斉藤国交相 ライドシェア全面解禁の議論見合わせを要望

斉藤鉄夫国土交通相と河野太郎デジタル相は5月27日、デジタル庁で一般ドライバーが有償で乗客を運ぶ「ライドシェア」の拡充を巡って意見交換した。その結果、斉藤氏は現在は認めていないタクシー会社以外の参入による全面解禁について、「タクシー運転手の労働環境に大きな影響が生じかねない」と慎重に、議論を見合わせるよう求めた。一方、河野氏は日本版ライドシェアの効果検証と並行し、全面解禁に向けた法制度の検討を進めるべきだと主張した。話し合いは今後も継続する。

NTTデータ マレーシアの決済会社GHL Systems株式取得

NTTデータ(本社:東京都江東区)は5月27日、マレーシアの決済代行大手GHL Systemsの発行済み株式の58.7%を同日、大株主より譲り受けることで合意したと発表した。今後、マレーシア証券取引所を通じてその他既存株主に対して、公開買い付けを提案していく予定。
今回の株式取得により、マレーシア、フィリピン、タイへの決済端末を通じたペイメント事業に進出。ASEANで増えつつあるモバイル決済および関連システム構築などで事業拡大を目指す。

ワタミ 居酒屋「三代目鳥メロ」中国へ4年ぶり再進出

ワタミは5月27日、居酒屋「三代目鳥メロ」を中国広東省深圳市に直営で出店したと発表した。8月には上海市でも直営店の出店を予定。今後はフランチャイズ(FC)での展開も視野に入れる。中国産のブランド鶏を使った焼き鳥や串揚げのほか、すき焼きや寿司など日本食も提供する。客単価は130元(約2,800円)を見込む。
同社は2005年、中国本土に「居酒屋 和民」1号店を出店。2014年には42店舗を展開していた。その後、不採算店を整理、コロナ禍で2020年2月、直営全7店舗閉鎖し撤退。今回4年ぶりの再進出となる。

帝人 小児向け伸びる心臓パッチ共同開発 再手術リスク減

帝人(本社:大阪市北区)は5月27日、福井経編興業(所在地:福井市)および大阪医科薬科大学と共同で、先天性心疾患を持つ小児向け心臓パッチ「シンフォリウム」を開発し、6月12日に発売すると発表した。帝人傘下の帝人メディカルテクノロジー(所在地:大阪市)が販売する。価格は104c㎡の製品が37万8,560円。同製品は2023年7月に厚生労働省から製造販売の承認を取得している。この心臓パッチは伸縮することで、成長する小児の心臓の変化に対応し、これまでなら必要だった再手術のリスクを低減できるという。

サイバーダイン マレーシア・ペラ州施設にHAL大型納入へ

産業・医療用装着型ロボット「HAL」を手掛けるサイバーダイン(本社:茨城県つくば市)は5月27日、マレーシアのスティーブン・シム・チー・キオン人的資源省ら一行が23日、同社を訪れ、2024年末にペラ州で開業予定の社会保障機構(SOCSO)のリハビリセンター向けにHALの大型購入オファがあったと発表した。
建設中の国立神経ロボットサイバニクス・リハビリテーションセンターにはHAL50セット(65台)が納入予定で、単一施設への導入数としては世界最大という。SOCSOは2018年に東南アジアで初めてHALを導入。2024年3月末時点で、マレーシア国内12施設で114台のHALが稼働している。

トヨタなど4社 脱炭素燃料30年導入へ共同検討

トヨタ自動車、出光興産、ENEOS、三菱重工業の4社は5月27日、自動車向けの脱炭素(カーボンニュートラル、CN)燃料の導入・普及に向け共同で検討を始めたと発表した。2030年ごろの導入を目指し、量産化の方法や実現に必要な制度などについて検討を進める。
CN燃料は既存のエンジン車にも活用できる可能性があるほか、充電に時間がかかる電気自動車(EV)と違い、給油時間をガソリン車並みにできるメリットがある。

「SLIM」月面データから月の起源探る「カンラン石」確認

立命館大学や会津大学などの研究グループは5月27日、千葉県で開かれた学会で、今年1月に日本初の月面着陸に成功した無人探査機「SLIM」が得た月面の岩石の観測データを解析した結果、月の内部に存在し、月の起源を探るうえで重要な手掛かりになる「カンラン石」の存在を確認したことを明らかにした。
このカンラン石はかつて月の内部にあった可能性があるとして、研究グループは今後詳しい化学組成を調べるとしている。月の内部のカンラン石を分析し、地球のものと比較できれば、月は地球に別の天体が衝突して一部が飛び散ってきたとする、現在有力な説を裏付けることにもつながり、月の起源を探るうえで重要な手掛かりになると期待される。

『君死にたまふことなかれ』15言語に翻訳 堺で企画展

大阪府堺市の文化観光施設「さかい利晶の杜」は、同市出身の歌人、与謝野晶子の代表作『君死にたまふことなかれ』に込められた思いを世界の人々に知ってほしいと、15の言語に翻訳、紹介した企画展を開いている。同企画展は6月16日まで。
日露戦争(1904〜1905年)当時、与謝野晶子は生まれ育った実家、商家の跡継ぎとなるはずの、激戦地にいる弟の身を案じて「あゝをとうとよ 君を泣く 君死にたまふことなかれ」と、どうか戦死だけはしないでほしいとの心情を切々と詩に詠み上げた。企画展ではこの詩をウクライナ語、ロシア語、ヒンディー語、韓国語など15の言語に翻訳し、パネル展示している。
世界各地で激しい戦闘が続く中だけに、戦争の悲惨さを痛切に訴える言葉として読む人の心に”刺さる”のではないか。

東京五輪選手村改修の「晴海フラッグ」まちびらき式典

東京都中央区にある東京五輪選手村を改修したマンション群「晴海フラッグ」で5月26日、まちびらきの記念式典が開かれた。東京大会時、選手村の村長を務めた川淵三郎氏が出席、祝辞を述べ、関係者らによるテープカットが行われ、新たな街の誕生を祝った。
晴海フラッグではファミリー層などに向け、17棟の分譲マンションと2025年完成予定の2棟のタワーマンションなどを含めた5,600戸余りの住宅が供給される予定で、今年1月から先行組の住民の入居が始まっている。東京都は、晴海フラッグには商業施設や学校なども整備、1万2,000人が住む新たな街を誕生させる計画。
ただ、現状では棟のおよそ25%を法人企業が投資対象に契約しているケースが数棟あるとみられ、当該戸数は新しい街の住民とはなっていない。

「レカネマブ」韓国でアルツハイマー病治療剤で承認取得

エーザイ(本社:東京都文京区)とバイオジェン・インク(本社:米マサチューセッツ州ケンブリッジ)は5月27日、ヒト化ヒト可溶性アミロイドβ(Aβ)凝集体モノクローナル抗体「レケンビ(R)」(一般名:レカネマブ)について、「成人のアルツハイマー病(AD)による軽度認知障害および軽度の認知症の治療の治療」を適応として、韓国食品医薬品安全処(MFDS)より承認を取得したと発表した。今回の承認は米国、日本、中国に次いで4カ国目となる。
韓国における65歳以上の認知症患者は2021年時点で約90万人と推計され、65歳以上の10人に1人が認知症、5人に1人は軽度認知障害(MCI)といわれている。