「インドネシアはフラジャイル5を脱却」ハティブ財相

「インドネシアはフラジャイル5を脱却」ハティブ財相
 インドネシアのハティブ財務相は3月10日、過去2週間のルピア高を受け、先進国の金融政策変更の影響を受けやすいとされる通貨を持つ5カ国(インドネシア、インド、トルコ、ブラジル、南アフリカ)「フラジャイル・ファイブ」から、インドネシアはすでに脱却したとの見解を示した。経済紙ビスニス・インドネシアが報じた。
 3月上旬、訪米した同相によると、米投資家たちはインドネシア政府が2013年から取り組んできた政策について一貫性があると評価。具体的には①政策金利の中銀レートを13年6月から現在まで1.75%引き上げた②財政負担となっている補助金削減のための値上げを実施した③12年第2四半期の対GDP比財政赤字4.4%が、13年第4四半期には1.98%に改善した-などを挙げたという。
 その結果、英経済誌エコノミストにも記載されたように、「インドネシアはもはや、フラジャイル(もろい)の国ではない」と言明した。

議会・大統領選挙はGDP成長率を0.3%押し上げる

議会・大統領選挙はGDP成長率を0.3%押し上げる
 インドネシアのバンバン・ブロジェネゴロ財務次官は3月13日、4月と7月に予定されている議会および大統領選挙にからむ支出が国内総生産(GDP)成長率に最大0.3%寄与するという見通しを明らかにした。同次官は「国内消費は、とくに設備投資に関係する消費については増加が予想され、経済成長率を大幅に押し上げるだろう」と述べた。財務省は2014年のGDP成長率が5~6%になると予想している。13年の成長率は5.78%だった。ロイターが報じた。

インドネシア中銀 金利7.5%で据え置き 4カ月連続

インドネシア中銀 金利7.5%で据え置き 4カ月連続
 インドネシア中央銀行は3月13日の月例理事会で、政策金利を7.5%で据え置くことを決めた。据え置きは4カ月連続。通貨ルピアが今週、2013年11月以来の高値に上昇し、2月にインフレが13年10月以来の8%割れとなり、鈍化していること、輸入が4カ月連続で減少したことで、貿易赤字が圧縮されていることなどを踏まえたものとみられる。

2014年の鉱物輸出は35%超減少か 貿易省の想定内

2014年の鉱物輸出は35%超減少か 貿易省の想定内
 インドネシアの2014年の鉱物輸出は、新鉱業法に基づき14年1月12日から施行された未加工鉱石の禁輸措置により、13年の110億米㌦から70億米㌦へ35%超の落ち込みとなる見込みだ。貿易省関係者によると、この数字は政府の想定内という。地元メディアが報じた。副貿易相は、「政府はすでに対策を準備している」とし、鉱物輸出の今後について「2020年には13年実績の2倍の220億米㌦から240億米㌦に増加すると見込んでいる」と語っている。

インドネシア政府が経済対策パッケージ第3弾を検討中

インドネシア政府が経済対策パッケージ第3弾を検討中
 インドネシア政府は経常収支改善のため、経済対策パッケージの第3弾の導入を計画中だ。ハッタラジャサ経済担当調整相は「第1四半期(1~3月期)中に確定する予定」としている。また、同相は「これは海外投資家が、投資収益を国外へ持ち出さず、再びインドネシアに投資するような魅力あるものを考えている」と述べ、経常赤字の改善につながるとの期待感を込めた。国営アンタラ通信が報じた。

 

14年補正予算で支出削減へ GDP成長率など指標悪化で

14年補正予算で支出削減へ GDP成長率など指標悪化で
  インドネシア政府はマクロ経済指標が当初予想より悪化しているため、財政赤字の拡大を防ぐため、2014年補正予算で支出削減の検討に入った。
 昨年の14年予算策定時には国内総生産(GDP)成長率を6%、為替レートを1ドル=1万500ルピアに設定していた。ところが、地元メディアによると国家予算委員会は2月、14年のマクロ経済指標を修正。GDP成長率は5.8~6.0%、為替レートは1ドル=1万1500~1万2000ルピアに下げた。石油生産も日産87万バレルから80万~83万バレルに下方修正した。
 経済成長率や為替レートの引き下げで税収が減り、燃料補助金も拡大する見込みとなった。この埋め合わせのため、財務副大臣は「リスクとなる新たな借金はせず、支出を削減する」方針を示している。ただ、この削減項目は明らかにしていない。これにより、当初目標だった財政赤字の対GDP比1.69%は達成できないが、上限の2.5%内には収まる見込みだ。

2月末の外貨準備高は2%増で8カ月ぶり高水準

2月末の外貨準備高は2%増で8カ月ぶり高水準
 インドネシア中央銀行がこのほど発表した2月末の外貨準備高は、前月比約2%増の1027億㌦で8カ月ぶりの高水準となった。インドネシアは昨年、長期にわたるルピア下落を防ぐため、中銀が断続的にドル売り、ルピア買いの介入を実施した。その結果、外貨準備高は一時、926億㌦まで減少した。同中銀は日本をはじめ各国と資金を融通する通貨スワップ協定を拡充しており、3月6日にも韓国の中央銀行とも100億㌦規模の通貨スワップ協定を締結している。

未加工鉱石の禁輸はWTOで解決策を探る 商業相

未加工鉱石の禁輸はWTOで解決策を探る 商業相
 インドネシアのムハンマド・ルドフィ商業相(前駐日インドネシア大使)は3月7日、ニッケルなど未加工鉱石の禁輸問題について、「世界貿易機関(WTO)でインドネシア、日本両国の利益となる解決策を探りたい」と語った。同国で1月12日から施行された新鉱業法の法改正は難しく、規制緩和などについては現在協議している段階という。地元紙が報じた。

ルピアが4カ月ぶり高値回復 アジア各国通貨買戻し

ルピアが4カ月ぶり高値回復 アジア各国通貨買戻し
 今週のアジア通貨の対米ドル相場は、週末にかけて上昇した。週前半はロシア軍によるウクライナ南部クリミア自治共和国への軍事介入懸念があった。だが、後半にかけこの懸念が後退したことで、投資家のリスク志向が回復。アジア通貨の買い戻しにつながった。3月7日、午後5時時点で、インドネシアでは2月末の外貨準備高が前月より増え、ルピアは1米㌦=1万1360ルピアと約4カ月ぶりの高値に浮上した。インドルピーが約3カ月ぶり、マレーシアリンギが約2カ月ぶりのそれぞれ高値を付けた。このほか、韓国、台湾、タイ、フィリピンの通貨も約3週間ぶりの高値を付けた。

インドネシアの禁輸続きニッケルの国際価格上昇

インドネシアの禁輸続きニッケルの国際価格上昇
 ステンレス原料となるニッケル地金(じがね)の国際価格が上昇傾向を強めている。指標となるロンドン金属取引所(LME)では3月6日、年初から1割強高い1㌧当たり1万5300㌦台で推移し、約9カ月ぶりの高値を記録した。これはニッケルの主要産地インドネシアの輸出規制で、供給不安が根強いためだ。
 ニッケル鉱石で1割強のシェアを占めるインドネシアは、新鉱業法施行に基づき1月12日から自国の製錬産業育成を狙い、鉱石の輸出を禁止。関係商社によると、3月に入っても禁輸措置が続いている。
 ニッケル地金に加え、ステンレス原料となるニッケル銑鉄の供給が減少するとの見方も浮上している。インドネシア産ニッケルの残さは品質に優れ、銑鉄の主要原料にもなっていたという。