麻薬”運び屋”恩赦で仮釈放に 反麻薬団体が抗議の声

麻薬”運び屋”恩赦で仮釈放に 反麻薬団体が抗議の声
 インドネシアのシャムスディン法務人権相は2月7日、麻薬密輸の罪で禁錮20年の刑でバリ島のクロボカン刑務所に収監中のオーストラリア人女性、シャペル・コービー受刑者(36)を恩赦、仮釈放を決定したと発表した。同受刑者は大麻密輸容疑で2004年に逮捕され、同刑務所に9年間服役していた。反麻薬団体は9日、声明を出し、「こうした甘い措置で被害を受けるのはインドネシア国民だ」と政府を批判した。地元メディアなどが報じた。
 同受刑者はサーフィン用具に隠して、インドネシアへマリファナを持ち込んだとされる。しかし、一貫して無罪を訴え続け、オーストラリア世論の強い支持を獲得。これに押される格好で、インドネシア当局は減刑を繰り返してきた。同受刑者は1990年代、日本人男性を夫に持ち(後に離婚)、約2年間、静岡県御前崎など日本に在住したことがあるという。

今度はホワイトタイガーが死ぬ スラバヤ動物園

今度はホワイトタイガーが死ぬ  スラバヤ動物園
 動物愛護団体などから”死の動物園”などと、劣悪な飼育環境などが批判の的となっているインドネシア東ジャワ州スラバヤ動物園で2月6日夜、ホワイトタイガーが死んだ。高齢のうえ病気を患っていたという。地元メディアが報じた。死んだのは17歳のメス「チャントリカ」。歯が抜け落ち、舌は裂けていた。このため、餌を咀嚼(そしゃく)できない状態で、この2週間点滴を受けていたという。

豪州が密航、亡命希望者を小型ボートで送り返す

豪州が密航、亡命希望者を小型ボートで送り返す
 インドネシア西ジャワ州海上警察は2月6日、スカブミ県のプラブハンラトゥ海岸に小型ボートが漂着しているのを発見。乗っていたイラン国籍などの34人の身柄を拘束した。この当事者によると、彼らは1月26日、豪州を目指し西ジャワ州から密航を企て、豪州領クリスマス諸島に近付いたが、豪州当局が制止。小型ボートを提供され、即座にインドネシア領海へ戻るよう促されたという。1月15日にも同様のボートが西ジャワ州パンガンダラン県の海岸で発見されている。2隻ともに救命用ボートらしくオレンジ色で、長さ8.5㍍、幅3.2㍍。
 豪州メディアは1月、同国政府が密航船対策として亡命希望者にボート提供を予定していると報道している。だが、これは密航者を発見し次第、直ちに有無を言わさず、インドネシアへ引き返させるための強硬手段の一環だったとみられる。ただ、豪州がここまで踏み切った背景には、インドネシアからの亡命希望者が故意に船を故障させ、それを口実に救護を求める例が少なくないからだ。

首都各地でまた冠水 州内21町が冠水 1万6135人避難

首都各地でまた冠水 州内21町が冠水 1万6135人避難
 インドネシアで2月4日未明~5日朝にかけて降った豪雨により、首都圏各地で冠水被害が相次いだ。ジャカルタ特別州災害対策局(BPBD)によると、州内21町が冠水し、1万6135人が避難した。中央ジャカルタでは大統領宮殿周辺のメダンムルデカ・バラット通りなどが約30㌢冠水。通り沿いの公共福祉担当調整相事務所や憲法裁判所など一帯の政府機関が被害に遭った。エンジンに水が入り、動かなくなるオートバイが続出し、交通渋滞で1時間にわたり多くの車が立ち往生したが、午後1時ごろまでに水は引いた。北ジャカルタのスントゥルやクラパガディン周辺も30~40㌢の洪水を記録した。地元メディアが報じた。

ジャカルタとボゴール 洪水対策で自治体が連携協力

ジャカルタとボゴール 洪水対策で自治体が連携協力
 ジャカルタ特別州のジョコウィ知事と西ジャワ州ボゴール県知事は2月4日首都圏で拡大する洪水被害の軽減に向け協力することで合意した。両知事は同日、長期的な観点からボゴール県内のチリウン川源流に位置するプンチャックの山間部で植樹した。地盤全体の保水能力の向上が急務で県内に4万本を植樹し、森林面積を拡大しようというもの。地元メディアが報じた。
 また、公共事業省と連携し、ジャカルタに流れ込む水量を調整する貯水池を県内2カ所に建設、水量を40%削減する。スカマヒ(107㌶)とメガムンドゥン(24.8㌶)の土地を購入し、ジャカルタ特別州政府が120兆ルピアを負担する。ボゴール県はプンチャックに違法に建てられた宿泊施設93軒を撤去する方針だ。撤去費用としてジャカルタ特別州は50億ルピアを負担。違法建築による水資源の破壊を阻止し、森林地帯を再生する。同地区では2013年だけで314軒を撤去した。ジョコウィ知事は今年、首都圏の5県市に洪水対策費用として1450億ルピアの財政支援をすると表明している。

インドネシアが4期連続1位に 米ニールセン消費者調査

インドネシアが4期連続1位に 米ニールセン消費者調査
 米調査会社ニールセンが実施した世界60カ国・地域の消費者動向を数値化する「世界消費者信頼感調査」の2013年第4四半期調査によると、インドネシアが前期比4ポイント増の124ポイントを記録し、4期連続1位となった。インドネシアは13年第3四半期にはガソリン価格の上昇や高インフレ率で減少したが、第4四半期は14年の選挙需要を見越して指数が上昇したとしている。
 26カ国・地域で指数が上昇、32カ国・地域で減少、2カ国で変わらなかった。世界平均は前期と変わらず94ポイント。日本は同6ポイント増の80ポイントで32位だった。調査は世界60カ国3万人の消費者を対象に、信頼感レベルや経済展望について、13年11月11~29日、インターネットで聞き取りを実施。指数は0から200までの数値で算出し、100が現状維持、100を超えた場合は上向き、下回った場合は下向きとなる。

 

ジャカルタ特別州が州内14社に最低賃金適用延期を認定

ジャカルタ特別州が州内14社に最低賃金適用延期を認定
 ジャカルタ特別州賃金評議会はこのほど、1月24日付で州内の14社に対し、2014年の最低賃金の支払いの適用延期を認めたと発表した。14社は東ジャカルタ・チャクンのヌサンタラ保税地区にある繊維関連産業で、従業員数は800~3000人。期限となる2013年12月20日までに50社からの免除の申請があり、条件を満たした16社について、現場視察などを実施。残りの2社については、労働者の同意などについて正式な確認が取れておらず、2月中旬までに再調査するとしている。じゃかるた新聞などが報じた。
 最低賃金の適用免除は、会社の財務状況や半分以上の労働者の合意などを条件に申請でき、認められた場合、州知事の承認に基づき、最長12カ月の猶予期間が与えられる。ジャカルタ特別州の14年の最低賃金は前年比10%増の244万ルピア。

シリア内戦に参戦の過激派のテロを懸念 国家対策庁

シリア内戦に参戦の過激派のテロを懸念  国家対策庁
 激しいシリア内戦に参戦し、経験を積んだインドネシア人イスラム過激派が、インドネシアへ帰国後にテロを実行するとの懸念が出ている。実際に過激派メンバーがシリア入りを画策していた事実も判明しており、インドネシア治安当局が警戒を強めている。毎日新聞が報じた。
 国家テロ対策庁の推計では、現在シリア反体制派の武装組織に所属するインドネシア人は少なくとも50人。同庁のムバイ長官は「彼らは戦争のための新たな能力・技術を習得して帰国する」と懸念している。インドネシアは周知の通り、人口2億4000万人の約9割を占める世界最多のイスラム教徒を擁する国だ。ただ、そのほとんどが穏健派で、過激派はごく一部といわれている。

MRT工事始動で首都の目抜き通りの渋滞悪化不可避

MRT工事始動で首都の目抜き通りの渋滞悪化不可避
 インドネシア・ジャカルタで大量高速鉄道(MRT)事業の第1期工事が始動したのに伴い、今年4月から2018年までの4年間、地下鉄区間にあたるスディルマン、タムリン両通りで通行止めや道路幅が縮小され、都心の交通渋滞がさらに深刻化することが避けられない情勢となっている。地元メディアが報じた。
 州営MRTジャカルタはこのほど、中央ジャカルタのラトゥプラザ付近と中央ジャカルタのベンヒル付近の地中にあるガス管の移設工事を開始した。ホテル・インドネシア(HI)前では、1月上旬から首都圏専用路線バスのトランスジャカルタのHI前停留所とバスレーンを閉鎖している。モナス(独立記念塔)方面に向かうタムリン通りの5車線(7.5㍍)のうち、1車線をトランスジャカルタに割り当てた。その結果、残った4車線に通行車両が集中し、交通渋滞が激しくなっている。そして、道路の通行規制が厳しくなる4月から、本格的に地下を走る同区間の建設工事が始まる。

今度はコモドオオトカゲが死ぬ スラバヤ動物園

今度はコモドオオトカゲが死ぬ スラバヤ動物園
 相次ぐ飼育動物の死亡で悪名高いインドネシア国内最大のスラバヤ動物園は2月1日、コモドオオトカゲが死んだと発表した。死因は不明。1月には1歳6カ月のアフリカライオンが檻の中で首にケーブルが絡まった状態で死んでいるのが見つかっており、数日前に死んだバウェアンジカを含め年明け以降、死んだ動物の数はヌー、シロイワヤギ、インドキョン、ライオンなど5匹に上っている。地元メディアが報じた。
 今回死んだコモドオオトカゲは、インドネシアの一部に生息しており、大きいものは体長3㍍、体重70㌔にも及ぶ。世界には数千匹しか生存せず、絶滅が懸念されている。同動物園ではスラバヤ市が運営に参加した2013年7月以来、すでに105匹の動物が亡くなっている。市当局は同動物園の管理体制を刷新するなど改善に努めているが、成果は上がっておらず、動物愛護団体は閉鎖を求めている。