後期高齢者の健康保険料上限14万円引き上げ 改正健保法成立

一定の収入がある75歳以上(後期高齢者)の健康保険料を段階的に引き上げる改正健康保険料が5月12日、参院本会議で賛成多数で可決、成立した。出産育児一時金の財源の一部に充てられる。
保険料の引き上げは年金収入が年153万円を超える人が対象。75歳以上の約4割にあたる。上限額もこれまでより14万円上げて年80万円にする。2024年度から段階的に負担を増やす。

大塚製薬の統合失調薬 アルツハイマー病治療で米FDAが承認

大塚ホールディングス(HD、本社:東京都千代田区)傘下の大塚製薬は5月11日、米食品医薬品局(FDA)から、アルツハイマー病に伴ってみられる暴力などの行動障害の治療薬として、統合失調症薬「レキサルティ」が承認を得たと発表した。アルツハイマー病の行動障害向けの薬は米国で初という。レキサルティは大塚製薬が創薬し、2015年に米国で成人のうつ病や統合失調症の治療薬として発売した。現在約60カ国・地域に供給している。
アルツハイマー病は認知症全体の6割強を占めるとされ、薬の服用により介護の負担を減らせる可能性がある。日本でもアルツハイマー病向けの承認申請する予定で、最終段階の治験を行っている。

平和堂 尼崎社協と連携し兵庫県内3店舗でフードドライブ開始

「もったいない」を「ありがとう」に、サスティナブルな社会の実現へ、食品ロスの削減や資源の有効活用の取り組みが広がりをみせている。
平和堂(本社:滋賀県彦根市)は5月9日、社会福祉法人 尼崎市社会福祉協議会と連携し、5月10日から兵庫県内全3店舗でフードドライブを開始すると発表した。毎月第2水曜日〜翌週火曜日に実施。実施店舗はアル・プラザつかしん、アル・プラザあまがさき、フレンドマート尼崎水堂店。受付できる対象品は、家庭で使わずに余っている食品、調味料、飲料など。常温保存が可能なもの。賞味期限が1カ月以上あるもの。成分またはアレルギー表示のあるもの。日本語表記があるもの。尼崎社協 子ども家庭支援グループが運営する。

2月の生活保護申請20.5%増 20年4月以来の高水準 厚労省

厚生労働省によると、2月の生活保護申請は1万9,321件で前年同月比20.5%増となった。増加は2カ月連続。伸び率が20%台となるのは新型コロナウイルスが流行し、雇用情勢が悪化した2020年4月以来となる。ただ、2月の申請件数自体は1月より減少している。
2023年2月から生活保護を受給したのは、1万7,300世帯で前年同月比13.6%増。それ以前から受給しているものを含めた総世帯数は164万2,915世帯となり、0.1%増だった。

日本の子どもの数1,435万人 15歳未満 42年連続減で最少更新

総務省は5月4日、人口推計から算出した子どもの数を発表した。外国人を含む15歳未満の男女は2023年4月1日時点で前年より30万人少ない1,435万人(男性735万人、女子700万人)だった。1982年から42年連続で減少し、過去最少を更新した。この結果、総人口に占める子どもの比率は前年より0.2ポイント低下し11.5%になった。これにより、総人口に占める子どもの比率は1975年から49年連続で縮小した。
国連のデータによると、推計時点は異なるものの、人口が4,000万人以上の36カ国中、日本の子ども比率は最低だった。また、2022年の国連人口推計年鑑によると、子どもの推計比率はインドが25.3%、米国が18.0%、英国が17.5%、フランスと中国が17.2%、韓国が11.6%となっている。

日本特殊陶業 在宅高齢者の会話サービスで新会社設立

Niterraグループ、日本特殊陶業(本社:名古屋市東区)は4月26日、在宅高齢者の日常生活支援の一環として、高齢者の会話量を増やしたり、健康に関する情報を提供したりするデジタル上のコミュニケーションサービスで新会社「YORICOM」(ヨリコム、本社:愛知県小牧市)を設立したと発表した。
新会社の資本金は500万円。2023年4月3日設立した。AIとキャラクターを組み合わせた、バーチャルアシスタントによる「寄り添いコミュニケーション」の事業活動を展開する。

国内初の経口中絶薬の製造販売の承認を了承 厚労省

厚生労働省の薬事分科会は4月21日、人工妊娠中絶のための飲み薬「メフィーゴパック」について、製造販売の承認を了承した。厚生労働相が近く承認する見通し。承認されれば国内初の経口中絶薬となり、手術以外の選択肢が増えることになる。承認された場合、中絶処理できる資格がある医師に限って使用できる。
経口中絶薬は世界で70以上の国・地域で承認され、世界保健機関(WHO)は安全な方法として推奨している。

外国人「技能実習制度」見直し, 対象職種拡大, 人材確保に主眼

外国人の「技能実習制度」の見直しを検討する政府の有識者会議は4月19日、「人材確保」に主眼を置く新制度の創設を求める中間報告書の修正案をまとめた。骨子は新制度と、新制度下でも維持する「特定技能制度」は、いずれも対象となる職種や分野の追加を検討するよう促した点。少子高齢化の進行、生産年齢人口の減少に伴う担い手、働き手不足に対応する狙いがある。

子ども置き去り防止へ送迎バスの安全装置開発広がる 設置義務化で

子どもが幼稚園や保育所の送迎バスに置き去りになるのを防ぐため、4月から安全装置の1年以内の設置が義務付けられたことを受け、当該システム機器メーカーの製品開発の動きが広がっている。
エンジンを止めた後、車内の後部に取り付けたボタンを押さないと警報音が鳴る仕組みで、運転手などに後部まで歩きながら確認するよう促す。また、子どもが取り残されているのを検知した場合、警報音を鳴らし、施設の担当者に携帯電話のメールで通知するものまで多様だ。当該製品は音響機器メーカー、自動車メーカーにも開発の動きが広がっている。
国は4月からおよそ4万4,000台の全国の送迎バスを対象に、子どもの置き去りを防ぐため安全装置の設置を義務付けている。

”準難民”受け入れ制度創設へ 入管法改正案審議入り

外国人の収容・送還ルールを見直す入国難民法の改正案が4月13日、衆院本会議で審議入りした。改正案のポイントは、紛争地から逃れてきた人らを”準難民”として受け入れる制度を創設する点。また、難民認定を巡っては、送還手続きを止められる申請回数を原則2回までとする。これによって、強制送還を回避するための多重申請に歯止めをかける。受け入れの拡充と併せて、不正な滞在への対応を厳格にする措置を盛り込む。