乾期のジャカルタ首都圏で冠水被害 8月まで大雨警戒を

乾期のジャカルタ首都圏で冠水被害 8月まで大雨警戒を
 異常気象で、乾期のジャカルタ首都圏で連日降り続く大雨で冠水被害が出ている。災害対策庁の調べによると、7月22日午後0時までで432世帯、2088人が被害を受け、東ジャカルタのカンプン・ムラユでは22日早朝から洪水が発生し、最大150㌢の高さまで浸水したという。他地域でも20~100㌢の浸水が確認されている。
 気象地理物理庁(BMKG)は、インド洋からジャワ海に温かい海水が流れ込んでいることが大雨の原因と指摘。海水面の気温上昇で雨雲が発生しているとし、通常は1カ月ほどの海水温の上昇で終わるはずが、今回は数カ月も続いているとしている。BMKGは7~8月にジャワ島だけでなく、カリマンタン島の大部分など全国各地で例年よりも150~200%を超える雨量を記録すると予想している。

 

煙害が再燃 リアウ州で230カ所 マレーシアでも大気汚染

煙害が再燃 リアウ州で230カ所 マレーシアでも大気汚染
 地元紙によると、鎮火に向かい、一時小康状態が伝えられていたインドネシア・リアウ州の林野火災が再び拡大しつつある。7月21日には同州内で230カ所の火災が確認されている。いぜんとして繰り返される野焼きが原因とみられ、隣国マレーシアへも煙霧被害が広がっているという。

2種のシーラカンスのDNAの違いはわずか0.18%

2種のシーラカンスのDNAの違いはわずか0.18%
 アフリカ東部タンザニア沖とインドネシア沖にそれぞれそれぞれ生息する2種のシーラカンスのDNAの違いは、わずか0.18%であることが分かった。東京工業大や国立遺伝学研究所(静岡県三島市)、アクアマリンふくしま(福島県いわき市)などの国際研究チームが、既述の2種の全遺伝情報(ゲノム)を解読し、初めて比較したもの。7月22日付の米科学誌ゲノム・リサーチに発表した。
 2種のシーラカンスは約3000万年前に分かれたと推定されるが、DNAの配列の違いはわずか0.18%で、別種とは思えないほど似ていることが分かった。配列が変わる速さはヒトやチンパンジーの40分の1程度と非常に遅く、まさに”生きた化石”の表現がぴったりであることを印象付けた。

シドアルジョの「泥噴出の原因」巡り独・英研究者が論戦

シドアルジョの「泥噴出の原因」巡り独・英研究者が論戦
 2006年に起こった東ジャワ州シドアルジョ県の天然ガス試掘工場で発生した「泥噴出事故の原因」を巡り、いまドイツおよびイギリスの研究者らの間で論戦となっている。ドイツのボン大学のステファン・ミラー教授らの研究チームは、7月21日付英科学誌で、事故の2日前に発生した約250㌔西方を震源とする中部ジャワ地震の影響とする研究成果を発表した。これに対し、英国の研究者リチャード・デービス氏は採掘井戸内の圧力が高まっていたにもかかわらず、適切な処理をせずに採掘ドリルを引き抜いたことが原因で、事故は人為的なものだったと反論している。

日本大使館前で反対住民が発電所計画の撤回求めデモ

日本大使館前で反対住民が発電所計画の撤回求めデモ
 ジャカルタの日本大使館前で7月22日、日本が官民一体で進めている中部ジャワ州バタン県の石炭火力発電所建設に反対する地元住民ら約120人が抗議デモを行った。建設予定地や周辺5村の住民らは約2時間、横断幕や旗を掲げ、シュプレヒコールで計画への反対を訴えた。

インドネシアで日中向けシラスウナギの密輸が横行

インドネシアで日中向けシラスウナギの密輸が横行
 インドネシア海洋・水産省や漁業関係者によると、日本の「土用の丑」(7月22日)を前に20日、インドネシアで中国や日本の養殖業者向けのウナギの稚魚、シラスウナギの密輸が横行していることに対応、同国政府が規制に乗り出すことが分かった。通関・検疫体制が貧弱で規制の緩いインドネシアに狙いをつけ、密輸業者が安価な稚魚を国外に売りさばいている実態が明らかになった。
 インドネシアはウナギ属7種が生息することなどから、ウナギ発祥の地とされる。日本で一般的なニホンウナギに味やサイズが近いビカーラ種などが密輸の標的になっている。

断食明けはモールで食事、お祈りも ラマダン中も大盛況

断食明けはモールで食事、お祈りも ラマダン中も大盛況
 世界最大のムスリムを擁するインドネシア。ラマダン(断食月)中は人出が少なく閑散としているかと思われるモールだが、同国では1日の断食明けまでの時間を過ごす場所として、モールは生活の中に定着しているようだ。7月21日、中央ジャカルタの高級ショッピングモール、グランド・インドネシアは、こうした生活スタイルの多くの人々でにぎわっていた。
 ラマダン中のため、日中に飲食店で休むムスリムは少ない。そのため飲食店は通常、1日の断食明けを控えた午後5時過ぎから込み始め、同8時半ごろまで満員になるという。1日のうち断食明けの時間帯になると、モール内の礼拝所へ。その後、モール内で食事を済ませる客も多い。そして、料理を家政婦に任せている家庭も少なくないことから、家政婦が帰省していなくなるレバラン(断食明け大祭)2週間ぐらいになると、モールはさらに多くの客が訪れるという。

タンジュンプリオク港の貨物保管 空き地活用で一時しのぎ

タンジュンプリオク港の貨物保管 空き地活用で一時しのぎ
 インドネシア政府は7月19日、貨物量が取扱能力を大幅に上回り”パンク状態”となっている同国内最大の貿易港、タンジュンプリオク港(北ジャカルタ)の対応策について、関係閣僚や民間企業を集めて緊急会合を開いた。その結果、当面は例年取扱量が増えるレバラン(断食明け大祭)までの間、港湾内の空き地を活用して、貨物を一時的に保管するという苦肉の策を打ち出した。したがって、港湾自体の能力のほか税関の作業の遅さ、周辺道路の混雑など課題山積で、他の候補地での新港建設を含め、抜本的な物流問題解消にはまだ時間がかかる見通しだ。

小中高校の校長を公募 ジョコウィ知事の新政策第二弾

小中高校の校長を公募 ジョコウィ知事の新政策第二弾
 ジャカルタ特別州のジョコウィ知事は、州内の小中高校の校長を公募で選ぶ方針を明らかにした。現時点ではまだ構想段階だが、州教育局は今年末の選抜に向け、10月にもオンラインで募集を開始する予定だ。州内に勤務する教員で規定の条件を満たせば、誰でも登録することが可能という。同知事の新しい政策は6月、州内の郡長と村長を公募で選抜したのに続く第二弾。

スンダ海峡大橋建設の事業化調査で国営企業2社を選定

スンダ海峡大橋建設の事業化調査で国営企業2社を選定
 地元紙によると、インドネシアのジャワ島とスマトラ島を結ぶスンダ海峡大橋建設に向けた事業化調査について、ダフラン・イスカン国営企業担当国務相はこのほど、国営建設のアディ・カルヤ社とウィジャヤ・カルヤ社の2社が担当すると明らかにした。2社でコンソーシアムを形成し、実業家のトミー・ウィナタ氏が率いるアルタ・グラハ・グループの子会社と共同で調査を実施する。2014年春の着工を目指しており、建設には100億㌦、事業化調査には約4兆ルピア(4億㌦)が必要とされている。
 スンダ海峡大橋は、スカルノ初代大統領時代の1960年代に構想が持ち上がり、その後も何度か実現に向けた動きがあった、ほぼ半世紀越しの超巨大プロジェクト。