電通, 日通, コーナン 価格転嫁に応じず 下請けと協議せず

公正取引委員会は3月14日、下請け企業と協議せずに取引価格を据え置いた事例が数多く確認された事業者として、広告大手の電通、物流大手の日本通運、ホームセンター大手のコーナン商事の3社を公表した。
公取委は2024年5月から、労務費や原材料価格の上昇を取引価格に転嫁しているかどうかを調べるため、約11万社に書面調査を実施。価格転嫁を認めずに据え置いた企業として、受注側から名前が多く挙がった発注者に聞き取り調査した。
公取委は3社の取引実態をさらに調査し、下請け企業が価格転嫁できるよう改善を促す。

フライト疑似体験 万博会場内に「空飛ぶクルマ」展示施設

万博協会は3月13日、大阪・関西万博の会場内に、次世代の移動手段として期待される「空飛ぶクルマ」の展示施設を設けると発表した。
目玉はフライトの疑似体験ができる幅7m、高さ4.7m、奥行き8mの巨大シアターで、日本航空が設ける。スクリーンは前方と左右、床面に、来場者を囲むように設置され、あらゆる方向から音が聞こえる立体音響や振動技術を駆使して臨場感を高める。
約15分間、空飛ぶクルマに乗って大阪上空を飛行しているような没入感のある体験ができるという。一度に約20人が参加可能だ。将来的な実用化に向けて理解を広げたい考え。施設名は「空飛ぶクルマ ステーション」で、展示面積は300㎡。入館には予約が必要となる。空飛ぶクルマの離着陸場を運営するオリックスは、施設内にモニターを設置し、空飛ぶクルマや離着陸場について紹介する動画を流す。
万博でのデモ飛行は、日本航空と住友商事が設立したソラクル(所在地:東京都)、ANAホールディングスと米ジョビー・アビエーション、丸紅、スカイドライブ(所在地:愛知県豊田市)の計4陣営が行う予定。

パート賃上げ率6.53% 3年連続最高更新 UAゼンセン1次集計

繊維、流通、外食などの労働組合が加盟するUAゼンセンは3月13日、2025年春闘の妥結状況の1次集計を公表した。大幅な改善が課題となっているパート従業員の賃上げ率は前年同期比0.08ポイント高い6.53%と3年連続で過去最高を更新したが、UAゼンセンが掲げていた賃上げ目標の「7%基準」には届かなかった。正社員の賃上げ率も0.54ポイント低い5.37%にとどまった。パートが正社員の賃上げ率を上回るのは9年連続。
13日午前10時時点で妥結したパート95組合(約49万人)、正社員139組合(約26万人)を集計した。

山九 インド・アンドラプラデシュ州に大型物流センター

山九(本社:東京都中央区)は3月13日、インド南部のアンドラ・プラデシュ州スリシティで2024年10月1日に大型物流センター「スリシティ物流センター」を開設したと発表した。同センターはは日系大手メーカーの専用センターとして、インド国内の顧客への生産・販売拠点を支える物流拠点および、アフリカ、中東市場への輸出拠点としての位置付けで開設された。
同センターの敷地面積は3万3,418㎡、倉庫面積2万8,538㎡。鉄骨平屋建て・高床式で、ドックレベラー9基を装備。チェンナイ港まで約80km、スリシティ工業団地に近接する立地にある。

塩野義 コロナ薬「ゾコーバ」治験で服用後の感染67%減少

塩野義製薬(本社:大阪市中央区)は3月13日、新型コロナウイルス治療薬「ゾコーバ」の臨床試験(治験)で、服用後10日間に感染する割合が67%低下する効果があったと発表した。日本や米国などで患者の同居家族など2,387例を対象に、感染を予防する効果を検証した結果を論文で明らかにした。

世界初「ウラン蓄電池」開発 原子力機構 劣化ウランを資源化

日本原子力研究開発機構(原子力機構)は3月13日、ウランを使用する世界初の蓄電池を開発したと発表した。実用化すれば、天然ウランから原発の燃料を製造する際の副産物である「劣化ウラン」を資源化でき、再生可能エネルギーの普及にも貢献できるとしている。
負極側の電解液にウラン、正極側の電解液に鉄をイオン化して溶かし、その電位差で発電する。幅約10cmの試作機は、電圧がアルカリ乾電池の1.5ボルトに近い1.3ボルト。充放電を繰り返しても、性能や電極の状態に変化はなく安定していた。リチウムイオン電池よりも大型化が可能で、実用化が進むバナジウム電極の大型蓄電池より高効率だという。

京都・伏見城南宮のピンク・白のしだれ梅150本が見ごろ

京都市伏見区城南宮のしだれ梅が見ごろを迎え、多くの人で賑わっている。同庭園にはおよそ150本のしだれ梅があり、高さ3mほどの木から垂れ下がった枝にピンクや白の花を咲かせている。3月13日は徳島県や滋賀県など県外からも含め多くの参拝者が訪れ、咲き誇った花をカメラに収めたり、庭園を散策して春の雰囲気を楽しんでいた。
今年はこの間の”最強”寒波もあって、例年より開花が遅れていたが、ここ数日で一気に花が咲いた。同庭園のしだれ梅は20日前後まで見ごろが続きそうだという。

大西卓哉飛行士ら搭乗の米宇宙船 打ち上げに成功

日本人宇宙飛行士の大西卓哉さんが船長を務め搭乗する、民間企業スペースXの宇宙船「クルードラゴン」が、日本時間の3月15日午前8時すぎ、米国フロリダ州ケネディ宇宙センターから国際宇宙ステーション(ISS)に向けて打ち上げられ、およそ10分後に分離されて、打ち上げは成功した。大西さんらは国際宇宙ステーションにおよそ半年間滞在する予定。今回のクルーは米国人飛行士2人、ロシア人飛行士1人を合わせた4人。
日本人宇宙飛行士が船長を務めるのは、2014年の若田光一さん、2021年の星出彰彦さんに次いで3人目。今回、大西さんは日本が開発した宇宙ステーション内の居住スペースの空気から二酸化炭素を取り除く装置の性能を調べる実験や、ハエを使って宇宙空間で薬の効果を確かめる実験など、将来月や火星で人類が活動することを見据えた数多くの実験に携わる

JR東日本 JFEエンジ系とプラごみ再生利用で川崎市に新施設

JR東日本(本社:東京都渋谷区)とJFEホールディングス傘下のJFEエンジニアリング(本社:東京都千代田区)は3月13日、プラスチック類のリサイクル施設、川崎スーパーソーティングセンター(所在地:川崎市)を報道陣に公開した。
近隣の駅ビルや自治体からプラスチックごみを集め工業製品や化学品の原材料をつくり替える。投資額は約68億円で、4月に本格稼働させる。プラごみの処理能力は1日200トンと国内最大規模。リサイクルによりCO2の排出量を年間3万6,000トン削減できるという。新施設の敷地面積は約2万7,000㎡、JFEスチール東日本製作所の京浜地区内に設置した。
JR東日本グループとJFEエンジニアリング傘下のJ&T環境(所在地:横浜市)による共同出資会社、Jサーキュラーシステム(所在地:川崎市)が施設を運営する。