国立感染症研究所のまとめによると、致死率が3割に上るとされる「劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)」の患者が2023年に過去最多の941人(速報値)となった。患者は高齢者が大半を占めている。同患者は、新型コロナウイルス禍で一時減少したが、今年も2月11日時点で290人確認されており、前年同時期よりすでに186人多い。
STSSは急速に症状が悪化し、手足などの壊死を引き起こすことがあり、”人食いバクテリア”とも称される。原因となるのは溶連菌。通常は感染しても、一般的な風邪症状にとどまるが、稀に重症化してSTSSを発症する。今回の流行について、専門家は「海外から持ち込まれた毒性の強い株の流行が要因ではないか」とみている。