万博会場建設費 約450億円増の2,300億円程度で調整

関係者によると、2025年大阪・関西万博の運営主体の博覧会協会が会場の建設費について、これまでより約450億円増えて2,300億円程度になるとの見通しをまとめ、国や経済界と調整を進めていることが分かった。会場の建設費が上振れすれば2度目となる。会場の建設費を巡っては、誘致当初は1,250億円の見込みだったが、想定外の資材価格の高騰、人件費の上昇などで2020年に1,850億円に増えた経緯がある。会場建設費は国と大阪府・市、経済界がそれぞれ3分の1ずつ負担することになっているが、2度目の大幅な上方修正だけに調整は簡単ではないようだ。

エーザイ認知症薬 厚労相が正式承認 年内にも医療現場へ

武見敬三厚生労働相は9月25日、エーザイと米国バイオジェンが共同開発したアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」を正式承認した。アルツハイマー病の進行を遅らせる効果を証明した国内初の薬となる。これまでの治療薬が「対症療法」だったのとは異なり、レカネマブは患者の脳内に蓄積する「アミロイドベータ」というたんぱく質を除去するように設計された、病気の原因に働きかけることで病状の進行を抑える。
薬の公定価格である薬価の決定を経て、年内にも医療現場で使えるようになる見込み。すでに7月に正式承認された米国では年2万6,500ドル(約390万円)の高額で提供されており、国内での薬価に注目が集まっている。

ヤマト運輸 約3万人の配達業務委託の個人事業主と契約終了へ

ヤマト運輸は、ダイレクトメールはじめ軽量荷物の配達を委託している個人事業主およそ3万人との契約を2025年3月末までに終了することを決めた。2024年4月からドライバーの労働時間の上限が規制されることを見据えたもので、同社は今後、トラックによる宅配事業に経営資源を振り向けるとしている。
同社は6月に今回撤退を決めた配送小物の配達業務を日本郵便に任せることを発表している。なお、ヤマト運輸は契約終了に合わせて謝礼金を支払うほか、新たな仕事探しの支援もしていくとしている。

エア・ウォーター インド国営製鉄SAILからオンサイトガス供給受注

エア・ウォーター(本社:大阪市中央区)は9月22日、100%子会社のエア・ウォーター・インディアが、インド国営製鉄会社、SAIL社との間で、西ベンガル州のドゥルガプル製鉄所向けオンサイトガスを供給することで契約したと発表した。SAIL社ドゥルガプル製鉄所工場隣接地に、約135億円を投じオンサイト工場を建設する。製造品目は酸素、窒素、アルゴン。2023年9月に着工し、2025年10月に稼働開始の計画。

三井物産 台湾で洋上風力発電に参画 2,600億円を拠出

三井物産(本社:東京都千代田区)は9月22日、カナダの大手電力事業者ノースランド・パワーとともに、台湾の海龍(ハイロン)洋上風力発電事業に参画すると発表した。これは、台湾彰化県沖45〜70kmの洋上に大型風力タービン73基を建設するプロジェクトで、発電設備容量は1,022メガワットと、三井物産の洋上風力発電案件では過去最大となる。
このプロジェクトの総事業費は9,600億円。このうち三井物産が2,600億円を拠出する。この合弁事業会社はノースランドが6割、三井物産が4割を取得する。同プロジェクトは2025年から2026年末にかけて順次稼働する。

外国人留学生の就職内定率 7月時点で52.5% 国内学生と大差

就職情報会社ディスコ(所在地:東京都)の調査によると、来春卒業予定の外国人留学生のうち、7月時点で内定を得たのは52.5%にとどまることが分かった。前年同期より改善しているが、8割を超える国内学生との開きはいぜんとして大きい。この主な要因は留学生が就職活動を開始するのが遅い点にあるとみられ、大学などによるサポートで改善の余地がある。

インフルエンザ 9月に異例の流行 7都県で感染者急増で”注意報”

厚生労働省は9月22日、全国約5,000の定点医療機関から9月11〜17日の1週間に報告されたインフルエンザの新規感染者が、前週比1.57倍の計3万4,665人に上り、1医療機関当たり7.03人だったと発表した。
インフルエンザの流行期は通常、冬場。ところが今年は列島全体が真夏の高温下にある9月に、極めて異例の状況となっている。7都県で流行の”注意報”レベルとされる1医療機関当たり10人を超えた。
都道府県別で1医療機関当たりの感染者が最も多かったのは沖縄の20.85人、以下、千葉14.54人、愛媛12.07人と続いている。こうした状況を受け全国1,625の小中高校で休校や学級閉鎖になり、前週から2倍以上に増えた。

通天閣 刷新デジタルサイネージの点灯式 1年ぶり新世界照らす

大阪市浪速区の観光名所・通天閣で9月22日、刷新されたデジタルサイネージ(電子看板)の点灯式が行われた。リニューアル工事を終え、およそ1年ぶりに周辺の繁華街・新世界を照らした。電子看板は高さ32m、横幅3m。英語や中国語でも表示できるようにした。2025年大阪・関西万博に向け、国内外の観光客への情報発信を強化する。

北陸新幹線 24年3/16延伸開業へ 金沢ー敦賀間で試験初走行

JR西日本と鉄道建設・運輸施設整備支援機構は9月22日、2024年3月16日に延伸開業する北陸新幹線の金沢ー敦賀(所在地:福井県敦賀市)間で、初の試験列車の走行を実施した。新幹線検測車「イーストアイ」でレールや架線などを点検。26日から営業用車両による走行試験も開始する。この走行試験は12月9日まで40日程度行われる予定。同日は芦原温泉駅(所在地:福井県あわら市)ホームで、杉本達治・福井県知事はじめ沿線自治体の首長らが出席し、式典を開催した。