インドネシア・マルク諸島沖で”歩くサメ”発見
インドネシア東部の沖合いで、ひれを小さな足のように使って海底を移動する新種のサメが見つかった。環境保護団体コンサベーション・インターナショナルが8月30日、発表した。同団体の科学者らによると、茶と白色のこのサメはイヌザメの一種で、夜に海底をひれで押しながら進み、餌さとなる小魚や甲殻類を探す。体長は最大で80㌢~1㍍程度にしかならず、人間に危害を加えることはないという。ニューギニア島の西に浮かぶマルク諸島の一つ、ハルマヘラ島沖で発見された。
外国人労働者に「パンチャシラ」理解求める 労働移住省
外国人労働者に「パンチャシラ」理解求める 労働移住省
インドネシア労働移住省は8月28日、外国人労働者に対し、国是「パンチャシラ」(国家5原則)に基づくインドネシア国内の規則や規範を理解してほしいと呼びかけた。これは、インドネシア労働者との労使関係を円滑にするためだ。同省の労使関係促進・社会保障総局長は「投資家や外国人労働者は、インドネシア人労働者との適切な意思疎通を図るため、パンチャシラを理解する必要がある」と発言。唯一神への信仰や人道主義、民主主義などを定めたパンチャシラの理解促進が円滑な労使関係につながるとの見方を示している。
同省はこれまで、外国人労働者が集中し過去に労使間の対立事例も報告された西ジャワ州チカランやボゴールなどでアジアや欧州出身労働者を対象に、インドネシア人労働者との労使関係に関する短期講座を開き、理解を求めてきている。
バイオエタノール生産で東ジャワ州サトウキビが再び脚光
バイオエタノール生産で東ジャワ州サトウキビが再び脚光
インドネシアの東ジャワ州でいま、サトウキビ栽培が再び脚光を浴びつつある。サトウキビに砂糖以外の用途、すなわちバイオエタノール生産が着目されてきたからだ。
8月20日、モジョクルトにある国営第10農園製糖工場で、日本の新エネルギー、産業技術総合開発機構(NEDO)がインドネシア工業省と共同で設置したバイオエタノール製造プラントが実証実験を開始した。この実証実験により、日本の発酵技術を応用し、製糖工場から出る廃糖蜜(モラセス)を原料に純度99.5%のバイオエタノールを輸入代替生産するものだ。バイオエタノールはすべて国営石油会社(プルタミナ)に買い取らせる計画だ。
すでにこのプロジェクトは走り出し、国営第10農園で日産6000㌧、同第3、第11、第12農園で同6000㌧のそれぞれ製糖工場の建設が計画されている。いずれもバイオエタノールの生産を念頭に置いたものだ。
ルピア安が市民生活に影響 大豆高止まり 航空運賃上げ
ルピア安が市民生活に影響 大豆高止まり 航空運賃上げ
混迷を深める通貨ルピア安が、インドネシアの国民生活に影響を与え始めた。①インドネシアの国民食ともいえるテンペ(大豆発酵食品)や、豆腐の原料である大豆価格が高止まりしている②利用が増大している航空運賃の引き上げが検討されている③シリアなど中東情勢不安から原油値上げも懸念されている-といった具合だ。
ギタ・ウィルヤワン商業相は8月27日、大豆の主要調達先の米国での天候不順による不作、ルピア安による輸入コスト増が大豆価格上昇の原因だと指摘。その結果、販売価格は7月の1㌔当たり7500ルピアが同8000~9000ルピアへと値上がりしている。同相は同日、9~12月の輸入量53万4000㌧への拡大を決定。1~8月の80万㌧と比べ月平均輸入量を大幅に増やし、価格抑制を図る意向だ。
国内線の航空運賃も引き上げが検討されている。燃料がドル建てのため、大幅なルピア安で調達コストが高騰しているからだ。これに加え、シリア情勢の悪化で原油価格が高騰すれば、燃料コストへのさらなる悪影響は避けられない。
2014年までに5万人が目標 ゴルフ観光客誘致を強化
2014年までに5万人が目標 ゴルフ観光客誘致を強化
インドネシアの観光創造省は、海外のゴルフ観光客誘致を強化している。国際ゴルフトーナメントやゴルフ見本市の開催などを通じて、ゴルフ観光地としての知名度向上を図り、2014年までに5万人のゴルフ観光客誘致を目標に掲げている。
観光創造省は、インドネシアを訪れるゴルフ観光客数を特定できていないが、国内の140コースのうち51コースは国際的にも水準が高く、世界的に有名なコース設計者が手掛けているうえ、山や海など自然に恵まれている点が強みという。こうした点が評価されてか、今年11月に開かれる世界有数のゴルフイベント、アジア太平洋ゴルフサミットでジャカルタが主催地となるなど、インドネシアは太平洋地域でのゴルフ市場で重要な地位を占めつつある。
ゴルフ観光客の誘致による経済効果も大きい。通常、一般の観光客の消費額が1人当たり約1133㌦であるのに対し、ゴルフ観光客は1人当たり2500~5000㌦を消費すると推定している。
国際ゴルフツアー運営委員会はインドネシアを含めたアジア太平洋地域は、ゴルフ目的の外国人観光客誘致に有望な地域だとしている。海外からのインドネシアへのゴルフ観光客は従来、マレーシア、シンガポール、豪州、韓国、日本、タイ、中国からだが、今後は欧州からの顧客を増やしていく考えだ。
1年以内のIT機器購入 インドネシアは3.3個で2位
1年以内のIT機器購入 インドネシアは3.3個で2位
クロス・マーケティング(東京都中央区)の調べによると。インドネシアのエリート若年層が過去1年以内に購入したIT機器は平均3.3個とアジア5カ国で中国に次いで2番目に多かったことが分かった。インドネシアでスマートフォン=多機能携帯電話、デスクトップパソコン、ノートパソコン、タブレット端末、電子書籍用タブレットなどのIT機器の平均購入数は男性3.1個、女性が3.4個だった。国別では3.6個だった中国に次いで多く、最下位の日本(1.6個)の2倍以上だった。
米国がインドネシア軍に攻撃用ヘリコプター8機を売却
米国がインドネシア軍に攻撃用ヘリコプター8機を売却
ロイターによると、米国はインドネシア軍に対し、攻撃用ヘリコプター「アパッチ」8機を売却する。売却費はレーダーや訓練、保守を含め5億㌦となる。米国防総省当局者が明らかにした。
南スマトラ州の高校入学条件に「処女検査」否定し収束
南スマトラ州の高校入学条件に「処女検査」否定し収束
地元メディアによると、高校の入学条件に「処女検査」を実施する計画を明らかにし、物議を醸したインドネシアの南スマトラ州プラブムリ市教育局長がその後、反響が大きく問題化することを恐れてのことか、メディアに対し「そうした計画はない」と否定し、騒ぎは収まった。
事の発端は、プラブムリ市教育局が現地の高校入学条件に「処女検査」を加ええる計画を示し、同国の専門家らから「生徒のプライバシー侵害であり、教育を受ける権利を奪うものだ」と批判を受けた。同市教育局長は、この検査について「来年から実施する計画で、予算案に含めた」と説明。実施目的については「女子生徒の間で婚前交渉や売春が増えていることに対応するもの」と語っていた。しかし、同国の憲法には「すべての公民が教育を受ける権利を持つ」と規定されており、州およびインドネシア政府は「検査は違法」との見方が支配的だった。
汚職撲滅委が贈賄に関与の疑いで日本に捜査協力要請
汚職撲滅委が贈賄に関与の疑いで日本に捜査協力要請
時事通信によると、インドネシアの特別捜査機関、汚職撲滅委員会のスポークスマンは8月22日、スマトラ島ランプン州の火力発電事業を巡る贈収賄事件に日本の大手企業が関与した疑いがあるとして、日本政府に捜査協力を要請していることを明らかにした。
汚職撲滅委は7月、同事業を巡り、仏重電大手アルストムのインドネシア現地法人から2004年に30万㌦(約3000万円)の賄賂を受け取った疑いで、最大野党・闘争民主党所属の国会議員エミル・ルイス容疑者を逮捕。その後の関係者の聴取から日本企業の関与が浮上したとされている。地元メディアは大手企業のイニシャルを「M」としている。
10人の死者を出した中央ジャカルタの密造酒販売店主を逮捕
10人の死者を出した中央ジャカルタの密造酒販売店主を逮捕
地元紙によると、中央ジャカルタ警察は8月21日、化学薬品店から購入した度数の高い医療用アルコールを水で割り、香料などで風味付けをして「ジンセン(朝鮮人参)」などの名前で客に販売していた中央ジャカルタ・クマヨランの酒店主を逮捕したと発表した。この酒を購入した客が飲酒後に体の不調を訴えて次々に病院へ搬送され、これまでに10人が死亡した。この店主は300㍉㍑入りのビニール袋を1万ルピア(約100円)で販売し、連日200袋を売り上げていたという。