LMEニッケル イの禁輸で5営業日で11年以来の大幅高
ロンドン金属取引所(LME)では1月16日、ニッケル相場が上昇。世界で有数のニッケル生産国であるインドネシアで12日から実施された鉱石の輸出規制で、供給が減少するとの懸念が広がり、5営業日では2011年以来で最大の上げとなった。ブルームバーグが報じた。ニッケル相場は1月に入り5.7%上昇、LMEで取引される6つの主要金属で最も上げ幅が大きくなっている。
年央までは減速基調 後半は成長軌道に戻る 14年展望
年央までは減速基調 後半は成長軌道に戻る 14年展望
三菱東京UFJ銀行ジャカルタ支店の勝田祐輔支店長はこのほど、2014年のインドネシアの景況展望について「年央までは減速基調、後半は成長軌道に戻る」など、大要次の通り語った。直接投資は自動車関連が一服し、今年は総選挙の動きを見据えながら様子見が続く可能性はあるが、日本からの投資意欲は衰えない-と指摘。年半ばぐらいまで減速基調は続きながらも大統領が決まって不透明感が払拭され、アンバランスになっている国際収支の調整が済めば、年後半は元の成長軌道に戻っていく-とみている。その結果、同銀行ではインドネシアの今年の成長率は5.6~5.8%で、13年と同水準かやや高め、また13年8%超だったインフレ率は5.0~6.0%まで下がると予測している。
鉱石禁輸で細則・エネルギー鉱物資源相令を発布
鉱石禁輸で細則・エネルギー鉱物資源相令を発布
インドネシアエネルギー鉱物資源省は1月13日付で、12日から実施されている鉱石輸出禁止の細則にあたるエネルギー鉱物資源相令(2014年第1号)を発布した。地元メディアが報じた。規定では品目ごとに輸出が容認される最低含有率を明記。主要品目の銅に関しては、旧規定になかったコンセントレート(精鉱)の項目を加え、最低含有率15%を満たせば特定量の輸出を認めるとした。
ニッケルは付属表で最低含有率をマット形状で70%、フェロニッケルで10%、銑鉄(ピッグアイロン)で4%、精製品で93%と定めている。ただしニッケルは、ボーキサイト、スズ、金、銀、クロマニウムと同様、輸出猶予の適用外としている。
一部精鉱の輸出も関税を段階的に6割へ引き上げへ
一部精鉱の輸出も関税を段階的に6割へ引き上げへ
インドネシア財務省は、1月12日からの未加工鉱石の輸出禁止後も認めている一部鉱物の精鉱の輸出で、関税を2016年下半期(7~12月)までに段階的に6割に引き上げていく。地元メディアが報じた。銅、鉄鉱石、砂鉄、鉛、亜鉛などは12日以降も輸出が認められているが、銅を例にみると同省は、14年は輸出関税を25%、15年上半期は35%、同下半期は40%、16年上半期は50%、同下半期は60%に設定すると説明している。そして、17年から輸出を禁止するとしている。
ニッケルの国際価格反発 インドネシアの鉱石禁輸で
ニッケルの国際価格反発 インドネシアの鉱石禁輸で
ステンレスの材料となるニッケル地金の国際価格が反発した。ロンドン金属取引所(LME)の3カ月先物は日本時間1月14日夕方の時間外取引で1㌧当たり1万4400㌦と前週の安値から7%上昇。約3週間ぶり高値を付けた。地金原料である鉱石で2割を生産するインドネシアで12日から鉱石の輸出が禁止されたことが影響した。
ニッケルの国際相場はこれまで供給過剰感からやや軟調に推移していた。今回のインドネシアの禁輸で需給引き締まりの見方が広がり、相場はじりじりと上昇するとみられる。
ニッケル鉱石の4割をインドネシアから調達する日本勢は、現時点では比較的冷静だ。インドネシアは鉱石の輸出で外貨を獲得してきたため、禁輸は長期化しないとの見方もある。ただ、インドネシアの禁輸が長引けば、積み増ししてきた在庫も底をつき、年央から減産の可能性もある。
ニッケルなど未加工鉱物の輸出禁止 日本にも影響大
ニッケルなど未加工鉱物の輸出禁止 日本にも影響大
インドネシア政府は1月12日、国内の鉱物の加工産業育成のため、ニッケルなど未加工の鉱石の輸出を禁止した。これは外資も含む資源企業に対し、インドネシアで採掘された鉱石を国内で加工・精錬することを義務付ける「新鉱業法」(2009年制定)施行によるもの。対象鉱物には、直前に条件が緩和された銅などを除き、ニッケルはじめ、ボーキサイト、コバルト、スズなども含まれるとみられる。
同国は、日本のニッケル鉱石輸入量の44%(2012年)を占める最大の輸入先。日本の非鉄大手などは当面、在庫消化や他国からの調達拡大で対応する方針だが、中長期的には調達が厳しくなり、自動車部品の製造などにも影響が出る可能性がある。
銅の条件を緩和 17年まで暫定的に現状維持 鉱石禁輸
銅の条件を緩和 17年まで暫定的に現状維持 鉱石禁輸
新鉱業法に基づく未加工鉱石の輸出禁止が実施される1月12日を控え、インドネシア政府は8日、鉱業企業関係者らと協議し、輸出容認条件である最低含有率の引き下げに応じることを決めた。銅はこれまで含有率99%としていたが、15%へと大幅に引き下げ、産銅企業は事実上、従来通りの輸出を続けられる。政府は10日の閣議で最終的な実施規定を決める予定。輸出継続を可能にするための暫定措置の期間は2017年までとする。17年以降は「輸出が認められる鉱石精製品の条件は純度(含有率)100%とする」としている。また、砂鉄も含有率90%としていたが、58%へと条件緩和された。一方、ニッケルとボーキサイトは事実上の輸出禁止対象のままとなっている。
インドネシア中銀が政策金利7.5%で据え置き
インドネシア中銀が政策金利7.5%で据え置き
インドネシア中央銀行は1月9日の月例理事会で、政策金利を7.5%で据え置くことを決めた。据え置きは2カ月連続。経済成長の鈍化が鮮明になる中、物価上昇もやや和らいだため。ただ、今月から米の緩和縮小が実施される。この点について、中銀のマルトワルドヨ総裁は「確実に影響が出てくる。引き続き警戒しなければならない」と語っている。
インドネシアの12月の外貨準備高は994億㌦に増加
インドネシアの12月の外貨準備高は994億㌦に増加
ロイターによると、インドネシア中央銀行は1月8日、2013年12月末時点の外貨準備高が994億㌦と前月の969億6000万㌦から増加したと発表した。40億㌦の同中銀債券発行に伴い、今年1月も外貨準備高は増加しそうだ。巨額の経常赤字などを背景とした通貨ルピア安を是正するため、同中銀は2013年に総額134億㌦を費やしている。
1~11月の貿易収支は56億㌦の赤字 2年連続赤字に
1~11月の貿易収支は56億㌦の赤字 2年連続赤字に
インドネシア中央統計局が発表した貿易統計によると、2013年11月の貿易収支は7億8000万㌦の黒字となった。ただ、これにより1~11月の累計では56億㌦の赤字となり、同国の貿易収支は通年で2年連続の赤字となることがほぼ確実となった。
11月の輸出額は前月比1.45%増の159億3000万㌦。非石油・ガス部門の輸出は同1.51%増の131億8000万㌦。石油・ガス部門は同1.15%増の27億5000万㌦だった。1~11月の輸出総額は前年同期比5.19%減の1655億7000万㌦。一方、11月の輸入額は前月比3.35%減の151億5000万㌦。非石油・ガス部門の輸入は同8.12%減の112億1000万㌦、石油・ガス部門は同13.39%減の39億4000万㌦だった。1~11月の輸入総額は前年同期比2.80%減の1711億7000万㌦。