フリーポート・インドネシア鉱山が最大3カ月の操業停止
地元メディアによると、エネルギー鉱物資源相は6月3日、パプア州ミミカの米鉱山会社フリーポート・インドネシアに対し事故原因の調査中の操業停止命令を下した。これは、フリーポート・インドネシアの鉱山で、5月に発生した2回の落盤事故で計29人が死亡したことを受けたもの。
同相によると、操業停止期間は最大約3カ月間の調査期間中となる見込み。これにより同社は採鉱作業を停止するが、備蓄した銅や金などの船積みや輸出は継続可能。同社の担当者は「政府と再開に向けて協力していく」と通達を受け入れる姿勢を示している。
丸紅、インドネシアの製糖企業の債権訴訟で上告へ
丸紅、インドネシアの製糖企業の債権訴訟で上告へ
NNA.ASIAによると、丸紅がインドネシアの製糖企業シュガー・グループに対する債権支払いを巡り、同グループから債権の無効と損害賠償を請求された訴訟で、ランプン州タンジュンカラン高等裁判所は、丸紅を含む被告5人に計2億5000万米㌦(約250億円)の支払いを命じる判決を言い渡した。丸紅は判決を不当として、最高裁判所に上告する手続きを進めている。丸紅側は「過去にインドネシアの最高裁で当社が勝訴した訴訟と同一内容の請求であり、最高裁判決と明らかに矛盾するもので、不当と言わざるを得ない」と主張している。
陸運事業参入を検討の第2ペリンドと陸運業者が対立
陸運事業参入を検討の第2ペリンドと陸運業者が対立
北ジャカルタ・タンジュンプリオク港での6月3日のストライキをめぐり、インドネシア商工会議所(カディン)は政府に、国営港湾管理の第2ペリンドが検討しているとされる陸運事業参入を中止させるよう要請した。4日、ストは回避されたが、陸運業者と第2ペリンドはいぜん対立している。
ストは、同港を管理する第2ペリンドの陸運参入に神経をとがらせた陸運業者が、午前6時から午後6時に決行。業者は第2ペリンドの子会社がトラック2000台を購入して陸運に参入し、港湾事業の独占を狙っていると主張した。カディン会頭は、第2ペリンドの事業は民間では難しい港湾運営管理、サービスのみにとどめるべきだと牽制した。
これに対し、第2ペリンド社長は4日、日本の公正取引委員会にあたる事業競争監視委員会(KPPU)に報告書を提出したと明らかにした。そして陸運参入は考えていない。第2ペリンドは港湾事業を26%成長させ、その結果、民間の海運、荷役、陸運などでも収益が拡大したと独占の意図を否定している。
輸入業者協会は4日、ストによる輸入業者の損失額は2兆ルピアに上ったと発表している。
インドネシアの競争力は3ランク上昇の60カ国・地域中39位
インドネシアの競争力は3ランク上昇の60カ国・地域中39位
スイスのビジネススクール、IMD(経営開発国際研究所)が発表した2013年の経済力を基準にした世界競争力ランキングによると、インドネシアは昨年の42位から3ランク上昇し、60の主要国・地域中39位だった。
先月まで投資調整庁長官を務めていたハティブ・バスリ財務相は、この結果を受け、競争力の強化を好感しつつも、「今後、何の進歩もみられなければ、今回順位を上げたフィリピンなどに抜かれてしまうだろう」と、一層の投資環境改善の必要性を強調した。
このランキングは、公式統計や独自調査の結果を基にして、経済業績、行政効率、事業効率、インフラの4区分に関する約329項目からなる評価基準で指数化している。日本は24位だった。
欧米・イ伝統品で活気づくインドネシアファッション業界
欧米・イ伝統品で活気づくインドネシアファッション業界
インドネシアでいま、欧米の流行商品に加え、「バティック」(ろうけつ染)などのインドネシア固有の伝統的なファッションでも市場が拡大しつつある。両ファッションともに近年、市場は飛躍的に拡大しており、日本の「ユニクロ」、スペインの「ZARA(ザラ)、スウェーデンの「H&M」などが相次いでインドネシア展開に乗り出したり、展開を計画している。
経済成長で生まれている多くの中間層。所得が増えるのに伴い、ファッションへの関心が高まり、おしゃれを楽しむ人々が増えているのだ。大型ショッピングモールが閉店時間を延ばして深夜まで服飾品を販売する「ミッドナイトセール」は、大勢の客でにぎわう。この中間層の増加はますますファッション業界の活況につながるとみられる。
活気づいているのは欧米の流行商品だけではない。インドネシア固有の伝統的なファッションも健在だ。ジャワ更紗(さらさ)とも呼ばれる「バティック」を使ったシャツは官公庁や民間企業でオフィスファッションとしても定着。政府は金曜日を「バティック・デー」とし、バティック地の服の着用を奨励している。また、5月30~6月2日、「インドネシア・イスラミック・ファッションフェア」が開催されるなど、イスラム教徒の女性が肌や頭髪を隠すアバヤなどを専門にしたファッションショーも開かれている。
インドネシアにおけるアパレル商品の2010年の売り上げ規模は前年比29%増の210億ドル(約2兆1100億円)。05年から2倍以上に拡大し、15年には350億ドルを超すと予想されている。
拡大する物流市場に対応 港湾に6兆ルピア インフラ整備加速
拡大する物流市場に対応 港湾に6兆ルピア インフラ整備加速
インドネシア政府は拡大する物流市場に対応、課題として指摘されている海運分野および各地の港湾への道路交通網のインフラ整備を加速する方針だ。2012~13年度で合計6兆ルピアを投じている131の港湾整備事業を急ぐほか、これとは別に5兆ルピアを道路建設に充てて、各地の港湾への交通利便性の向上を図る考えだ。
米調査会社フロスト&サリバンによると、2013年のインドネシアの物流市場の規模は、資本流入や製造業の貨物増で前年比14.5%増の1635兆ルピア(約16兆5000億円)となる見通しだ。これに伴って海運分野の貨物量も同6.1%増の10億㌧に達するという。インドネシア船主協会は港湾整備の遅れがコストの上昇や物流効率の低下を招き、成長を妨げる恐れがあると警告している。
「軍拡競争防止を」国防相がアジア安保会議で講演
「軍拡競争防止を」国防相がアジア安保会議で講演
インドネシアのプルモノ・コスギアントロ国防相は、5月31~6月2日、シンガポールで開かれたアジア安全保障会議(英国際戦略研究所主催)で6月1日、軍事の「戦略的透明性」をテーマに講演した。同国防相は軍備増強は近隣地域共通の現象と指摘し、不安定な軍拡競争を招かぬよう、透明性を実現する必要がある-と訴えた。
インドネシアが近年、急速に進める軍備の近代化については、アジア通貨危機やスハルト政権崩壊後の1998年からの国家改革の一部として進められ、「失われた10年」の遅れを取り戻すためのものとして理解を求めた。
また、軍の近代化はインドネシアだけでなく、アジア太平洋地域共通の現象だ。インド亜大陸から朝鮮半島、中国からオーストラリアまで各国が経済成長とともに、国防費を増強し国防能力を高めている-と現状を分析。一方で、軍備増強が誤算や不信感を助長し得ることを忘れてはならない-と指摘した。
スマトラ島の最高峰ケリンチ火山が4年ぶりに噴火
スマトラ島の最高峰ケリンチ火山が4年ぶりに噴火
インドネシアのスマトラ島の最高峰ケリンチ火山(3800㍍)が6月3日、4年ぶりに噴火した。付近のスンゲイ・ルムプン村に住む古老の証言によると、大きな爆発音が聞こえ、立ち昇った煙の高さは600㍍に達し、数時間後、ケリンチ火山の麓の村では厚い火山灰に覆われたという。前回、ケリンチ火山が噴火したのは2009年だった。
インドネシア東部で男性がワニに襲われ死亡 1年半で5人
インドネシア東部で男性がワニに襲われ死亡 1年半で5人
オーストラリア紙によると、インドネシア東部のクパンのアマビ川で5月28日、カニを捕っていた53歳の男性がワニに襲われて死亡するという傷ましい事故があった。家族が川に浮いていた頭部を発見した。また、川の付近で男性が使っていた籠や漁具、サンダルなどが見つかっているほか、川の中には腸など体の一部が散乱していたという。
男性を襲ったのは、大型のイリェワニとみられる。現地ではこの1年半に、少なくとも5人がワニに襲われて死亡しているという。そのため警察では住民に対し、このイリェワニの生息地周辺での注意を呼びかけている。
首都圏では3年で2倍に インドネシアの一戸建てが高騰
首都圏では3年で2倍に インドネシアの一戸建てが高騰
インドネシアの一戸建て住宅価格が高騰している。右肩上がりで所得が増え、近年の低金利と相まって需要が急増。首都圏では販売価格が3年で2倍になり、不動産バブルを懸念する観測も出ている。
米系不動産サービス会社クッシュマン&ウェイクフィールドの調査によると、首都圏戸建て価格は2011年に前年比27.7%、12年に同27.8%それぞれ上昇し、今年は第1四半期に前年同期比25.1%アップ。通年では28%高になると予測している。この3年間で2倍超になる計算だ。
首都圏では地価の上昇が激しく、中央統計局によると2011年に前年比27.7%高の1平方㍍当たり420万ルピアで、12年は同28.6%高の540万ルピアに上昇。13年は同24%高の670万ルピアに上昇するとの予想も出ている。住宅価格高騰の要因として、投機目的の購入が増えている点も無視できない。その結果、販売の売れ筋が低価格帯から、2億~5億ルピア(約200万~515万円)の中価格帯の住宅へと移行している。