EPAに基づく3カ国の看護師・介護福祉士候補者の滞在1年延長

日本政府は2月19日、閣議で経済連携協定(EPA)に基づくインドネシア人、フィリピン人、ベトナム人看護師・介護福祉士候補者の1年間滞在期間を延長することを決めた。
この決定により、EPAに基づき平成30年度および令和元年度に入国したインドネシア人、フィリピン人、ベトナム人看護師・介護福祉士候補者のうち、滞在期間中の最後の国家試験に不合格になった者について、一定の条件に該当している場合、追加的に1年間の滞在期間延長を認めることになる。これにより滞在期間中に国家試験を受験する機会が増えることから、合格者の増加につながることが期待される。

ベトナムで初の特定技能試験 3/23建設分野で実施 フィリピンも

国土交通省は2月18日、ベトナム国内で初となる特定技能評価試験を3月23日に実施すると発表した。建設分野の在留資格「特定技能1号」で、合格者は最短で夏から日本で就労を開始する予定。フィリピンでも3月に特定技能の評価試験が実施される。
ベトナム第1回の試験は「鉄筋施工」職種が対象で、定員は30人。建設技能人材機構(JAC)が、首都ハノイの第一建設短期大学で実施する。フィリピンでは3月17日に「電気通信」職種の試験が実施される予定。定員は30人で、会場は同国カビデ州。建設分野では同国初となる。
出入国在留管理庁によると、特定技能で働く外国人数は2020年末時点(速報値)で1万5,663人だった。全員が特定技能1号で、2号はゼロ。このうち建設分野は1,319人で、国別にみるとベトナム人が991人、中国人が120人、フィリピン人が63人などと続いている。

三菱自 100の自治体と災害協力協定 電動車の有用性を発信

三菱自動車工業(本社:東京都港区)は2月15日、災害発生時に電動車を被災地・避難所へ速やかに届けることを目的に、全国の自治体と災害時に協力協定の締結を目指す「DENDOコミュニティサポートプログラム」を推進しているが、このほど締結自治体が100に達したと発表した。
事前に協定を交わし、災害発生時に改めて必要手続きを確認し時間的ロスをなくすことで、給電時に活用できるプラグインハイブリッド電気自動車「アウトランダーPHEV」や「エクリプスクロス」(PHEVモデル)などの電動車を速やかに自治体に貸し出すことを可能としている。
このプログラムは同社と系列販売会社、自治体の協力関係を災害対策に生かす取り組みとして2019年に始動。2022年度までに全国の自治体と協定を締結することを目指している。

タイ 高齢者介護事業には保健省のライセンスが必要に

日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、タイ保健省は1月27日から介護事業者へのライセンス発行を開始した。ライセンスは同国の2020年7月20日付「医療機関以外での高齢者介護事業に関する省令」に基づき発行されるもの。これにより、タイで介護事業を行うには保健省のライセンスを受けることが必要になっている。
省令では介護事業について「訪問介護」「介護施設」「短期入所(ショートステイ)」の3つに分類。これら3事業に携わる場合、事前にライセンスを取得することが求められる。すでにタイで介護事業を行っている事業者は、7月25日までにライセンスの申請・登録を行う必要がある。

三谷産業 60歳以上の無期限継続雇用制度を制定 4月から施行

三谷産業(本社:石川県金沢市)は2月2日、60歳以上の社員の継続雇用制度を新たに制定したと発表した。2021年4月から施行する。
国内グループ会社の60歳以上の全社員が対象。60~65歳となる年度までを「マスター正社員」として、66歳となる年度から「マスター嘱託社員」として、また人材区分は新たな役割を定義した「熟達者」となる。これにより、グループ全社の中でマッチングを図り、定年退職を事実上廃止する。
2021年4月より施行される改正高年齢者雇用安定法に呼応、企業が70歳まで働けるような措置をとるよう努力義務が課されることを見据えた制度。

コロナ倒産1年で累計1,000件の大台に 時短・自粛で売上回復せず 

東京商工リサーチのまとめによると、新型コロナウイルスに関連した全国の企業倒産件数が2020年2月の初確認から1年で、累計で1,000件の大台に達した。
外出自粛の広がりや営業時間の短縮要請などで売り上げが回復せず、資金繰りに困窮する中小企業が多い。そのため、負債額1億円未満の倒産が半数強を占めた。
2月2日に決定した政府による10都府県の緊急事態宣言の1カ月延長もあり、主要都市圏はじめとして企業の売り上げの回復は見込めず、関連倒産はさらに増えるとみられる。
業種別では飲食業が182件で最も多く、以下、アパレル関連91件、建設業83件、ホテル・旅館62件と続いている。都道府県別では東京都が247件で最多、以下、大阪府が94件、神奈川県55件、愛知県および兵庫県が46件となっている。

外国人労働者172万人と過去最多 コロナで増加率大きく鈍化

厚生労働省は1月29日、2020年10月末時点の外国人労働者が前年比4.0%増の172万4,328人だったと発表した。前年に比べて6万5,524人増え、2007年に届け出が義務化されて以降、過去最多を記録した。
人手不足を背景に外国人労働者の採用増の流れは続くが、増加率は前年の13.6%から大きく鈍化し、新型コロナウイルス拡大に伴う雇用情勢の悪化が影響した。

出光興産 介護ビジネス展開へQLCプロデュースの株式取得

出光興産(本社:東京都千代田区)は1月27日、介護事業を包括的に連携・サポートする仕組みづくりに取り組むQLCプロデュース(本社:東京都品川区)の株式を取得する契約を締結したと発表した。株式譲渡実行日は4月1日。
これにより、出光興産は、地域に根差した経営を行う系列特約販売店の強みを活かした新規事業の一つとして介護ビジネスを展開していく。安心で活力ある超高齢社会を目指し、系列販売特約店の事業多角化支援に取り組む。

コロナ禍でパート女性90万人が実質”失業状態” 野村総研推計

野村総合研究所の推計によると、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、パートやアルバイトとして働く女性1,163万人のうち、少なくとも7.7%にあたる90万人が「実質的な失業状態」にある。
総務省の労働力調査によると、2020年11月の女性の完全失業者数(原数値)は72万人。これに実質失業者数を加えると計162万人となり、女性の失業率は2.3%から5.2%まで跳ね上がる。
調査は同研究所が2020年12月、20~59歳のパート・アルバイト女性約5万6,000人にアンケートを実施した。

20年上場企業「早期・希望退職募集」2.6倍の93社 リーマンS以来

東京商工リサーチのまとめによると、2020年に早期・希望退職募集を開示した上場企業は93社に上った。募集企業数はリーマン・ショック直後の2009年の191社に次ぐ高水準。前年の35社から2.6倍に急増した。募集人員は判明した80社で1万8,635人を数え、2012年の1万7,705人を超え、企業数と同様、2009年に次ぐ水準。業種別ではアパレル・繊維製品が18社で最多。次いで自動車関連と電気機器の各11社が続いている。
募集人員は、最多が日立金属の1,030人、レオパレス21の1,000人、コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングスの900人、ファミリーマートの800人など。500人以上の募集は計12社。一方、募集人数300人以下は66社(構成比70.9%)と7割を占めた。
新型コロナウイルス感染拡大による打撃で業績が悪化、赤字・リストラによる立て直し策の一環。