厚労省 第一三共の新型コロナワクチン承認 国産初の実用化

厚生労働省の専門部会は11月27日、第一三共が開発したメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンの承認を了承した。承認されたのは第一三共が開発したオミクロン型派生型「XBB1.5」対応ワクチン。厚労省と第一三共はすでに140万回分のワクチン購入で合意している。今後、厚労相による正式承認を経て、12月上旬にも医療機関への配送が始まり、現在実施中の接種での仕様を予定している。これにより、国産では初となる新型コロナウイルスワクチンが使用されることになる。

沖縄に自然体験型テーマパーク「JUNGLIA」25年開業目指す

刀(本社:大阪市)と同社が筆頭株主であるジャパンエンターテイメント(本社:沖縄県名護市)は11月27日、沖縄北部テーマパークプロジェクトについて、そのコンセプトとブランド名およびロゴを発表した。コンセプトは「Power Vacance!!(パワーバカンス)」、名称は「JUBGLIA(ジャングリア)」。アジアの富裕層に照準を置き、2025年の開業を目指す。
神秘と生命力に満ちた広大な世界自然遺産「やんばる」の地で、都会にはない興奮と贅沢を満喫、体感してもらうーとしている。

大阪ガス 脱炭素化へメタネーション研究開発拠点建設・起工式

大阪ガス(本社:大阪市中央区)は11月10日、都市ガスの脱炭素化に向けてメタネーション(CO2と水素を合成して都市ガスの主原料となるメタンを製造する)技術の開発を進める大阪・此花区の新たな研究開発拠点の起工式を行った。同地の酉島地区におよそ20万㎡の敷地に地上4階建ての研究棟や実証実験のための施設が建設される予定で、2025年の完成を見込む。起工式には幹部らおよそ30人が参加し、工事の無事を祈った。

大林組とトヨタ CFRP廃棄物をコンクリート材に再生技術を開発

大林組とトヨタ自動車は11月9日、共同で燃料電池車「MIRAI」の水素タンクに使用される炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の端材を、コンクリート補強用短繊維として再生利用する新たな技術「リカボクリート(TM)工法」を開発し、トヨタ明知工場内の部品置き場床面に初適用したと発表した。
リカボクリート工法の特長は①独自の熱加工により、CFRP端材表面からCFRPを剥がす技術を確立した②再生加工したコンクリート補強用短繊維は、同じ目的で従来使われてきたポリプロピレン短繊維の3分の2の添加量で同等以上の圧縮強度や曲げ靭性を発揮する③新品の炭素繊維と比べてCO2排出量を15分の1に低減できる。これにより、CFRPの廃棄物を削減し、循環型経済の推進に貢献する。

慈恵医科大, 横浜市立大など 光免疫療法の戦略手法を確立

東京慈恵会医科大学、横浜市立大学、米国国立がん研究所らの研究グループは11月6日、光免疫抗体を用いることで、生物種や薬剤耐性に関係なく様々な標的を選んで破壊、除去できる光免疫治療戦略の基準となる手法を確立したと発表した。
光免疫療法はウイルス、細菌・細胞といった標的に光免疫抗体を結合させ光を当てることで、標的のみを破壊、除去できるが、この研究では標的に結合する抗体(モノクローナル抗体)と、近赤外光に反応するプローブが結合した光免疫抗体を用いることにより、多種多様な細胞や微生物を光免疫療法の対象とする手法を確立した。

日米欧など28カ国、企業が「AI安全サミット」初の国際会議

急速に進化する人工知能(AI)の安全性を議論する国際会議「AI安全サミット」が11月1、2日、英国・ロンドン近郊で開かれた。同会議には世界の日米欧など28カ国やイーロン・マスク氏など企業経営者らおよそ150人が参加した。スナク英首相は記者会見で「新たなAIモデルの安全性評価で同志国や企業が協力する」と述べた。

竹中工務店と出光 建設系使用済みプラスチックの再資源化で実証

竹中工務店(本社:大阪市中央区)と出光興産(本社:東京都千代田区)は10月31日、共同で建設系使用済みプラスチックの再資源化(油化ケミカルリサイクル)に向けた実証実験を開始すると発表した。
同実証実験では建設現場で発生した使用済みプラスチックの原料化に向けて竹中工務店が徹底的に分別し、出光興産の子会社、ケミカルリサイクル・ジャパン(本社:東京都中央区)が油化ケミカルリサイクル技術を用いて生成油を生産する。出光興産はこの生成油を石油化学製品や燃料油の原料として利用できるかを確認するとともに、再資源化の可能性についても検証する。

SBIと台湾PSMC 宮城県に半導体工場を新設 車載用など生産

SBIホールディングス(本社:東京都港区)は10月31日、台湾の半導体受託生産大手Powerchip Semiconductor Manufacturing Corporation(以下、PSMC)とともに宮城県黒川郡大衡村、第二仙台北部中核工業団地を半導体建設予定地として決定、JSMC(本社:東京都港区)および宮城県を合わせた4社で、日本政府から一定以上の補助金を受領することを前提とし、先端半導体工場の建設に向けた基本合意書を締結したと発表した。JSMCは8月にPSMCが今回のプロジェクトの準備会社として設立した事業会社。
建設予定地の工場では最終的に28nm、40nm、55nmの半導体について月間4万枚のウェハを生産する計画。PSMCは車載向け半導体需要の90%を占めるとされている28nm以上の半導体を高品質で安価・大量に生産するビジネスモデルのノウハウを持つ。

竹中工務店 竹本油脂と共同で高流動・無収縮コンクリート開発

竹中工務店は10月30日、竹本油脂と共同で高流動・無収縮タイプコンクリート「ファインリードF」(特許取得済み)を開発したと発表した。これにより、コンクリート打ち込み作業を省力化して施工性を改善するとともに、コンクリート表面のひび割れを抑制して、建物の美観を保ち耐久性を向上させる。
ファインリードF実用化例として自社開発プロジェクト「代々木参宮橋テラス」(所在地:東京都渋谷区)に初適用。竣工後、半年以上経過しても当初の美観を維持していることを確認しているという。

シャープ 積層型太陽電池モジュール変換効率33.66%達成 世界初

シャープは10月27日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「移動体用太陽電池の研究開発プロジェクト」で、化合物2接合型太陽電池モジュールと、シリコン太陽電池モジュールを組み合わせた積層型太陽電池モジュールで、世界最高の変換効率33,66を達成したと発表した。同モジュールの変換効率は同社が2022年にNEDOのプロジェクトで達成した世界記録32.65%を更新するもの。
今回試作した太陽電池モジュールは、化合物2接合型太陽電池セルをトップ層に、シリコン太陽電池セルをボトム層に配置した新構造により、様々な波長の光を効率的にエネルギー変換できることから高効率化を実現した。
同社は今後も電気自動車や宇宙・航空分野などの移動体への搭載に向けて、引き続き太陽電池モジュールの高効率化および低コスト化に関する研究開発を進め、移動体分野における温室効果ガスの排出削減に貢献していく。