生活保護訴訟 「重大な過失」名古屋高裁が国に賠償命令

名古屋高裁で11月30日、生活保護受給者の生活の根幹に関わる控訴審判決があった。これは2913〜2015年の生活保護費の基準額引き下げは違法として、受給者13人が自治体による減額処分の取り消しや国に賠償を求めた訴訟。
長谷川泰弘裁判長は「著しく合理性を欠き、裁量権を逸脱している」として処分を取り消したうえで、国に1人あたり1万円の支払いを命じた。厚生労働相に対して「重大な過失がある」とし、生活保護法に加え、国家賠償法上の違法も認定した。原告弁護団によると、同種訴訟で国への賠償命令は初めて。

日本生命 ニチイHDを2,100億円で買収へ 介護参入で収益源多角化

日本生命保険は11月29日、介護事業大手ニチイ学館を傘下に持つニチイホールディングス(HD)を約2,100億円で買収すると発表した。介護事業に本格参入し、収益源の多角化を図る。ニチイHDの株式を間接的に保有する米投資ファンド、ベインキャピタルなどからほぼ全株式を取得する予定。金融庁の認可を前提に早期の買収完了を目指す。生保大手の企業買収は同業や海外の資産運用会社が中心で、今回のように異業種買収は異例。

23年出生数70万人台前半か 出生数8年連続最少へ

少子化に全く歯止めがかからない。厚生労働省が11月24日発表した人口動態統計によると、2023年1〜9月の出生数(外国人含む、速報値)は56万9,656人にとどまり、前年同期比5.0%減少した。これを基に試算すると、2023年の日本人の年間出生数は70万人台前半と、8年連続過去最少を更新する見通しとなった。
政府が喫緊の課題として掲げる、少子化対策の声は挙がっているが、現実には婚姻・妊娠数にはほとんど反映されておらず、現時点ではいぜんとして出生数増には全く結びついていない。

23年出生数70万人台前半か 出生数8年連続最少へ

少子化に全く歯止めがかからない。厚生労働省が11月24日発表した人口動態統計によると、2023年1〜9月の出生数(外国人含む、速報値)は56万9,656人にとどまり、前年同期比5.0%減少した。これを基に試算すると、2023年の日本人の年間出生数は70万人台前半と、8年連続過去最少を更新する見通しとなった。
政府が喫緊の課題として掲げる、少子化対策の声は挙がっているが、現実には婚姻・妊娠数にはほとんど反映されておらず、現時点ではいぜんとして出生数増には全く結びついていない。

雇用保険の加入条件緩和へ「週10時間以上勤務」も 500万人が対象

厚生労働省が雇用保険の加入条件の一つとしている週の労働時間について、現行の「20時間以上」から「10時間以上」に緩和する方向で検討していることが分かった。これにより新たにおよそ500万人が加入する見込み。共働き世帯や短時間労働者など多様な働き方が増加している中、現実に即して制度も見直す。2028年度までに拡大する。年内に厚労省の審議会で原案を示し、2024年の通常国会に関連法案を提出する。

外国人労働者の新制度「就労1年超」で転職可 最終報告案

政府の有識者会議は11月24日、外国人労働者受け入れのあり方について、非熟練労働者の受け入れ資格である技能実習制度に代わる新制度の最終報告書案を示した。新制度の基本的な考え方は「育成就労で、目的は人材育成と人材確保。
この骨子は、3年間の就労が基本だが、①1年超の就労と日本語能力(N5合格相当)・技能などの要件を満たせば同一業種内で転職が可能②人権保護に配慮しつつ、金銭負担を軽減するため来日手数料を受け入れ企業と分担③特定技能1号へのキャリアアップを目指すーなど。政府はこの最終報告に基づき、2024年1月召集の通常国会に関連法案の提出を目指す。

厚労省 緊急避妊薬11/28から試験販売 全国145薬局 16歳以上

厚生労働省は11月17日、望まない妊娠を防ぐために性交後に服用する「緊急避妊薬(アフターピル)」を、28日から医師の処方箋なしでの試験的な薬局販売を開始すると発表した。緊急避妊薬はノルレボ錠とジェネリック医薬品のレボノルゲストレル錠。性交後72時間以内に飲むと高い確率で妊娠を回避できる。
都道府県の2〜3店、全国145薬局で順次販売するという。対象は16歳以上で、18歳未満は保護者の同伴が必要。販売価格は7,000〜9,000円程度。

政府 在留資格ないスリランカ人に親子に初の「在留特別許可」

政府は11月17日、在留資格のないスリランカ人親子に初の「在留特別許可」を出しことが明らかになった。今回許可を受けたのは、茨城県内に居住する7歳と5歳の男の子と両親。
両親は2012年に技能実習生として来日。その後、母国に帰ると政治的な対立で身の危険が及ぶ恐れがあるとして難民申請していたが認められず、その途中に在留資格を失っていた。
政府は今年8月、親に国内で重大な犯罪歴がないなどの一定の条件を満たせば、日本で生まれ育った在留資格のない外国人の子どもに日本での滞在を認める「在留特別許可」を与える方針を決めた。今回の措置はこの方針を受けたもの。

塩野義 12月よりストリーム・アイが在宅緩和ケア支援サービス

塩野義製薬(本社:大阪市中央区)は11月16日、エムスリー(本社:東京都港区)との合弁会社、ストリーム・アイ(本社:大阪市中央区)が12月より、在宅緩和ケア支援新規サービス「Home Care Base」を国内で開始すると発表した。これはデジタルプラットフォームを活用した在宅医療提供における医療従事者向けの支援サービス。在宅での緩和ケアに携わる医師、薬剤師、看護師が直面する複雑な課題に対して、緩和ケアの専門家が適切なアドバイスと解決策を提供する。

KDDI, やさしい手など 人手不足解消へ対話AI搭載型ロボで介護実証

KDDI(本社:東京都千代田区)、シャープ(本社:大阪府堺市)、日本総合研究所(本社:東京都品川区)、やさしい手(本社:東京都目黒区)の4社は11月13日、シャープのコミュニケーションロボット「RoBoHoN(ロボホン)」に対話AIシステム「MICSUS(ミクサス)」(Multimodal Intaractive Care Support System)を搭載した対話AI搭載型ロボットを活用した介護サービスの実証を実施すると発表した。実施期間は11月17日から12月18日まで。
この実証では自宅や、やさしい手が運営するサービス付き高齢者向け住宅で暮らす高齢者の居室に、このロボットを設置。ケアマネジャーの業務である高齢者の健康情報確認のほか、雑談を通じた日常の関心情報の収集が可能。4社はこの実証を通じてロボットによるケアマネジャーなどの業務負荷軽減や高齢者とその家族とのコミュニケーションの活性化への効果を検証し、介護人材不足の解決に貢献する。
「介護の2025年問題」と指摘される2025年度には約32万人、2040年度には約69万人の介護人材が不足すると見込まれている。