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iPS心筋の心臓病患者への移植治験 今秋から開始 慶大発ベンチャー

慶応大の福田恵一教授が社長を務める同大学発のバイオベンチャー「ハートシード」は6月1日、人工多能性幹細胞(iPS細胞)からつくった心臓の筋肉(心筋)の細胞を、重い心臓病の患者に移植する治験を今秋から始めると発表した。
治験では動脈硬化などが原因で心臓の筋肉に血液が行き渡らなくなり、心臓の機能が低下する「虚血性心疾患」の患者10人前後への移植を想定。iPS細胞から心筋細胞を作製し、1,000個の細胞を球状の塊にして移植し、安全性や有効性を確認する。福田教授は、重い心臓病の「拡張型心筋症」の患者3人に同様の方法でつくった約5,000万個の心筋細胞を移植する臨床研究を今秋から、慶応大病院で始めることも明らかにした。、

英のTPP加入交渉開始を決定 発足国以外で初めて

環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に参加する11カ国は6月2日、閣僚級会合(TPP委員会)をオンライン形式で開いた。英国による加入申請への対応を協議。議長を務めた西村康稔経済再生担当相は終了後の記者会見で、TPP委員会が英国の加入交渉の開始を決定したと発表した。交渉開始決定は発足国以外で初めて。
英国は欧州連合(EU)離脱により可能になった独自の通商政策の柱にTPP加入を位置付けており、TPP加盟国の経済成長を取り込みたい考え。本格的な交渉を行う作業部会は数カ月以内に始まる見通しだが、最終的な加入の可否の判断は22年以降になる可能性がある。

インドの変異ウイルス「デルタ」62カ国・地域に広がる WHO 

世界保健機関(WHO)は6月2日、インドで最初に確認された新型コロナの変異ウイルス「デルタ」の報告があったのは62カ国・地域に上るとする報告書を公表した。また、英国で最初に確認された変異ウイルス「アルファ」の報告があった地域は、前週から5つ増え160となった。
WHOはこれまで便宜的に、最初に確認されたウイルスをその地の国名付けで呼んできたが、偏見を招きやすいとして、今後ギリシャ文字のアルファベット、「アルファ」(英国型)、「ベータ」(南アフリカ型)、「ガンマ」(ブラジル型)、「デルタ」(インド型)の呼称で報告するとしている。

職域ワクチン接種は6/21から 前倒しも可能 モデルナ社製で

加藤勝信官房長官は6月1日、新型コロナウイルスのワクチン接種を企業や大学で行う「職域接種」について、「21日から開始を可能とする」と発表した。市区町村が高齢者らを対象に実施している一般接種に影響を与えないことを条件に「さらに開始時期を前倒しすることも可能だ」と述べた。ワクチンは政府がモデルナ社製を供給する。接種業務にあたる医療従事者や会場は企業や大学が準備し、実施主体の判断で取引先や従業員の家族、地域住民、学生らにも接種を可能とする。

世界の失業者数がコロナ禍前の水準に戻るのは23年以降

国際労働機関(ILO)の世界の雇用情勢のまとめによると、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で失われた世界の雇用に回復の兆しはみられるものの、失業者数が感染拡大前の水準に戻るのは2023年以降になる見通しだ。
世界の失業者数はフルタイムで働く人に換算して、2021年は2億2,000万人、2022年も2億500万人と感染拡大前の2019年の1億8,700万人を上回るとしている。そして、感染拡大前の水準に戻るのは2023年以降になるとしている。
地域別にみると、欧州のほか中央アジア、ラテンアメリカ、カリブ海諸国がコロナ禍の最も大きな影響を受けているという。
経済回復のポイントとなっているのがワクチン接種。この分配が進んでいる国と進んでいない国の差になっている。このため、ILOはワクチンが公平に分配されるよう先進国に協力を求めている。

途上国へのワクチン供給 日本が8億㌦拠出 菅首相表明

日米欧などは6月2日、オンラインで新型コロナウイルスワクチンの普及を議論するワクチンサミットを開いた。その結果、2021年中に途上国人口の30%にワクチンを無償で提供する目標に向け、不足する17億ドル(1,870億円)の資金確保にめどをつけた。
菅首相は日本が新たに8億ドルを拠出すると表明した。

生活保護申請11年ぶり増 20年度22万8081件 コロナで雇用悪化

厚生労働省の集計によると、2020年度1年間の生活保護申請件数が計22万8081件(速報値)に上り、前年度から5,039件(2.3%)増えたことが分かった。新型コロナウイルスの感染拡大が長引き、飲食・宿泊業などを中心に雇用情勢が悪化したことが影響した。生活保護申請が上昇に転じるのは、リーマン・ショック後の2009年度に過去最多の34万9,223件となって以来11年ぶり。
生活保護申請は長らく減少傾向が続き、2019年度は22万3,042件だったが、2020年春に新型コロナウイルス感染拡大により緊急事態宣言が初めて発令されたのを機に基調が変わった。2020年4月の申請件数は前年同月比24.9%増と大幅に増えた。
2021年3月の生活保護申請件数は2万2,839件となり、前年同月と比べて8.6%増えている。前年同月からからの増加は7カ月連続となり、増加幅をみると2020年9月は1.7%だったが、月ごとに少しずつ大きくなっている。

経産省 台湾TSMCが新設のつくば市の拠点を支援 日本20社参画

日本の経済産業省は5月31日、世界半導体大手の台湾積体電絡製造(TSMC)が茨城県つくば市に新たに設ける日本の研究開発拠点への支援を決めたと発表した。総事業費の約370億円の半分を拠出する。同施設へは、半導体の基板技術に強いイビデン、装置メーカーの芝浦メカトロニクスなど関連する日本企業約20社の参加を見込んでいる。

同居人からの受動喫煙増33.7% 在宅勤務増加で がんセンター

国立がん研究センター(所在地:東京都中央区)が実施した調査によると、新型コロナウイルス流行による外出自粛や在宅勤務の影響で、たばこを吸う同居人からの受動喫煙が増えたと回答した人が33.7%に上った。5月31日の世界保健機関(WHO)が定めた「世界保健デー」に合わせ、発表された。同センターでは、自宅にいる時間が長ければ受動喫煙の機会が多くなり、影響が懸念されるとしている。喫煙量増加の理由はストレスが49.4%で「職場は禁煙だが、自宅は制約がない」が33.9%だった。

WHO 中国製ワクチン2例目を緊急使用承認

世界保健機関(WHO)は6月1日、中国製薬大手、科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)の新型コロナウイルスワクチンの緊急使用を承認した。WHOが中国製ワクチンを承認するのは、5月の中国医薬集団(シノファーム)に続いて2例目。この承認により、WHOなどが主導してワクチンを加盟国に分配する枠組み「COVAX(コバックス)」での供給が可能になる。