国立循環器病研究センター(国循、所在地:大阪府吹田市)は7月2日、生まれつき心臓の構造が正常と異なる先天性心疾患の手術に際して、3Dプリンターで作る心臓模型の使用が保険適用されたと発表した。この心臓模型は国循とクロスメディカル(所在地:京都市)が共同開発。2023年に医療機器として承認されている。
先天性心疾患はおよそ100人に1人の割合で発症するとされる。心臓の構造が複雑なうえ、症状も様々で個人差が大きく、一般には手術の難易度が高い。そこでこの模型を使った事前のシミュレーションによって、手術の精度や安全性の向上が期待され、当該患者には朗報だ。
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低コストで患者本人のiPS細胞製造施設 大阪・北区で開所
京都大学iPS細胞研究財団の山中伸弥理事長(京都大学教授)は6月20日、大阪市北区の医療拠点に、低コストで患者本人の血液からiPS細胞を製造する新たな施設を開所したと発表した。
これは同財団が運営する「Yanai my iPS製作所」で、広さはおよそ1,400㎡、iPS細胞を培養する装置が14台あるほか、培養した細胞を保管するスペースなどもある。同財団では、同施設で製造された患者本人のiPS細胞を使用した臨床試験が、2028年度までに医療機関で開始できるように事業を進めたいとしている。
財団によると、患者本人のiPS細胞からつくった組織などを移植することで、拒絶反応のリスクの低減が期待されるが、1度の製造コストがおよそ5,000万円と高額になることが課題だった。そのため、この施設では工程を自動化することなどで、製造コストをおよそ1,000万円程度に抑えることを目標に掲げている。製造期間も半年から3週間程度に短縮することを目標にしている。