認知症,ALS治療に光 大阪公立大が効果を確認

大阪公立大学の研究グループはこのほど、前頭側頭型認知症(FTD)や筋萎縮性側索硬化症(ALS)のモデルマウスにリファンピシンを1カ月間経鼻投与したところ、ヘキサヌクレオチド(GGGGCC)リピートの異常伸長(HRE)に起因する神経病理が抑制され、認知機能が改善したと発表した。
FTDやALSはC9orf72遺伝子の変異によって発症するとされているが、治療法は確立されていない。C9orf72遺伝子の変異により生み出された異常なRNAやタンパク質が凝集し、神経系に蓄積することで神経変性が起こると考えられている。
同大の研究の成果である、このタンパク質の蓄積を抑えることが、FTDやALS治療法開発の第一歩になると期待される。

NEC 自動で排泄検知・通知する介護施設向けS発売

NECプラットフォームズ(本社:東京都千代田区)は5月23日、介護施設向けにエッジAIやIoT技術を用いて自動で排泄を検知し、職員への通知を実現する「NECサニタリー利用記録システム」を、同日より販売開始すると発表した。デジタル技術で利用者を守りながら排泄の自立を促すこの仕組みは、介護現場では新しい試み。
現場での使用感や効果を検証するため、社会福祉法人ウェルフェア仙台の特別養護老人ホーム大年寺山ジェロントピアに1月より先行導入している。導入した施設では、職員のアンケート結果などから職員一人あたり平均月22時間の作業時間と精神的負担の軽減効果を確認しているという。

「特定技能」滞在者 3年間でわずか6万4,730人

出入国在留管理庁は5月20日、在留資格「特定技能」で日本に滞在する外国人が、制度開始から3年の2022年3月末時点で、1年前の2021年3月末時点と比べ約4万2,000人増の6万4,730人だったと発表した。
特定技能は、人手不足に悩む様々な産業界の強い要請を受け、外国人労働者の就労拡大のため設けられ、2019年4月からスタートした制度。政府は、対象の14業種で5年間で30万人を超える特定技能の在留取得者を見込んでいた。
ところが、想定外の新型コロナウイルス禍で移動が制限されたことで、事業計画の全面的な仕切り直しを迫られることになる。

SB 高齢者のフレイル予防に向けた実証実験を開始

ソフトバンク(本社:東京都港区)は5月20日、高齢者のフレイル予防に向けた取り組みとして、ウォーキングの習慣化を応援するスマートフォン向けの新アプリ「うごくま」を活用した実証実験を、埼玉県のふじみ野市と鳥取県の江府町と連携して、2022年6月8日から開始すると発表した。
フレイルは、加齢により心身が老い衰えた状態だが、ウォーキングをはじめとする運動の習慣化で予防・改善できるとされている。今回開発したフレイル予防アプリはクマのキャラクター「うごくま」との会話機能を実装しており、うごくまが利用者を褒めたり励ましたり、相互にコミュニケーションをとることで、ウォーキングの習慣化につながる励みを醸成する。

高齢ドライバーの事故減少へ 5/13から実車試験開始

高齢ドライバーによる相次ぐ交通事故を受け、5月13日から一定の違反歴がある75歳以上の人に免許更新時の運転技能検査(実車試験)を義務化する制度が始まった。基礎的な運転能力を確認する内容で、更新期限までに合格できなければ免許が失効する。
運転免許試験場と自動車教習所が実車試験会場となるが、すでに予約が2~3カ月先まで埋まっている会場も少なくなく、当該者は更新時期の前倒しで予定に組み込まないと免許失効者続出の事態も予想される。

2月生活保護申請8.1%減 2カ月連続で前年下回る

厚生労働省のまとめによると、2月の生活保護の申請件数は全国で1万6,023件となり、前年同月比で1,405件(8.1%)減った。前年の水準を下回るのは2カ月連続。
2月に新たに生活保護の利用を始めたのは1万5,232世帯で、前年同月比では1,285世帯(7.8%)の減少。2カ月連続で前年水準を下回った。

給付型奨学金を理系・多子世帯に拡大 未来会議が提言

政府の教育未来創造会議(議長・岸田首相)は5月10日、第1次提言をまとめた。要点は低所得層(年収380万円未満)の学生向けに授業料減免と給付型奨学金を支給する制度を巡り、支援対象を広げるよう提言した。年収380万円以上の世帯でも理工農学部系の学生や、多子世帯を支援対象に加えるよう求めた。
また、在学中は授業料は払わず、卒業後に所得に応じて納付する「出世払い」方式の奨学金制度を大学院生向けに導入することも提言した。

大塚製薬 視線追跡技術用いた認知機能評価アプリ販売提携

大塚製薬(本社:東京都千代田区)とアイ・ブレインサイエンス(本社:大阪府茨木市)は4月27日、アイトラッキング(視線追跡)技術を用いた認知機能評価アプリについて、日本国内における独占販売契約を締結したと発表した。この製品は、薬事承認を取得した認知症スクリーニング検査として日本初のアプリとなる可能性があるという。

22年度からの住民税非課税世帯に10万円給付へ

日本政府は、4月中にまとめる緊急経済対策で、2022年度から新たに住民税が非課税となった世帯に現金10万円を支給する方針を固めた。コロナ禍の長期化はじめ、物価高騰で深刻な影響を受ける生活困窮者世帯の支援を強化する。与党の自民、公明両党の協議を経て、今週にも決定する見通し。
政府は2021年12月に成立した2021年度時点の住民税非課税世帯に10万円を給付する措置を決定し、今春から支給が本格的に始まっている。今回の支援策は2022年度から新たに非課税となった世帯に限る。2021年度時点の世帯は対象外となる。