トヨタ 米国のEV電池工場に1.2兆円追加投資を発表

トヨタ自動車は10月31日、米ノースカロライナ州で建設中の電池工場に約80億ドル(約1兆2,000億円)を追加投資すると発表した。建設中の新工場ではすでに発表されている2本のバッテリー製造ラインに加え、新たに8本のラインを順次立ち上げる。これにより同工場への累計投資額は約139億ドルとなる。同工場では年間30ギガワット時以上を生産し、SUV(多目的スポーツ車)の電気自動車(EV)などに搭載する。
トヨタ自動車はEVの世界販売台数を2026年に150万台、2030年に350万台まで引き上げる計画を掲げている。ちなみに2020年の販売実績は2万4,000台にとどまっており、今後4年で60倍以上に増やすにはEV電池の確保が不可欠。今後もEV電池調達へ多角的な動きがありそうだ。

ヤマト運輸 配達委託の契約終了で個人事業主に謝礼金

ヤマト運輸は10月31日、小型荷物の配達を委託していた個人事業主との契約を2024年1月末までに終了することに伴う今後の対応策を公表した。これは、小型荷物の配送を日本郵便に全量委託、業務移管することによるもの。
対象となる個人事業主は約2万5,000人で、1人当たり3万〜7万円の謝礼金を支払ったり、専用サイトを介して求人情報を提供する。契約を打ち切る約4,000人のパート社員に対しても賃金3カ月分に相当する慰労金を支払うほか、未消化分の有給休暇の買い上げについても個別に説明する。社内での再配置の希望も確認、11月末をめどに対象者全員との面談を終える予定。

川崎重工, 岩谷産業共同出資のJSEにINPEXが資本参加 商用化へ実証

川崎重工、岩谷産業は10月31日、両社が共同出資する日本水素エネルギー(以下、JSE)に、INPEXが新たに資本参加するすることで合意したと発表した。これによりJSEの新しい出資比率は川崎重工36.6%、岩谷産業33.4%、INPEX30.0%となる。
JSEは国際液化水素サプライチェーンに関する調査・企画・運営・投資などを主目的としており、現在は2021年8月にNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)のグリーンイノベーション基金事業に採択された「液化水素サプライチェーンの商用可実証」に取り組んでいる。この実証事業期間は2021年度〜2030年度にわたり実施される予定。

中国の製造業景況感が0.7㌽悪化 景気指数が再び50割れ

中国国家統計局は10月31日、2023年10月の製造業担当購買者景気指数(PMI)が前月比0.7㌽低下し、49.5担ったと発表した。2カ月ぶりに好・不調の境目となる50を下回った。生産や新規受注の指数が悪化した。PMIは同国の製造業3,200社を対象に、新規受注、生産、従業員数などを項目ごとに調査したもの。

日本に”眠る働き手”530万人 内閣府が試算「年収の壁」是正で

内閣府は10月30日、「年収の壁」で就業をやめる人など、日本には”眠る働き手”が約530万人いるとの興味深い試算を公表した。これは現状、当たり前になっている、パートなどで働く人が一定の収入を超えると手取りが減る「年収の壁」を是正し、働き手のスキルを磨き直すことで潜在的な労働力を掘り起こせるとの見立てを前提にしたもの。
産業界は幅広い業種で人手不足が指摘され即、外国人労働力の確保に目が行きがちだが、もっと足元に目をやれば、様々な制約を緩和、解消すれば、よりスムーズに日本人の働き手を確保できる可能性があることを忘れてはいけない。

タカラバイオ 高速PCR酵素11/6発売 増幅エラー低減, 成功率向上

タカラバイオ(本社:滋賀県草津市)は10月30日、非常に高い正確性を備え、PCR成功率を大幅に向上させた高速PCR酵素「PrimeSTAR(R)Max DNA Polymerase Ver.2」を11月6日より発売すると発表した。この試薬は同社独自の酵素技術で目的DNAの増幅反応を行う際、発生しやすい増幅エラーを極限まで低減した。また、増幅促進因子の添加により、反応阻害を抑えるなどの改良を行い、高速PCRの成功率を大きく向上させたとしている。

竹中工務店 竹本油脂と共同で高流動・無収縮コンクリート開発

竹中工務店は10月30日、竹本油脂と共同で高流動・無収縮タイプコンクリート「ファインリードF」(特許取得済み)を開発したと発表した。これにより、コンクリート打ち込み作業を省力化して施工性を改善するとともに、コンクリート表面のひび割れを抑制して、建物の美観を保ち耐久性を向上させる。
ファインリードF実用化例として自社開発プロジェクト「代々木参宮橋テラス」(所在地:東京都渋谷区)に初適用。竣工後、半年以上経過しても当初の美観を維持していることを確認しているという。

ヤクルト 中国・広州ヤクルトが梅州支店設立 販売拠点53カ所に

ヤクルト本社は10月30日、中国の広州ヤクルト(所在地:広東省広州市)が広東省梅州市(ばいしゅうし)に梅州支店を設立し、11月1日よりスーパー等の店頭で乳酸菌飲料「ヤクルト」「ヤクルトライト」「ヤクルト500億ライト」の販売を開始すると発表した。これまで梅州市は近隣の恵州支店を通じて販売していたが、販売体制を充実させる。この結果、中国本土の販売拠点は53カ所となる。梅州支店の11、12月の販売計画は1日あたり1万7,000本を見込む。

日本車メーカーの中国での23年度上半期販売 トヨタ除く5社が減少

日本の主要自動車メーカーの2023年度上半期(4〜9月)の世界販売台数は8社中7社は2022年度同期を上回ったが、中国での販売は軒並み減少した。中国での販売台数はホンダが61万891台で前年同期比12.3%、日産自動車が38万4,783代で同20.3%それぞれ減少した。このほか、マツダは7.6%、SUBARUは36.7%、先に同地からの撤退を発表した三菱自動車は60.1%それぞれ減少した。唯一トヨタ自動車だけが0.3%増えた。