インドネシア、金利引き続き5.75%に据え置き

インドネシア、金利引き続き5.75%に据え置き
 インドネシア中央銀行は2月12日開いた理事会で、政策金利を12カ月連続で5.75%に据え置くことを決めた。同国の2012年の経済成長率は6.2%で前年比0.3ポイント減速したが、3年連続で6%台を維持、安定的な成長を示した。2013年は前年の減速の主因となった輸出の回復などで、6.3~6.8%の成長を見込む。

国内二輪市場は5年以内に縮小局面に MTI会長

国内二輪市場は5年以内に縮小局面に MTI会長
 インドネシア運輸協会(MTI)のダナン・パリクシット会長は2月1日、今後5年以内に国内の二輪市場は縮小局面に入り、需要が年間10%ずつ減少するようになるとの見通しを明らかにした。MTIによると、インドネシアの二輪車の保有台数は世帯当たり1台。このまま年間12~15%の成長を続ければ、5年以内に2台まで増加すると分析。その後は減少傾向に転じるとみている。二輪車製造業者協会(AISI)によると、2012年の二輪車販売は、頭金規制の影響を受け、11年の804万台から11.83%減少し、706万台となった。
 東南アジア諸国連合(ASEAN)二輪車協会(AAF)によると、東南アジアの2011年の二輪車販売は1050万台で、インドネシアが最大だった。世界でも中国、インドに次ぐ3位の市場を形成している。

2012年の工業生産は前年並み伸び率の4%増を維持

2012年の工業生産は前年並み伸び率の4%増を維持
 中央統計局が2月1日発表した工業統計によると、2012年の製造業の生産高は、11年の前年比伸び率(4.10%増)を維持し、4.12%増となった。業種別では化学医薬品・伝統医薬13.9%増、食品12.75%増、電機12.57%増、ゴム・ゴム製品10.48%増などが2ケタの伸びを示し目立った。とりわけ12年の第4四半期は前年同期比11.09%増と、11年の前年同期比2.80%増から大幅に伸びた。

2012年のGDP6.2%増 3年連続6%台の安定成長

2012年のGDP6.2%増 3年連続6%台の安定成長
 中央統計局は2月5日、2012年の実質国内総生産(GDP)が前年比6.2%増となったと発表した。世界経済の停滞の影響や、資源輸出の減少などが響き、政府の目標でもあった2011年の6.5%からやや減速した。それでも堅調な内需と投資をテコに3年連続で6%台の安定成長を示した。 
 12年の名目GDP総額は8241兆9000億ルピア、1人当たりのGDPは11年の3498.2㌦(調整済み値)から1.8%増の3562.6㌦に上昇した。ルピアが対ドルで下落したことで、ドルベースでは微増にとどまった。

2012年の貿易収支は初の赤字に 輸入が過去最高

2012年の貿易収支は初の赤字に 輸入が過去最高
 中央統計局(BPS)が2月1日発表した2012年の貿易統計によると、輸出額は前年比6.61%減の1900億㌦(約17兆5000億円)、輸入額は前年比8.02%増の1917億㌦(約17兆6500億円)となり、貿易収支は17億㌦(約1565億円)の輸入超、通年で初の赤字となった。輸入額は通年で過去最高を更新した。
 国内消費の拡大で、工業製品やエネルギーの輸入が増加した。一方、世界経済の低迷で資源輸出が伸び悩んだことに加え、昨年5月にエネルギー鉱物資源省が導入した未精錬鉱石への輸出税が減速に拍車をかけた。欧州向けは前年比12.20%、米国向けは同6.97%それぞれ減少したのが響いた。

規制あるが、スクーター人気は続く

規制あるが、スクーター人気は続く
 インドネシア自動二輪産業協会のシギット・クマラ理事は2013年の新車販売について、経済成長が続いており、スクーターやスポーツタイプなど再び需要が伸びるのは確実-との見方を示した。
 2012年の二輪車の新車販売は、新車購入時にローンを組む際、頭金を義務付けた規制が影響し、前年比12%減の714万台だった。メーカー別販売台数はホンダが57.3%、ヤマハが34.7%、スズキが6.52%、カワサキが1.84%だった。

コメ増産へ休耕田を有効活用 農業省

コメ増産へ休耕田を有効活用  農業省
 インドネシア農業省は、中長期的に人口増に対応するためコメの増産に取り組む考えだ。このため、2013年に荒廃田、休耕田、遊休地や空き地などを有効活用する方針だ。
 トゥングル・イマム・パヌジュ耕作用地整備・拡大局長は、休耕田など計25万㌶を有効活用するほか、生産性の向上にも力を入れる-としている。現在、1㌶当たりの収穫量は2~2.5㌧だが、同3万㌧を目指す。
 予測では人口は2015年に2億5500万人になる。1人当たりの年間コメ消費量を135㌔㌘とすると、同年に3849万㌧が必要となり、73万㌶の水田不足になる。これが2020年には221万㌶、2025年には3755万㌶が不足する計算になるという。

13年の自動車販売見通しは100万~120万台

13年の自動車販売見通しは100万~120万台
 前年比25%増の111万台と過去最高を記録した2012年の自動車販売実績で、全体の約88%を占めた上位6社の現地法人幹部の予測によると、13年の販売台数は100万~120万台となる見通しだ。場合によっては、前年割れする可能性もあるとの予想外の意見も出ている。
 これは、中長期的には今後も右肩上がりの拡大が期待されるが、目先はルピア安や金融規制、燃料値上げなどが販売に影響を及ぼす懸念があるとみているためだ。昨年にも発布される予定だった優遇税制「低価格グリーン・カー(LCGC)プログラム」の実施時期もいぜん定まらないことも、慎重な見方をせざるを得ない要因となっている。

中銀が為替に積極介入を強調

中銀が為替に積極介入を強調
 中銀のハルタディ・サルウォノ副総裁は1月25日、ルピア安が続く現状に懸念を示し、さらに介入を強めていく方針を強調した。2013年の国家予算の指標では、年間平均レートを1ドル=9300ルピアに設定しているが、25日に9653ルピアを付けている。ただ、アグス蔵相は1ドル=9300ルピアの為替相場予測については楽観的過ぎるとの見解を示し、9700ルピアが現実的と発言している。

12年の外国からの投資は221兆ルピアで最高を更新

12年の外国からの投資は221兆ルピアで最高を更新
 インドネシア投資調整庁は1月22日、石油・ガス部門の一部や金融を除く2012年の外国からの投資額は、実績ベースで前年比26.1%増の221兆ルピア(約2兆円、245億㌦)となり、過去最高を更新したと発表した。鉱業や自動車の投資が好調で、13年は23%増の273兆ルピアを目指すとしている。
 国別で日本は東日本大震災以後、企業の海外展開が加速し、インドネシアへの関心が高まってきたことを背景に、前年比67%増の25億㌦となり、第2位だった。日本の主要な投資分野はこれまで製造業だったが、今後は消費関連・サービス分野への投資が増加するとみられる。首位は49億㌦で前年に続きシンガポール。前年5位の韓国が19億㌦で3位、以下、米国4位、オランダ5位。