福島原発の処理水の保管タンク 満杯は来年, 今年の放出方針維持

日本政府と東京電力ホールディングスは4月27日、福島第1原子力発電所の汚染水を浄化した、ALPS処理水の保管タンク計約137万トンが満杯になる時期が、2024年2月〜6月になるとの試算を発表した。従来は2023年夏から秋ごろとしていた。これにより保管できる期間に余裕ができる。しかし、廃炉を安全に進めるため保管タンクを減らすことは必須で、処理水の処分の先送りは決してできないと判断。東電は今年春から夏ごろとする処理水放出開始の目標は変更しないとしている。

JVCケンウッド 中国生産拠点SKEの事業活動を9月末で終了

JVCケンウッド(本社:横浜市神奈川区)は4月27日、中国の生産拠点で子会社のShanghai Kenwood Electronics Co.,Ltd.(以下、SKE)の事業活動を2023年9月末をもって終了すると発表した。同社がこれまで推進してきた生産拠点グランドデザイン中期計画の一環として、グローバルでの生産拠点の最適化を検討した結果、SKEでの生産事業を終息することを決めた。なお、現在のSKEの主要品目、自動車メーカー向けナビゲーションやオーディオ製品は、同社グループ内で生産する予定。

関経連副会長に塩野義の沢田氏就任へ 女性は4年ぶり

関西経済連合会(関経連)は、新たな副会長に塩野義製薬の沢田拓子副会長(68)が就く人事を固めた。女性が副会長に就任するのはアート引越センターの寺田千代乃名誉会長(76)以来4年ぶり。5月の定時総会後に就任する予定。関経連は関西で女性が活躍できる環境が不十分な点を課題に挙げており、女性副会長を迎えることで環境整備を後押しする。

3月ホテル稼働率77.6%へ上昇 国内花見客とインバウンド利用で

ホテル専門の米調査会社STRのまとめによると、3月の全国のホテルの平均稼働率は77,6%と前月比5.6ポイント上昇した。前月を上回るのは2カ月連続。2020年1月以来の最高値を4カ月ぶりに更新した。例年より開花が早かった国内花見客のほか、米国や東南アジアからのインバウンドの利用が増えた。日本政府観光局(JNTO)の推計によると、3月の訪日外客は181万7,500人だった。

国内初の飲む人工妊娠中絶薬「メフィーゴパック」厚労省が承認

厚生労働省は4月28日、英国の製薬会社ラインファーマが開発した人工妊娠中絶のための飲み薬「メフィーゴパック」について、製造販売を承認した。国内初の経口中絶薬。妊娠9週までが対象で、母体保護法の指定医のもとで服用できるようになる。
この飲み薬は2種の薬剤からなる。妊娠の継続に必要なホルモンの働きを抑える「ミフェプリストン」を投与し、さらに36〜48時間後に子宮の収縮を促す「ミソプロストール」を服用する。また、腹痛や出血などの副作用があることから、安全に使用できる体制が整うまでは当面、外来でも中絶が確認されるまで病院での待機を求める。

クボタ リチウムイオン電池材料に参入, EV向け需要見込む

クボタ(本社:大阪市浪速区)は4月25日、電気自動車(EV)などに使われ需要の急増が見込まれるリチウムイオン電池の材料事業に参入すると発表した。阪神工場の尼崎事業所で10億円超を投じて、負極材料の量産を2024年中に開始する。EVの普及に伴い、中長期的に電池材料の需要が高まると判断した。リチウムイオン電池は、黒鉛に比べて電池の長寿命化や充電時間の短縮で優位性がある点を挙げている。

3月求人広告17.3%増 人流増,インバウンド回復見据え採用活況

人材サービス事業者でつくる全国求人情報協会(所在地:東京都千代田区)のまとめによると、3月の求人広告件数(週平均、職種別)は、前年同月比17.3%増の154万1,078件だった。前年同月を上回るのは23カ月連続。件数は新型コロナウイルス禍前の2019年3月と同水準まで回復した。
行楽シーズンを迎え人流の増加や、インバウンド(訪日外国人)の回復を見据え、飲食や販売、清掃業を中心に求人の増加傾向が続いている。

三菱航空機 ジェット機撤退で社名「MSJ資産管理」に

三菱重工業(本社:東京都千代田区)は4月25日、子会社の三菱航空機(所在地:愛知県豊山町)を同日付で社名を「MSJ資産管理」に変更したと発表した。三菱重工は2月に、総額1兆円を投じた国産ジェット「三菱スペースジェット(MSJ)」事業からの撤退を発表していた。現在、会社の清算に向け株主と協議中という。

川崎重工 タイのNMB-Minebea Thaiにヘリコプターを海外初納入

川崎重工は4月25日、タイのNMB-Minebea Thai Ltd.へ最新型ヘリコプター「H145//BK117D-3」(以下、D-3)を納入したと発表した。D-3として初の海外向けの納入となる。タイにおける同社グループの従業員および関係者の移動用として使用される予定。同社のD-3として7機目の納入。
D-3は全長13.54m、定員10名(標準座席)、全幅1.73m(胴体)、最大全備重量3,800kg、最大速度約263km/h、航続距離723km。

中国BYD 格安EV「海鷗」約140万円から 最安価格発表

中国の電気自動車(EV)大手BYDは4月26日、格安EV「海鷗(シーガル)」の販売価格を正式発表した。価格は7万3,800元(約140万円)からで、同社の現行商品ラインアップで最も安いモデルと比べ3割弱安い。同モデルには最新鋭のリン酸鉄リチウムイオン電池「万片電池」を搭載する。同日オンラインでこの格安、海鷗の販売を始めると発表したが、顧客への納入時期は明らかにしなかった。