本 フィリピンの医療器材などに7.1億円を支援

日本政府は、フィリピンの巡視船用発電機および医療器材合わせて7億1,000万円を無償資金協力する。内訳は、海上法執行能力の向上支援に2億1,000万円、パンサモロ地域の保健サービスの向上支援に5億円。
フィリピンの首都マニラで6月9日、細川和彦駐フィリピン日本国特命全権大使と、テオドロ・L・ログラン外務大臣との間で、この2件の無償資金協力に関する書簡の交換が行われた。

進む世界分断浮き彫り アジア安全保障会議閉幕

シンガポールで3年ぶりに開催されたアジア安全保障会議(シャングリラ会合)が6月12日、3日間の協議を終え閉幕した。同会議には米中を筆頭に30カ国超の閣僚が出席した。
同会合は米中の激しい応酬により進む世界の分断と、その狭間でいずれにも与することもできず戸惑い、ただ見守るだけのアジア太平洋地域の国々の立ち位置が浮き彫りになった。やはり目立ったのは米中の対立。台湾政策を巡って6月11日に行ったオースティン米国防長官の演説に対し、翌12日、中国の魏鳳和国務委員兼国防相が演説、一歩も引かず対抗姿勢を鮮明にした。