インド総選挙 与党連合過半数獲得もモディ氏の求心力低下

複数の現地メディアによると、インド総選挙の結果、メディアの集計では定数543議席のうち、与党連合は日本時間6月5日午前5時現在293議席にとどまり、2019年の前回選挙から60議席近く議席を減らす見込みだ。中でもモディ首相が率いるインド人民党(BJP)単独では過半数を割り込む240議席にとどまる、予想外の結果となった。一方、野党連合は大きく議席を伸ばした。
これは、モディ政権のもとで高い経済成長が続いた反面、その内実は多くの国民の間で日常の暮らしの中で全く実感できていない。それどころか、経済格差や高い失業問題が深刻化したとする不満が、農村部を中心に溜まっているためだ。期待感より、大きな失望感がこの結果を招いた。
いずれにしても3期目を迎えるモディ政権は、高い信任のもと運営できたこれまでとは異なり、モディ氏の求心力が低下した中で、野党連合の見解にも十分配慮した運営が求められることになりそうだ。