パナソニック「フレイル対策コンソーシアム」参加

パナソニックホールディングス(本社:大阪府門真市)は1月5日、産官学の連携でフレイルの予防改善モデルの構築および社会実装を目指す「フレイル対策コンソーシアム」(事務局:ネコリコ、JDSC)に参加したと発表した。
フレイル対策コンソーシアムは2021年7月、中部電力(本社:名古屋市)とJDSC(本社:東京都文京区)が発起人となって設立。現在、ライフラインデータ(電力データ等)を用いたフレイルの早期発見・早期予防など複数の取り組みを行っている。
パナソニックは「高齢者を再び元気に」する社会の実現を目指しており、今回の参加を通じて「介護予防」にもサービスを拡大するとともに、パートナー企業との連携を強化していく。

米FDA エーザイの早期アルツハイマー病薬を承認

米食品医薬品局(FDA)は1月6日、エーザイと米バイオジェンが共同開発を進めるアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」について、承認申請を認めると発表した。
レカネマブは臨床試験で、認知機能に障害が出始めた早期の、脳内のアミロイドβが繊維状になる前に投与することで、症状の悪化スピードを緩やかにする効果があることを証明した。したがって、レカネマブの効果を最大限に活かすにはアルツハイマー病の早期発見がカギで、その検査法や手法がの開発が課題となる。

23年の18〜20歳の新成人341万人,95年以来減少続く

総務省が発表した2023年1月1日現在の人口推計によると、新たに成人となる人は341万人で、前年からさらに減少、少子化が加速する。この数値は、2022年に民法が改正され、成人年齢が18歳に引き下げられたことに伴う経過措置により、18歳から20歳まで合わせて集計されたもの。
前年に比べ18歳は2万人、19歳は5万人、20歳は6万人それぞれ減少している。いずれの年齢も総人口に占める割合は1%を下回り、1995年以来減り続けている。

外国人技能実習生 厚労省が派遣機関に初の実態調査

厚生労働省は2023年度、日本に派遣される外国人技能実習生の高額な費用負担や人権侵害の実態を調べるため、各国の送り出し機関に対し、初めての現地調査に乗り出す。記録的な円安で日本で働く魅力が低下する中、一部でみられる希望業種・職種、賃金などの不履行など実習生への不当な扱いを是正しなければ、産業界が要望する外国人の人材確保が中長期的に難しくなると判断した。
出入国在留管理庁が2021〜2022年に実習生約2,180人に行った聞き取り調査では、実習生が現地の送り出し機関などに支払った費用は平均約54万円で、半数超の人が来日前に借金していた。費用の名目は仲介業者への紹介料や日本語の事前教育など。実習生は2021年10月時点で約35万人。技能習得、スキルアップというより、実際には就労目的の人が圧倒的に多い。問題は低賃金などを理由に疾走するケースが後を絶たず、2021年は7,167人にも上っている点。
日本政府は失踪の原因の一つに実習生が抱える多額の借金があるとみている。現地および受け入れ業務を担う日本の監理団体との金銭のやり取りも調べる。

福島県昭和村と凸版印刷 高齢者見守りで実証実験

福島県昭和村と凸版印刷(本社:東京都文京区)は12月26日、センシングとAIを活用した介護業務支援サービス「LASHIC+(ラシクプラス)」を活用して、昭和村内の独居高齢者の見守り支援の実証実験を12月下旬から開始すると発表した。
ラシクプラスは、2021年より凸版印刷が提供している温度・人感等のセンシングが可能な簡易センサーと、それらの取得情報を統合解析できるAIにより、プライバシーに配慮した形で施設入居者の公道を把握し、介護従事者の業務負荷の軽減を実現するサービス。
今回の実証はラシクプラスの自治体向けの活用として昭和村における後期高齢者の独居住まいを対象に行う。

エーザイ 中国当局に「レカネマブ」申請データ提出

エーザイ(本社:東京都文京区)とバイオジェン・インク(本社:米国マサチューセッツ州ケンブリッジ)は12月23日、アルツハイマー病による認知障害治療薬候補、抗アミロイドβ(Aβ)プロトフィブリル抗体レカネマブについて、中国の国家薬品監督管理局に対して、生物製剤ライセンス申請のデータ提出を開始したと発表した。今後、中国規制当局の指示に基づき、臨床試験のフルデータ等も追加提出する。

ケアパートナー ベトナム人学生インターン受入開始

大東建託グループで介護・保育事業を展開するケアパートナー(本社:東京都品川区)は12月23日、10月より同社初となるベトナム人学生インターン、2名の受け入れを開始したと発表した。ケアパートナーとドンア大学(所在地:ベトナム・ダナン市)との提携により実現したもの。この取り組みを通じて、外国人が働くことが当たり前の風土・職場環境を構築するとともに、介護業界における人材不足解消に貢献する。

都道府県の平均寿命 男性は滋賀 女性は岡山が最長

厚生労働省の調査によると、全国の都道府県のうち2020年に平均寿命が最も長かったのは男性が滋賀県、女性は岡山県だった。一方、平均寿命最も短かったのは青森県だった。
男性で平均寿命が最も長かったのは滋賀県で82.73歳、次いで長野県が82.68歳、奈良県が82.4歳となった。女性では岡山県が最も長く88.29歳、次いで滋賀県が88.26歳、京都府が88.25歳と続いた。
一方、平均寿命が短かったのは男性では青森県が79.27歳、秋田県が80.48歳、福島県が80.6歳となった。また、女性では青森県が86.33歳、福島県が86.81歳、栃木県が86.89歳と続いた。
厚生労働省は5年に1度、都道府県ごとの平均寿命を調査している。

シスメックス 微量の血液で認知症の兆候診断 承認取得

血液検査装置大手のシスメックス(本社:神戸市)は12月22日、アルツハイマー病の特徴の一つ、血液中のアミロイドベータ(Aβ)を測定する検査試薬の製造販売承認を、厚生労働省から取得したと発表した。エーザイ(本社:東京都文京区)と共同開発したこの試薬は、Aβの蓄積量を17分で簡便かつ安価に測定できるため、患者にかかる負担が小さい。2023年5月に国内での発売を目指す。

フレイル関与の自律神経と腸内細菌叢の関係を発見

ファンケルと弘前大学の研究グループは12月21日、フレイルに関与する自律神経機能や生活の質向上に関する因子の関係を発見したと発表した。フレイルは適切な介入や支援を行うことで生活機能の維持向上を可能とし、予防することができると考えられている。人生100年時代といわれる昨今、生活習慣病の予防や腸内細菌叢の改善に着目して、自律神経機能の低下の予防や、QOLの維持に貢献する研究を続けていく。