日立製作所がジャカルタで現法設立 インフラ整備に力点

日立製作所がジャカルタで現法設立 インフラ整備に力点
 日立製作所は7月18日、インドネシアの首都ジャカルタに現地法人「日立アジア(インドネシア)」を設立し、10月に営業開始すると発表した。資本金は300万米㌦。2013年度末時点で従業員40人体制とする予定。
 同社は1975年にジャカルタ事務所を設立し、1995年から日立アジア事務所として建設機械分野を中心に活動するなど社会インフラ整備への貢献を図ってきた。今回の現地法人設立を機に、今後は発電所や鉄道を中心に、同国で急務となっているインフラ分野での機材やシステムの販売を強化していく。円借款で進められるジャカルタの大量高速公共交通システム(MRT)敷設事業では、車両と電気・機械システムの受注を狙う。

 

高コストでインドネシアのシェールガス開発は事業化難

高コストでインドネシアのシェールガス開発は事業化難
 豊富な埋蔵量が推計されているにもかかわらず、インドネシアのシェールガス開発は高コストが最大のネックで、当面、事業家の見通しは薄い。地元紙によると、インドネシアではエネルギー鉱物資源省が国内のシェールガス埋蔵量を16兆3000億立方㍍と推計している。ところが、同国のシェールガス開発の根本的な問題は、従来型の天然ガスに比べて生産コストが大幅に高いことだ。
 インドネシアではシェールガスを含む頁岩(けつがん)層が北米よりもさらに深層にあるため、ガスを採掘するガス井1本当たりのコストはおよそ800万㌦(約7億9800万円)だ。これに対し、北米の同コスト水準はわずか200万~300万㌦だ。最大4倍の差がある。これにより、北米ではシェールガスの登場がエネルギー市場に極めて大きなインパクトを与えた。それも北米では、シェールガスでも十分に採算が取れるほど天然ガスの相場が上昇していたからだ。
 これに対し、インドネシアの事情は全く異なる。国営石油会社、プルタミナのシェールガス開発部門幹部は、インフラの欠如が最大の障壁だと指摘する。ガスはパイプラインを経由するか、液化した状態でしか輸送できないが、国営ガス供給会社の所有するパイプライン網は、全長およそ5000㌔。一方、米国のパイプライン網は400万㌔に及ぶ。こんな実状から判断して、同国のシェールガスが注目を集めるのは、他のエネルギー資源が枯渇してきたときのことだろう。

上限は9500万ルピア 優遇税制「LCGC」の条件定まる

上限は9500万ルピア 優遇税制「LCGC」の条件定まる
 インドネシア工業省はこのほど、低価格で燃費効率の良い小型車「ローコスト・アンド・グリーンカー(LCGC)」に税制優遇を付与するための条件を定めた工業相令を発令した。
 7月5日付で施行された省エネ、低価格の四輪車の生産振興に関する同相令「2013年第33号」によると、ガソリンエンジン車の場合、排気量980~1200cc、ディーゼルエンジン車の場合、排気量1500cc以下、燃費が1㍑当たり20㌔㍍以上とする。また、インドネシアに関連した専用ブランド、同ロゴの使用などを義務付けている。自動車税や登録料などを除いた車両販売価格の上限は9500万ルピア(約95万円)とし、オートマチック車の場合は最大15%、エアバッグやABS(アンチロック・ブレーキ・システム)など安全装置の搭載車は10%までそれぞれ価格に上乗せすることを認めている。これにより、優遇税制「LCGC」の条件はほぼ固まり、今後1~2カ月中の実施のゴーサインを待つのみとなった。

6月の二輪車販売 低迷の前月から反転 21.7%増の66万台

6月の二輪車販売 低迷の前月から反転 21.7%増の66万台
 インドネシア二輪車製造業者協会(AISI)の統計によると、6月の二輪車販売台数(卸売ベース)は前年同月比21.7%増の65万9504台だった。単月では今年最低の販売となった5月から反転、前月比で3カ月ぶりの増加となった。1~6月では前年同期比6/0%増の392万3695台。メーカー別シェアはホンダが60.3%でトップを維持し、以下、ヤマハ(32.6%)、スズキ(5.3%)、カワサキ(1.8%)、TVS(0/1%)と続いた。

6月の新車販売は今年最多の10万4265台 1~6月60万台

6月の新車販売は今年最多の10万4265台 1~6月60万台
 インドネシア自動車工業会(ガイキンド)の統計によると、6月の新車販売台数(卸売ベース)は前年同月比2.5%増の10万4265台だった。2カ月ぶりの10万台超えで、単月では今年最多となった。昨年10月の10万6754台に次ぐ水準となった。1~6月では前年同期比12.5%増の60万1952台。メーカー別シェアは21万台超となったトヨタが35.8%でトップ。以下、ダイハツ(14.7%)、三菱(12.9%)、スズキ(12.5%)、ホンダ(8.2%)と続いた。

バタンの石炭火力発電所の建設の遅れ 内閣府副大臣が懸念

バタンの石炭火力発電所の建設の遅れ 内閣府副大臣が懸念
 ジャカルタを訪れた内閣府の西村康稔副大臣は7月15日、日系企業が出資する中部ジャワ州バタンの石炭火力発電所の建設事業が遅れていることに懸念を表明した。これに対し、インドネシアのハッタ・ラジャサ経済担当調整相は、建設用地のうち9割以上に相当する約200㌶の収容はすでに完了しており、残りも今年10月の完了目指す方針と伝えた。
 バタン発電所の容量は200万㌔㍗(100万㌔㍗2基)で石炭火力発電所としてはアジア最大級だ。同発電所の建設事業には電源開発(Jパワー)や伊藤忠商事らが参画。当初は昨年10月の着工、2016年の完工を予定していたが、地元住人の反発などで遅れているとされる。

横河電機がバリ島で浄水場向け設備受注 9月に稼働予定

横河電機がバリ島で浄水場向け設備受注 9月に稼働予定
 横河電機は7月12日、インドネシアのバリ島に新設されるペタヌ浄水所の制御システムを受注したと発表した。インドネシアの上下水道向けの設備納入は初めて。水処理設備の統合監視・制御ソフトウエアをはじめ制御システムに必要な製品全般を納入する。金額は公表していない。浄水場は9月に稼働する予定。この浄水場は国営建設会社ウイジャヤ・カルヤが、バリ島南部サヌールに新設する。横河電機の子会社、ヨコガワ・インドネシアがウイジャヤから受注した。ペタヌ浄水場の処理能力は最大で日量2万5920立方㍍で、デンパサール市などバリ島南部の周辺地域に上水を供給する。

LCGC優遇策 近く指名される独立機関が資格審査へ

LCGC優遇策 近く指名される独立機関が資格審査へ
 地元紙によると、インドネシアのヒダヤット産業相は、低価格で燃費効率の良い小型車「ローコスト・アンド・グリーンカー(LCGC)」の審査をまもなく開始することを明らかにした。日系メーカーのほか、中国、インドメーカーのモデルが審査の対象となる見込みだ。
 近く指名される独立検査機関が、使われている技術、サプライヤー情報を含む部品の現地調達率を調べる。優遇適用の候補として、昨年9月に発表されたトヨタ自動車とダイハツ工業が共同開発した「アギア」「アイラ」のほか、三菱自動車「ミラージュ」、ホンダ「プリオ」の現地生産モデル、日産自動車が来年インドネシアでの投入を予定する新ブランド「ダットサン」が挙がっている。このほか、日系企業ではスズキの「アルト」「Aスター」なども投入の可能性があるとみられる。非日系ブランドでは中国の奇瑞汽車(チェリー)「QQ」、インドのタタ・モーターズ「ナノ」も対象に挙げられている。
 5月23日付で施行された政令「2013年第41号」はLCGCとして奢侈税の免除を受けるためには、ガソリンエンジンで排気量が1200cc以下で、燃料1㍑当たりの燃費が20㌔㍍以上と規定している。

オリックスがBNIと提携 日系企業向けリース事業拡大

オリックスがBNIと提携 日系企業向けリース事業拡大
 オリックスは7月11日、インドネシアの国営銀行バンク・ネガラ・インドネシア(BNI)と業務提携したと発表した。にほんんいの金融機関と協力関係を強化しているBNIを通じ、日系企業向けのリース事業を拡大するのが狙い。7月9日に締結した覚書に基づき、オリックスと現地法人、オリックス・インドネシア・ファイナンス(ORIF)、BNIの3者が協力してインドネシアへ進出済み、あるいは進出を希望する日系企業を対象としたサービスを提供する。数年後をメドに現地の資産残高に占める日系企業の割合を現行の10倍程度に引き上げたい考えだ。
 BNIは政府や地場の有力法人向け融資を主業とするインドネシア国内第4位の大手国営商業銀行。とりわけインドネシアへの日系企業の進出支援や進出後のビジネス支援を積極的に推進している。BNIがインドネシアでリース業を手掛ける日本の金融機関と業務提携するのは初めて。

小森コーポがインドネシアから紙幣印刷設備40億円受注

小森コーポがインドネシアから紙幣印刷設備40億円受注
 印刷機メーカーの小森コーポレーション(東京都墨田区)は7月10日、インドネシアの国営造幣ペルンペルリ社から紙幣印刷設備を受注したと発表した。受注額は紙幣印刷設備1ラインおよび紙幣印刷機2台(オフセット機、凹版機)合わせ一式で約40億円。システムを一括で同国の政府機関に納入するのは初めて。新興国の証券印刷機市場を開拓し、設備の追加受注や保守サービスで安定した収益を確保する計画の一環。
 2016年3月期に紙幣印刷機2台、17年3月期に紙幣印刷設備1ラインを納入する。番号の印刷や紙幣を束ねる設備などを含むシステムを一括して供給する。
 同社は第Ⅳ期中期経営計画(平成25年4月~平成28年3月)において、新規事業の柱の一つとして証券印刷機事業の海外展開を推進している。今後も個人消費の拡大を中心とした経済活動の活発化に伴い、旺盛な紙幣増刷需要が見込まれる新興国をはじめとして、欧米先進諸国での受注の獲得も目指している。