外務省は6月7日、海外在留邦人実態調査の結果を公表した。2020年10月1日現在、前年比5万2,632人(3.7%)減の135万7,724人だった。統計が残る1989年以来、初めて減少した。新型コロナウイルスの影響で出国を手控えたり、帰国者が増えたためとみられる。
social のすべての投稿
岩谷産業 3年間で水素事業に600億円投資 脱炭素を推進
岩谷産業(本社:大阪市中央区)は6月4日、「水素エネルギー社会の実現に向けて」と水素をテーマに掲げた中期経営計画(2021年度~2023年度)を発表した。この中核をなすのが「水素」で、今後3年間の累計投資額1,500億円のうち600億円を投じ、水素ステーションの拡充をはじめ水素エネルギー社会の推進に充てる。燃焼や科学反応の際、二酸化炭素(CO2)を排出しない水素事業を強化し、脱炭素の取り組みを強化する。
なお、累計投資額1,500億円のうち、成長投資に700億円、保守・修繕などに200億円を予定。
戸田建設 ジャカルタで高層分譲マンション開発に参画
戸田建設(本社:東京都中央区)は6月4日、インドネシアの首都ジャカルタ・メガクニンガン地区で分譲マンション開発に参入すると発表した。現地の大手開発事業者チプトラグループが手掛ける大規模開発プロジェクト「The Newton2」に参画し、高層分譲マンション開発に出資する。同プロジェクトは延床面積約2万2,580㎡、RC造42階建て、総戸数624戸。2024年竣工予定。
戸田建設がインドネシアで開発事業を手掛けるのは初めてで、今後同国での事業拡大を目指す。
アルツハイマー病治療薬 米FDAが承認 バイオジェン・エーザイ開発
米国の製薬会社バイオジェンとエーザイは6月7日、共同開発したアルツハイマー病の新薬「アデュカヌマブ」について、治療薬として米国のFDA(食品医薬品局)の承認を得たと発表した。
この新薬「アデュカヌマブ」は、アルツハイマー病の原因と考えられる脳内の異常なタンパク質「アミロイドβ(ベータ)」を減少させ、症状の進行を抑えることを目的とした薬。
FDAによると、アルツハイマー病の新薬が承認されるのは2003年以来18年ぶりで、アミロイドβに作用する治療薬は初めてという。この新薬は日本でも2020年12月に厚生労働省に承認の申請が出されていて、今後の審査の行方が注目される。
五輪ボランティア3,800人超が辞退 競技会場ある9道県で
東京五輪を間近に控え、ボランティアの辞退者が増えている。五輪競技が行われる10都道県が募集したボランティアのうち、9道県で少なくとも3,800人超が辞退していることが分かった。千葉県では応募、登録していたボランティア2,826人のうち1,083人、宮城県では1,700人のうち約900人がそれぞれ辞退したもようだ。
辞退理由は、1年延期されたのに伴う各々の個人的事情が大きいが、海外客の受け入れ断念に始まり、コロナ対策より五輪、そして五輪の開催日から逆算したように見える緊急事態宣言の設定など、政府の”五輪強行”姿勢が随所に垣間見えることに失望。ボランティアのあるべき姿とはかけ離れてしまったことで嫌気されたほか、コロナ禍への不安も要因の一つとなっているようだ。
ユーグレナ 国交省の飛行検査機でバイオジェット燃料フライト実施
ユーグレナ(本社:東京都港区)は6月4日、国土交通省航空局が保有し運用する飛行検査機「サイテーションCJ4」で、ユーグレナ社製造のバイオジェット燃料を世界で初めて使用したフライト・飛行検査業務を実施したと発表した。政府機関の航空機で国産のバイオジェット燃料が使用されるのは、日本で初めてとなる。
あおぞら銀行 東南ア有力ファンドGenesisと業務提携
あおぞら銀行(本店:東京都千代田区)および、100%出資子会社、あおぞら企業投資(本社:東京都千代田区)は6月4日、東南アジアの有力ベンチャーデットファンド運営会社、Genesis Alternative Ventures Pte Ltd(本社:シンガポール)との間で、「ベンチャー投融資、その他金融サービスに関する業務提携」の覚書を締結したと発表した。
これにより、あおぞら銀行はベンチャーデットの最先端トレンドを取り込むことができ、さらには本邦ベンチャー企業の顧客がASEAN諸国進出の際の協力体制も充実した内容となる。
出産・子育て費用高で少子化加速の中国 3人目容認も効果薄
世界最大の14億人の人口を誇る中国で急速な少子化が進んでいる。同国の出生数は2017年から4年連続で減少し、2020年の出生数は1,200万人と前年より2割近く減少し、1949年の建国以来最大の落ち込み幅を記録した。
中国の合計特殊出生率は2015年の人口抽出調査で1.05となり、日本の過去最低水準の2005年の1.26を大幅に下回っている。総人口の規模は大きく異なるが、日本よりもはるかに少子化が進行しているといえる。
同国で少子化が進んでいる背景には①30年以上続いた人為的な「一人っ子政策」②出産・子育て・教育費に費用がかかりすぎる-ことなどが挙げられる。
中国政府は2021年5月31日、出産制限を緩和し、子どもを3人まで容認する方針を示した。だが、1人でも産もうとしない現状では、少子化対策の効果は期待できないとの声が多い。
中華圏では出産後、育児資格などを持つスタッフが24時間常駐し、子どもの面倒をみたり、母子へのマッサージを施したりするホテル型施設や、専用の家政婦を利用する人が多い。北京市中心部では安い施設でも1カ月約6万元と高額だ。
子どもが成長すれば今度は教育費が重くのしかかる。英金融大手HSBCの2017年の調査では、香港などを除く中国本土で子ども1人の大学卒業までに掛かる教育費は平均4万2,892ドル(約470万円)。政府系シンクタンク、上海社会科学院の2019年の調査によると、上海市では中学校卒業までに1人当たり約50万元(約860万円)掛かる。
こうしてみると、政府が結婚適齢期の若者に出産制限撤廃をはじめ、子育て支援・住宅購入支援・教育費軽減など政府が大胆なコスト負担でもしない限り、打開策はないようにみえる。
中国の2020年の人口は14億1,178万人と、前年の14億5万人(推計値)から増加したものの、数年以内に減少に転じるとの観測が広がっている。中国経済は、人口増も背景に急速な経済成長を続けてきた。だが、少子化に歯止めが掛からず、高齢化が進行し働き手が減少する中、国として医療・介護の社会福祉費だけが膨らんでいけば、現在の日本とほとんど変わらない。いや、人口の規模が大きく異なるだけに、経済成長が大きく鈍化してきたとき、とても日本の比ではない、事態は深刻化することが予想される。
インド20年度GDP成長率マイナス7.3% 消費・投資とも影響大
インド統計・計画実施省はこのほど、2020年度第4四半期(2021年1~3月)の実質GDP成長率(2011年基準)推計値を前年同期比1.6%、2020年度(2020年4月~2021年3月)の実質GDP成長率(2011年基準)推計値をマイナス7.3%と発表した。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響という特殊要因があったとはいえ、現行基準で統計を取り始めた2011年以降、年度では初のマイナス成長となった。
2020年度成長率を需要項目別にみると、個人消費を示す民間消費支出がマイナス9.1%、企業の設備投資など投資活動を示す総固定資本形成がマイナス10.8%とコロナ禍の影響を強く受けた数値となっている。
コロナ禍減収世帯への貸し付け227万件で1兆円に迫る
厚生労働省の集計によると、新型コロナ禍で大きく減少となった世帯に生活資金を特例で貸し付ける制度の利用者が、①「総合支援資金」で105件、融資決定金額が7,299億円②「緊急小口資金」で122万件、融資決定金額2,267億円-に上り、①②合わせて約227万件、9,566億7,000万円となり、1兆円に迫っていることが6月6日分かった。
リーマン・ショック時をはるかに超える未曾有の規模だ。コロナ禍が長期化し、生活苦に陥る世帯が後を絶たない状況が浮かび上がった。これらはあくまでも貸し付け金であり、支給される給付金ではない。いずれは返済しなければならない性質の金だ。コロナ禍がいつ収束に向かうのかまだまだ見えていない。そして、それに伴って雇用に明るさが出てくるのはいつになるのか。政府には目先、緊急避難的に食い繋ぎ、問題を先送りしただけに終わらないよう望みたいものだ。