インフラ整備に力点 モディ政権の14年度予算案

インフラ整備に力点 モディ政権の14年度予算案

  インドのモディ政権の2014年度(14年4月~15年3月)の予算案が発表された。5月の政権発足後、初めてとなる予算で、今後の経済成長に必須となるインフラ整備や産業育成に支出を重点配分する姿勢が打ち出された。一方、巨額の財政赤字を圧縮していく工程表を提示。財政健全化を目指しながら、産業振興を進めていく政策運営となる。

 今回の予算案は、総選挙前の今年2月に前政権が定めた暫定予算を修正する位置付け。アルン・ジャイトリー財務相は、予算は「7~8%の成長を取り戻す起点となる」と強調している。

 

庶民派優勢を市場は歓迎 ルピア1カ月半ぶり高値

庶民派優勢を市場は歓迎 ルピア1カ月半ぶり高値

 前日の大統領選挙の結果を受け、7月10日午前。インドネシアの通貨ルピアと主要株価指数が揃って上昇した。ルピアは一時1㌦=約1万1500ルピアまで買われ、およそ1カ月半ぶりの高値を付けた・主要株価指数も前日終値から約2%値上がりし、5月に付けた今年の高値を上回る場面があった。

 民間調査機関による開票速報では、庶民派として人気が高く、経済改革の担い手として投資家の期待も強いジョコ・ウィドド氏の優勢が伝わり、市場はひとまず歓迎した格好だ。

 

マレーシア中銀3年2カ月ぶり利上げ 年3.25%に

マレーシア中銀3年2カ月ぶり利上げ 年3.25%に

 マレーシア中央銀行は7月10日、金融政策委員会を開き、政策金利を年3.0%から同3.25%へ引き上げることを決め、即日実施した。利上げは2011年5月以来3年2カ月ぶり。物価上昇の抑制や家計債務の膨張を抑えるのが狙い。

 同中銀は利上げについて「経済的・財政的な不均衡といったリスクを低減し、経済成長を持続させるため」と説明。物価に関しては「今後も平均以上の上昇が続く」との見通しを示している。

 

6月末の外貨準備高は前月比6億㌦増の1076億㌦

6月末の外貨準備高は前月比6億㌦増の1076億㌦

 インドネシア中央銀行は7月7日、6月末時点の外貨準備高は前月比6億㌦増の1076億㌦だったと発表した。増加要因について、同中銀は石油・ガス輸出によるドル収支で収入が上回ったこと、ドル需要の増加がドル売り介入を相殺したと説明している。

東南アジア各国の通貨上昇 米金利の低下基調で

東南アジア各国の通貨上昇 米金利の低下基調で

 インドネシア・ルピアをはじめ、マレーシア・リンギ、シンガポール・ドル、フィリピン・ペソなど東南アジア通貨が対米ドルで総じて上昇している。米国の早期利上げ観測が高まらず、米長期金利も低下基調にあるため、相対的に金利が高い東南アジア通貨に資金が流入している。

 7月9日の外国為替市場ではシンガポール・ドルが1米㌦=1.24シンガポール・㌦台、フィリピン・ペソが1㌦=43.28ペソ台、マレーシア・リンギが1㌦=3.16リンギ台と、すべて約8カ月ぶりの高値を付けた。インドネシア・ルピアは4日から続伸。8日までの上昇率は約2.5%となった。9日は休場。金融筋は、とくにいま買われやすいのは、利上げ観測が高まっているマレーシア・リンギとフィリピン・ペソという。

日・ミャンマー投資協定 8/7発効 公文交換

日・ミャンマー投資協定 8/7発効 公文交換

 日本外務省は7月8日、ミャンマー政府と同国の首都ネピドーで日・ミャンマー投資協定の発効のための外交上の公文を交換したと発表した。協定は8月7日に発効する。協定は日本・ミャンマー間投資の相互自由化、促進および保護について、包括的かつ詳細な事項を規定するもので、ミャンマーにとっては初めての本格的な投資自由化協定になる。日本にとっては、東南アジア諸国連合(ASEAN)全加盟国との間で二国間投資協定、または投資章を含む経済連携協定(EPA)の締結が完了したことになる。

 

ASEAN中で69%の製品が競争力劣る イ工業省調べ

ASEAN中で69%の製品が競争力劣る イ工業省調べ

 2015年中の東南アジア諸国連合(ASEAN)経済共同体(=AEC)発足を控え、インドネシア工業省はこのほど、ASEAN諸国との工業製品における比較優位性の指標を公表した。これによると、インドネシア工業製品は全体の69%で競争力が劣るとの衝撃的な結果が出た。このため、経済界は競争力強化に向け、早急な対策を求めている。

 AECでは域内関税の原則撤廃を目指しており、当然のことながら域内で競争力の高い企業が事業を拡大し、低い企業は淘汰される可能性もある。工業省は3998関税品目について、インドネシアが他国に比べ比較優位性があるかどうかを示す顕示的比較優位指数(RCA)や、実際に輸出額が1000万㌦を上回るか、輸入が500万㌦を下回るかどうかなどを基準に、競争力が強い製品と弱い製品に分類した。その結果、全体の69%の2748品目の競争力が弱いグループに、1250品目が強いグループに分類された。

 

5月の貿易収支は前月から一転、6900万㌦の黒字に

5月の貿易収支は前月から一転、6900万㌦の黒字に

 インドネシア中央統計局が発表した統計値によると、同国の5月の貿易収支は4月の19億6000万㌦の赤字から一転、6900万㌦の黒字に改善した。輸出額は148億2530万㌦で前月比約5億㌦増、一方、輸入額は147億5540億㌦で同約15億㌦減となり、輸入の減少がその要因だった。

 ただ、今後の貿易収支については、大統領選の結果とレバラン(断食明け大祭)が終わるまで予測は困難視されている。また、5月の貿易収支の黒字化を受けて、ハイルル経済調整相は「ルピア高への好材料」と好感している。

日豪EPA2015年前半にも発効へ 両首脳が署名

日豪EPA2015年前半にも発効へ 両首脳が署名

 オセアニアを歴訪中の安倍晋三首相は7月8日、オーストラリアのアボット首相と会談し、経済連携協定(EPA)に署名した。両国の国内手続きを経て、2015年前半にも発効する見通し。関税が下がったり撤廃されることで、豪州産のワインや牛肉などで値下げが期待できそうだ。日本の自動車業界が支払う関税の負担も減る。

 日本が締結したEPAは今回で14件目で、豪州は2国間の貿易協定として最大の貿易相手国。輸入先では中国、米国に次ぐ3番目の規模で、農産物や鉱物資源などの輸入への影響は大きい。日本側は協定発効から10年以内に貿易品目の88%超、金額ベースでは93%超、豪州側はいずれも99%超の輸入関税を撤廃する。

インドネシア6月外貨準備高1077億㌦ 3カ月連続上昇

インドネシア6月外貨準備高1077億㌦ 3カ月連続上昇

 インドネシア中央銀行は7月7日、6月末時点の外貨準備高が1076億7800万米㌦(約10兆9930億円)だったと発表した。石油・ガスの輸出が増えたことを背景に前月末比で0.6%増加。3カ月連続の上昇となった。これは輸入代金の6.2カ月分、輸入代金と政府の対外債務返済額の6.0カ月分に相当し、国際通貨基金(IMF)が安全圏と定める3カ月以上の水準を維持した。