”ゼロゼロ融資”受けた企業の倒産が加速, 未回収すでに470億円

帝国データーバンクのまとめによると、”ゼロゼロ融資”を受けた後、1,000万円以上の負債を抱え法的整理の手続きを取った企業の数が今年1〜5月で236件と前年同期比1.5倍に増えている。2022年は1カ月平均32件だったのに対し、2023年は47件と加速している。
ゼロゼロ融資は無利子の期間が最大3年間で、2020年4月から5月にかけて出された1回目の緊急事態宣言の後、運転資金確保のために融資を受けたケースが多いことから、返済は7月から本格化するとみられている。すでにゼロゼロ融資を受けた企業の倒産件数は累計で802件で、回収できなかった融資額は推計でおよそ470億6,000万円に上るという。
経済産業省によると、申し込みは2022年9月末で終了し、融資総額はおよそ43兆円に上る。仮に企業が返済できなくなった場合は、各地の信用保証協会が元本を肩代わりするが、協会は国の財源を裏付けとしているため、最終的に回収できなければ、融資資金の一部は実質的には国民負担となる。
融資を受けた企業の返済が今夏から本格化するため、政府は企業の新たな借り換えを保証する制度を2023年1月に設けており、利用実績は6月9日時点でおよそ1兆2,000億円となっている。

22年死亡者 過去最多の156万人 20年で1.5倍 火葬できず12日間待ちも

厚生労働省の人口動態統計によると、2022年1年間に国内で死亡した日本人の数は156万8,961人で、前年比12万9,105人(8.9%)増え、1899年に統計を取り始めて以降、最多となった。これを1989(平成元)年と比べるとおよそ2倍、この20年でも1.5倍に増えている。高齢社会の進行に伴いこの傾向は変わらず、2040年には約167万に達する見込みだ。2022年は、この大幅な増え方で人口の多い都市部では、亡くなった家族をすぐに火葬できず、12日間も待ったケースも出ている。
2022年死亡者を死因別でみると、最多は「がん」で38万5,787人と全体の24%を占めている。次いで「心疾患」が23万2,879人(14%)、「老衰」が17万9,524人(11%)などが続き、「新型コロナ」は4万7,635人だった。

G7男女共同参画相会合 男女間の賃金格差是正など共同声明

栃木県日光市で開かれていた主要7カ国(G7)の男女共同参画・女性活躍担当相会合は6月25日、「コロナ禍の教訓」や「女性の経済的自立」をテーマに討議を行い、議論の成果を盛り込んだ共同声明を発表して閉幕した。
共同声明では①男女間の賃金格差を是正するため、柔軟な働き方や公平で透明な給与制度を推進する②性別に基づく役割分担意識などの変革の必要性を強調している。

イクイノックス 宝塚記念制す 国内外でG1レース 4連勝飾る

第64回宝塚記念(2200m芝、17棟頭出走、G1)は6月25日、兵庫県宝塚市の阪神競馬場で行われ、圧倒的1番人気に支持されたイクイノックス(クリストフ・ルメール騎乗)が2分11秒2で優勝し、昨年秋以降に天皇賞・秋、有馬記念、ドバイ・シーマクラシックに続く国内外のG1レース4連勝を飾った。ルメール騎手は宝塚記念2勝目、木村哲也調教師は初勝利。
イクイノックスは前半、後方に待機し、最後の直線で他馬とは違う差し脚で一気に先行馬を抜き去り、トップに突き抜けた。クビ差の2着に10番人気のスルーセブンシーズ、さらに1馬身差の3着に2番人気のジャスティンパレスが入った。

落合改め伯桜鵬が3場所で最速タイの新入幕 大相撲名古屋場所

日本相撲協会は6月26日大相撲名古屋場所(7月9日初日、会場:ドルフィンズアリーナ)の新番付を発表した。先場所・十両西8枚目で14勝した落合改め伯桜鵬が、幕尻の西前頭17枚目に入り、新入幕を果たした。初土俵から3場所での新入幕は遠藤と並んで昭和以降、最速タイのスピード出世。伯桜鵬は元横綱白鵬の宮城野親方の弟子。このほか、豪ノ山と湘南乃海が新入幕、武将山が再入幕を果たした。

5月熱中症搬送 過去2番目の3,655人 真夏日続きで 消防庁

総務省消防庁は6月24日、5月に熱中症の疑いで救急搬送された人は全国で3,655人に上ったと発表した。前年同月比987人上回り、比較可能な2015年以降で2019年の4,448人に次いで多かった。体が夏の暑さに慣れていない中、各地で真夏日の30度超えの急激な気温上昇が続いた5月中旬を中心に搬送者が増えた。
全搬送者のうち、65歳以上の高齢者が51.5%を占めた。都道府県別でみると、東京の270人が最多で、埼玉269人、愛知259人、大阪201人などと続いた。

産業革新投資機構 JSRを買収へ 非上場化で大胆な事業再編促す

政府系ファンドの産業革新投資機構(JIC)は半導体材料、フォトレジスト(感光材)で世界シェア首位のJSRを約1兆円で買収する。JSRは現在、東証プライム市場に上場している。海外を含めた競争当局の審査を経て、JICは年内に同社へのTOB(株式公開買い付け)を実施する。手続きが順調に進めば、2024年中に上場廃止となる見込み。
日本政府は半導体を戦略物資と定め、国内で戦隊品の量産に巨額の支援を始めており、国際競争力が強い分野でも成長投資を継続できる環境を整え、半導体の一連のサプライチェーン(供給網)を強くするとともに、非上場化で大胆な事業再編をしやすくする。

関空の5月国際線旅客数 前年の20倍の123万人余 19年の57%水準

関西国際空港を運営する関西エアポートが6月23日発表した5月の国際線旅客数は、前年同月比20倍の123万3,632人だった。新型コロナウイルス禍前の2019年5月の57%の水準まで回復した。このうち外国人は24倍の98万9,324人、日本人は11倍の23万5,030人だった。コロナ禍前のそれぞれ7割、4割の水準。

ソニーG 熊本県合志市に画像センサー新工場, 年内に用地取得完了

ソニーグループの半導体事業会社、ソニーセミコンダクタソリューションズは6月23日、オンライン会見で清水照士社長が、熊本県合志市に新工場を建設する方針を表明した。現在新工場の用地取得を進めており年内にも手続きが完了する見通し。画像センサー工場を想定しているという。

大阪メトロ 万博向け新型車両の出発式 6/25から営業運行

大阪メトロは6月24日、中央線森ノ宮駅駅(所在地:大阪市中央区)で、2025年大阪・関西万博に向けて導入する新型車両400系の出発式および試乗会を開いた。25日から営業運行する。新型車両は宇宙船を意識させるデザインで、車体前面を鉄道車両では珍しい八角形とし、前照灯を四隅に配置している。同日はおよそ30人が一足早く乗り心地を確かめていた。
中央線は万博会場の人工島・夢洲(ゆめしま)まで延伸する予定で、開幕までに23編成を導入して来場者の輸送を担う。夢洲駅(仮称)が完成する2024年度には大阪港ー夢洲間で、添乗員を乗せた「レベル2.5」相当の自動運転の実証実験を実施する予定。