KPKが元中銀副総裁を逮捕 旧センチュリー銀救済で

KPKが元中銀副総裁を逮捕 旧センチュリー銀救済で
 汚職撲滅委員会(KPK)は11月15日、ブディ・ムルヤ元インドネシア中央銀行副総裁(金融政策担当)を逮捕した。2008年に破綻した旧センチュリー銀行(現ムティアラ銀行)の救済で職権を乱用し、多額の公金を注入した容疑。センチュリー銀行の経営者には銀行法違反の罪で有罪判決が下っているが、中銀側で逮捕者が出るのは初めて。

ルピア安による価格の上昇とインフレでパソコン販売鈍る

ルピア安による価格の上昇とインフレでパソコン販売鈍る
 IT専門調査会社IDCによると、インドネシアのデスクトップ、ノート型パソコンの今年第2四半期(4~6月期)のパソコン販売台数(出荷ベース)は、前年同期比では3.6%増だったが、前期比では6.2%減少した。最も販売台数が多い個人向けノートブックは前期の90万台から8.9%減の82万台となった。同国では輸入品が大半を占めるため、通貨ルピアが対ドルで下落した今年5月以降、販売価格が上昇。IDCインドネシアのアナリストは第2四半期の最初は良かったが、ルピア下落後、小売業者は法人向け、個人向けいずれも需要が落ちてきていると指摘している。ルピア下落にインフレ加速に伴い、小売業者が販売価格を引き上げたことも、割高感を抱かせ、より一層の需要減を招くという悪循環に陥っているという。
 ブランド別では台湾のエイスースが初のシェアトップとなり、エイサー、レノボ、東芝、ヒューレット・パッカードが続いている。世界的にパソコンからタブレット端末への移行が進んでいるが、インドネシアでも都市部を中心にタブレット販売が急速に伸びている。その結果、デスクトップ、ノートブックの販売を圧迫している。今年のタブレット端末の販売予測は360万台に達し、普及が始まってから4年足らずでデスクトップ、ノートブック合わせたパソコンの335万台を初めて上回る見通しだ。

ASEANにフィリピン緊急支援隊設立を提案で合意

ASEANにフィリピン緊急支援隊設立を提案で合意
 インドネシアのマルティ外相、タイのスラポン副首相兼外相は11月14日、バンコクで会談し、フィリピン中部を襲った台風30号で甚大な被害を受けたフィリピンを支援するため、東南アジア諸国連合(ASEAN)に緊急支援隊などの設立を提案することで合意した。両国が共同で2014年1月のASEAN非公式外相会議に提案する。

 

サウジでインドネシア人出稼ぎ労働者7万人が潜伏生活

サウジでインドネシア人出稼ぎ労働者7万人が潜伏生活
 サウジアラビア政府が外国人不法労働者の摘発を本格化させたことで、7万人を超えるインドネシア人労働者が同国で潜伏生活を余儀なくされる事態となっている。インドネシア政府はサウジアラビア政府と折衝にあたっているが、まだ解決の糸口は見い出せていないようだ。そのため、雇用主に旅券を預けたまま、その職場を離れた労働者は滞在手続きも出国もできない状況に置かれている。サウジアラビア政府は不法滞在者に、速やかな帰国か正規の滞在手続きをとることを求めているが、旅券がなくてはいずれの選択肢をとることもできないというわけだ。
 サウジアラビアでは外国人労働者は「身元保証」の名目で雇い主らに旅券を預けたうえで就労することになっているが、本人に返却されないまま、失踪する労働者が大勢いるという。本人が行方不明になったため、雇用主がインドネシア大使館や領事館に届け出るケースが多い。地元紙は11月11日、現地インドネシア公館に寄せられた持ち主不在の旅券が7万7000通に達すると報じている。出稼ぎに行った労働者が失踪、端的にいえば逃げ出す背景には、事前に知らされていない過酷な労働などを理由に、帰国を申し出てもなかなか受け入れられない現状があるとみられている。
 インドネシア外務省によると、11月4日現在、約10万人のインドネシア人が不法滞在しており、このうち約9500人がパスポートの再発行を申請している。

KPUの選挙人登録名簿に不備 1040万人は身元不明者

KPUの選挙人登録名簿に不備 1040万人は身元不明者
 地元紙によると、インドネシアで2014年4月に行われる総選挙の準備を進める総選挙委員会(KPU)が11月4日発表した選挙人名簿に不備が発覚した。確定した選挙人1億8660万人のうち、最大野党の闘争民主党(PDIP)の指摘により、KPUは身元不明者が含まれた1040万人の登録に問題があると認めた。これでは票操作などの不正につながり、選挙の公平さが危ぶまれる可能性があるとして、ユドヨノ大統領は13日、関係者を招集して対策を協議した。
 どの過程で身元不明者が紛れ込んだのかは分かっていないが、野党は与党関係者が意図的に名簿を改ざんした可能性があるとの見方を示し、早急に改定するよう求めている。

ジャカルタ湾のムール貝 水銀汚染がさらに深刻化

ジャカルタ湾のムール貝 水銀汚染がさらに深刻化
 ボゴール農科大学水産海洋学部などの調査によると、工場排水などによる水銀汚染が深刻なインドネシアのジャカルタ湾で、養殖のムール貝(ムラサキガイ)が国際的な環境基準を大幅に上回る水銀に汚染されていることが明らかになった。
 毎日新聞によると、ボゴール農科大の研究班は2012年5~7月に湾内5カ所で採取した養殖ムール貝に含まれる水銀など重金属の量を調べた。その結果、海岸に近いほど数値が高く、沖合1㌔で獲れたムール貝を乾燥させたものから9.362ppmの水銀が検出された。これを国際的な測定法に従って計算すると、世界保健機構(WHO)などが設定している基準値(0.5ppm)の約4.5倍、日本の基準値(0.4ppm)の約5.6倍となる。また、同湾でカドミウム、鉛など他の重金属も基準値を上回る量が確認されている。
 ジャカルタ湾は1970年代から汚染が問題化し、すでに政府は湾内で獲れる魚介類を販売禁止としているが、違反しても罰則はなく野放し状態にある。専門家は政府に早急な対策と実態調査を求めている。

東ジャワ州マラン県警が女性警察官のジルバブを一部解禁

東ジャワ州マラン県警が女性警察官のジルバブを一部解禁
 東ジャワ州のマラン県警が10月から、女性警察官からの求めに応じ、毎週金曜日に限り試験的にジルバブ(ムスリム女性のスカーフ)の着用を認め出した。同県警はあくまでも試験的としているが、着用曜日を順次拡大していく方向だ。ジルバブの着用を巡っては、制服について定めた国家警察の規定にジルバブが含まれていないため、従来は女性警察官も着用が禁止されているとの解釈だった。だが、イスラム団体などから女性の信仰を侵害しているとの批判が噴出したことで、ティムール・プラドポ前国家警察長官は6月、従来方針を見直す意向を示していた。

人口増加に歯止めかからず 深刻!増える10代女性の出産

人口増加に歯止めかからず 深刻!増える10代女性の出産
 国および国連統計によると、世界第4位の2億4000万人超を擁するインドネシアの人口増加に歯止めがかからず、とりわけ10代女性の出産が増加している、深刻な実態が明らかになった。国として食糧需要の増大など悪影響を防ぐため、政府は家族計画(KB)を再び活性化させ、人口抑制に優先して取り組むよう求められている。
 国家家族計画・人口庁(BKKBN)のファスリ・ジャラル長官によると、合計特殊出生率(一人の女性が生涯に産む子供の数)は2002~13年は2.6にとどまり、15年までの目標とする同2.1の達成が困難とみられている。この結果、現在の人口増加率は年間1.49%となっており、1日当たり1万人の新生児が生まれている計算だ。
 国連人口基金(UNFPA)が11月8日発表した世界人口白書によると、インドネシア国内では毎年24歳以下の女性170万人が出産し、うち10代女性は約50万人に上る。UNFPAインドネシア事務所のホセ・フェラリス代表は、10代で妊娠する女性のほとんどが農村地域の低所得層の出身で、教育水準も低い-と内包する問題の深刻さを指摘している。BKKBNが9月に発表した12年版インドネシア人口統計・衛生調査(SDKI)によると、15~19歳で出産した女性の数は07年の1000人当たり35人から、12年には同48人に増加している。
 こうした事態に陥った背景には、KBの停滞がある。かつて同国ではスハルト政権下で取られた人口抑制策の徹底・強化や国連の援助なども得て、1970年代に5.6%だった出生率を91年に3%まで抑制した実績がある。ところが現状、自治体によりKBは後回しになり、人員不足が原因で低所得層対象に実施されてきた避妊具や避妊薬の無料配布などが滞り勝ちな実情があることは否めない事実だ。そのため、アグン・ラクソノ公共福祉担当調整相はKBを再び活性化させるとともに、地方政府にもKBに優先して取り組むよう求めている。

「メガワティ党首はジョコウィ氏擁立を承認」と長老

「メガワティ党首はジョコウィ氏擁立を承認」と長老
 闘争民主党(PDIP)の長老サバム・シライット議員は11月7日、2014年7月に行われる大統領選の候補者として、ジャカルタ特別州知事のジョコウィ氏を承認するとの見方を示した。サバム氏は、党内では高齢のメガワティ氏(党首)ではなく、一般市民の間で人気が高いジョコウィ氏を推す声が強いことを挙げ、「メガワティ氏は党内の支持者を直接説得し、ジョコウィ氏を大統領候補として擁立するだろう」と指摘した。9月に開催されたPDIP全国会議では、ジョコウィ氏がスカルノ初代大統領の演説を代読するなどして、メガワティ氏はジョコウィ氏擁立への支持を示唆していた。

インドネシアが拒否した難民を一時的に豪領に移送

インドネシアが拒否した難民を一時的に豪領に移送
 インドネシア・ジャワ島沖で豪州海軍船が保護した密航難民船の送還先を巡り、インドネシア、豪州の両国が対立していた問題で、豪州政府は11月9日、インドネシア側に譲歩し、難民認定希望者ら密航者約60人をインド洋の豪領クリスマス島にいったん移送する方針を決めた。
 在インドネシア豪州大使館における、豪州による盗聴疑惑問題発覚後、豪州政府からインドネシア政府に対し、この問題に関するきちんとした説明がないまま今日に至っていることから、両国関係は険悪化しつつある。そのため、豪州政府は7日、この難民船をジャワ島に送り届けようとしたが、インドネシア政府が拒否し、緊迫感が漂っていた。