英のTPP加入交渉開始を決定 発足国以外で初めて

環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に参加する11カ国は6月2日、閣僚級会合(TPP委員会)をオンライン形式で開いた。英国による加入申請への対応を協議。議長を務めた西村康稔経済再生担当相は終了後の記者会見で、TPP委員会が英国の加入交渉の開始を決定したと発表した。交渉開始決定は発足国以外で初めて。
英国は欧州連合(EU)離脱により可能になった独自の通商政策の柱にTPP加入を位置付けており、TPP加盟国の経済成長を取り込みたい考え。本格的な交渉を行う作業部会は数カ月以内に始まる見通しだが、最終的な加入の可否の判断は22年以降になる可能性がある。

途上国へのワクチン供給 日本が8億㌦拠出 菅首相表明

日米欧などは6月2日、オンラインで新型コロナウイルスワクチンの普及を議論するワクチンサミットを開いた。その結果、2021年中に途上国人口の30%にワクチンを無償で提供する目標に向け、不足する17億ドル(1,870億円)の資金確保にめどをつけた。
菅首相は日本が新たに8億ドルを拠出すると表明した。

日本 インドに新たに人工呼吸・酸素濃縮器計3,000台を緊急支援

日本政府は5月28日、新型コロナウイルスの感染急拡大で深刻な医療危機が続くインドに、新たに国連プロジェクトサービス機関(UNOPS)を通じて人工呼吸器1,000台および酸素濃縮器2,000台を追加で緊急支援すると発表した。これは先に発表した最大5,000万ドル(約55億円)の無償支援協力の一環。これにより、すでに発表済みのものと合わせ、人工呼吸器1,800台および酸素濃縮器2,800台をインドに供与することになる。
5月27日現在、インドの新型コロナウイルス感染症の累計感染者は2,736万9,093人、累計死亡者は31万5,235人に上っている。

G7 貿易相会合 WTO改革で一致 中国の自国保護策をけん制

日米欧の主要7カ国(G7)の貿易担当相は5月28日夜、オンライン形式で会合を開き、世界貿易機関(WTO)改革などを通じて、自由で公平な多国間貿易体制を強化していくことで一致し、共同声明を出した。G7が歩調を合わせて、中国をの自国産業保護策をけん制する内容となった。
会合は27日から開かれ、日本から梶山弘志経済産業相と茂木敏充外相が出席。WTOのオコンジョイウェアラ事務局長も参加し、WTOの紛争処理機能の回復などを巡り協議した。自国産業保護をめぐっては、中国政府による自国企業への手厚い補助や外国企業の知的財産権への侵害が国際的に問題化している。

ミャンマー向けODA見直し・停止の可能性 茂木外相が言及

茂木敏充外相は5月21日、国軍による市民への弾圧が続くミャンマーへの政府開発援助(ODA)について、「このままの状態が続けばODAを見直さざるを得ない」とし、「民間企業が投資したくても、投資できなくなる可能性がある」とODAの停止の可能性に言及し、国軍へ事態の打開を迫った。

途上国の石炭火力発電支援停止へ G7気候・環境相会合

5月20日からオンンラインで開かれていた主要7カ国(G7)気候・環境相会合は21日、途上国などに建設する石炭火力発電について、各国に「裁量」を認めつつ、新たな公的支援をやめるための措置を年内に取ることなどを盛り込んだ共同声明を採択した。ただ、「脱石炭」の方向性は一致できても、それぞれ自国の事情から、日本、米国、そして欧州との間で温度差を感じさせるものとなった。
G7のうちフランス、英国、イタリア、カナダの4カ国は2030年までの国内石炭火力の廃止を決め、ドイツも2038年までの達成を表明している。日米は廃止期限示しておらず、脱石炭の取り組みの遅れが目立っている。
同会合には小泉進次郎環境相や梶山弘志経済産業相らが参加。英国で6月開かれるG7サミットや、11月の国連気候変動の枠組み条約締約国会議(COP26)での議論につなげる。
声明では、各国が2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロを目指すことで一致。そのうえで排出量の多い石炭火力発電を再生可能エネルギーなどに転換し、2030年代には電力の大部分を脱炭素化するとした。

4月訪日外客1万900人 コロナ禍 国際的な移動の制約続く

日本政府観光局(JNTO)の推計によると、2021年4月の訪日外客数は1万900人だった。これは新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の一環として、引き続き国境をまたぐ往来が停止されていることによるもの。ちなみに1万900人は、コロナ禍前の2019年4月比で99.6%減に相当する。なお、観光目的の入国は引き続き認められていない。