新潟大災害・復興科学研究所の卜部厚志教授らの津波堆積物の調査、分析によると、震度7を記録した能登半島地震で甚大な津波災害を受けた石川県珠洲市と富山県沿岸部が、約2,500年前にも大津波に襲われていたことが分かった。今回の能登半島地震の津波浸水域とよく似ており、約2,500年前にも同様の大津波が起きていた可能性がある。堆積物は2015年に確認されたが、当時は震源域を特定できていなかった。
同教授は2014〜2015年、文部科学省の日本海地震・津波調査プロジェクトの一環として、石川県と富山県でボーリング調査を行った。その結果、珠洲市で①約2,500年前〜2,000年前②約2,000年前〜1,800年前③9〜10世紀ーの少なくとも3回、富山県沿岸では①約7,900年前〜7,800年前②約4,700年前〜4,500年前③約2,700年前〜2,500年前④13世紀ーの少なくとも4回津波があったことを示す砂層などを見つけた。堆積物の状況から、両県とも約2,500年前の津波が最も大きかったとミられるという。