大型フェリーでバイオディーゼル燃料の実証航海

商船三井(本社:東京都港区)、ユーグレナ(本社:東京都港区)は3月29日、茨城県大洗港で、商船三井グループの商船三井フェリー(本社:東京都千代田区)が保有・運航するフェリー「さんふらわあ しれとこ」で、ユーグレナが販売する次世代バイオディーゼル燃料を使用した実証試験航海を実施したと発表した。
今回使用した次世代バイオディーゼル燃料は、バイオマス(生物資源)を原料とし、船舶のディーゼルエンジンに対して内燃機関を変更せずに使用が可能。旧来使用されている重油に比べて、硫黄分を含まないためSOx規制に対応している。また、このバイオ燃料は燃焼段階ではCO2を排出するが、バイオマス原料が成長過程で光合成によってCO2を吸収するため、使用した際のCO2 の排出量が実質的にはネットゼロとなるカーボンニュートラルのい実現に貢献すると期待されている。

東北大 間葉系幹細胞の幹細胞性向上へ新規培養法開発

東北大学は3月29日、間葉系幹細胞の幹細胞性を向上させる新規培養法「振盪浮遊培養法(しんとうふゆうばいようほう)」を開発したと発表した。浸透浮遊培養に、神経の元となる神経幹細胞用培地を応用することで、神経堤細胞様の間葉系幹細胞凝集体(スフェロイド)を作製することに成功した。このスフェロイドが幹細胞関連遺伝子・免疫調整遺伝子の発現を回復させることで、骨再生効果を向上させることを示した。

阪大と島津製作所「培養肉」を自動製造技術開発

大阪大学(本部:大阪府吹田市)、島津製作所(本社:京都市中京区)、シグマクシス(本社:東京都港区)の3者は3月28日、3Dバイオプリント技術の社会実装に向け協業する契約を締結したと発表した。
また、これに先立ち大阪大学と島津製作所は、3Dバイオプリント技術を応用したテーラーメード「培養肉」を自動生産する技術を共同開発する契約を締結した。牛から取り出した細胞の培養や、肉の形を自動で整えるシステムの構築を目指す。
シグマクシスは、コンサルティング事業を通じて培った高いプログラムマネジメント能力と、フードテック・コミュニティをはじめとした多様な企業とのアライアンスネットワークを生かし、3Dバイオプリント技術の実装に向けたプログラム・マネジメント・オフィスとしての役割を担う。

ネクストミーツ 話題の代替肉をスーパーなどで展開

代替肉の研究開発、製品の製造・販売を手掛けるネクストミーツ(本社:東京都新宿区)は3月25日、話題の代替肉「NEXTカルビ2.0」を4月1日よりスーパーやドラッグストアなど全国の小売店で展開していくと発表した。これに先駆け3月26日より全国のイトーヨーカ堂127店舗(2月末現在)で先行発売する。
NEXTカルビ2.0は2021年10月にオンラインで販売展開したところ、テレビや雑誌で話題となり、多い日にはネットで1日に1,000食以上も売れ、人気商品となった。
先行発売するのはNEXTカルビ2.0が80g1パック298円(税別)、NEXTハラミ80g1パック298円(税別)。いずれも動物性不使用で、100%植物性の食品。

IHI ,興和 インドのアダニとアンモニア混焼で覚書

IHI(本社:東京都江東区)は3月22日、興和(本社:名古屋市)およびインドの電力大手アダニ・パワーとともに3社共同で、アダニがグジャラート州に保有するムンドラ石炭火力発電所にアンモニア混焼技術を適用するための検証を進めていくことでMoU(覚書)を締結したと発表した。
まず既設の石炭焚きボイラーへのアンモニアの20%混焼に向けた各種技術の調査を、2022年のできるだけ早い時期に開始。2024年に検証開始を目指す。検証事業では興和は事業の普及促進を、IHIはアンモニア混焼の技術面をそれぞれ担う。将来的には、アンモニア専焼まで混焼率を高めていくことも検討していく。インド国内の石炭火力発電所からの二酸化炭素(CO2)の排出量削減を目指す

スズキ「空飛ぶクルマ」事業化へスカイドライブと提携

スズキ(本社:静岡県浜松市)は3月22日、「空飛ぶクルマ」の事業化を目指し、当該事業のスタートアップ、スカイドライブ(本社:愛知県豊田市)と提携したと発表した。両社で機体の共同開発や量産体制の構築で協業の検討を始める。スズキが圧倒的シェアを誇るインドなど海外で空飛ぶクルマの展開も視野に入れる。
スカイドライブは2018年、元トヨタ自動車の技術者らが立ち上げたベンチャー企業で、伊藤忠商事などが出資している。日本国内の空飛ぶクルマの開発で先行している。

3社が「メタン酸化触媒システム」のAiPを取得 世界初

日立造船、商船三井、ヤンマーパワーテクノロジーの3社は3月16日、一般財団法人 日本海事協会より、LNG燃料機関から排出されるメタンを酸化させることでメタンスリップを削減する「メタン酸化触媒システム」に関する基本設計承認(Approval in Principle、以下、AiP)を取得したと発表した。同システムのAiP取得は世界初となる。
これは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から公募された「グリーンイノベーション基金事業/次世代船舶の開発」において、「触媒とエンジン改良によるLNG燃料船からのメタンスリップ削減技術の開発」として採択されたプロジェクトの一環。
2021年度から2026年度までの6年間で同コンセプトの設計の実機実証を行うとともに、メタン酸化触媒とエンジンの改良を組み合わせるることで、LNG燃料機関のメタンスリップ削減率70%以上を実現し、LNG燃料船のさらなる環境負荷低減を目指す。

カネカ 高性能ペロブスカイト太陽電池の実用化技術開発を加速

カネカ(本社:東京都港区)は3月16日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーンイノベーション基金事業/次世代型太陽電池の開発」の助成金交付決定を受け、高性能ペロブスカイト太陽電池の実用化技術開発を加速すると発表した。
ペロブスカイト太陽電池は、高変換効率と低製造コストとの両立が可能な次世代型太陽電池として、近年世界的に注目されている。日本でも2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、既存技術では設置が難しい場所への太陽電池の導入に、その軽量性や柔軟性を活かすことができると期待されている。

三井化学 フルステムと幹細胞大量培養用不織布を共同開発

三井化学(本社;東京都港区)は3月16日、フルステム(所在地:沖縄県那覇市)と幹細胞の高密度大量培養に向けた高機能不織布の共同開発を開始したと発表した。両社は、三井化学が培った高分子材料や不織布成形の知見と、フルステムが持つ幹細胞の高密度大量培養技術・装置の知見を合わせることにより、次世代の肝細胞大量培養プラットフォーム技術を共同で開発し、再生医療の発展に貢献していく。

川崎重工 大型ガスエンジンで水素30%混焼技術を開発

川崎重工は3月16日、発電出力5MW以上の大型ガスエンジンにおいて、水素を体積比30%までの割合で天然ガスと混焼して、安定した運用を実現できる燃焼技術を国内ガスエンジンメーカーとして初めて開発したと発表した。
今回開発した混焼技術によって、発電出力や水素混合比率に応じて燃焼状態を適正に制御できるシステムを構築し、このシステムを搭載した単気筒機による実証運転により、水素混焼時でも安定した運用が可能であることを確認した。