75歳以上の医療費「原則2割に引き上げ」財政審が検討要請

財務相の諮問機関、財政制度等審議会は5月29日、政府の少子化対策の財源確保へ歳出改革の徹底を求める意見書をまとめた。この中で75歳以上の高齢者の医療費を巡って、窓口負担を原則2割に引き上げるよう検討すべきだと要請した。ただ、高齢者の負担増には反発も強く、議論の行方は見通せない。

深刻化する熱中症死者数1,295人を30年までに半減目標

政府は5月30日、地球温暖化で被害が深刻化する熱中症対策を強化し、2018〜2022年の平均の年間死者数1,295人を、2030年までに半減させるとの目標を掲げる「熱中症対策実行計画」を閣議決定した。
具体的には①予防のための普及啓発②福祉関連団体などを通じた高齢者ら「熱中症弱者」の見守り強化③学校やスポーツ施設へのエアコン設置支援④地方自治体はクーリングシェルター(避難所)を確保ーなどが盛り込まれている。関係する府省庁が連携して、今夏から対策を強化する。

4月 有効求人倍率1.32倍で前月と同水準, 完全失業率2.6%に改善

厚生労働省が5月30日発表した4月の有効求人倍率は1.32倍で、前月と同水準だった。求職者は0.7%、企業の求人数も0.6%それぞれ減少した。4月の新規求人数を産業別にみると、宿泊業・飲食サービス業が前年同月比で8.2%、情報通信業が7.5%それぞれ増えた。一方、建設業は9.6%、製造業は9.3%それぞれ減少した。
総務省が同日発表した4月の完全失業率は2.6%で、前月比0.2ポイント低下し、3カ月ぶりに改善した。

タスティエーラ G1 日本ダービー制す 大本命を首差退ける

競馬の第90回日本ダービー(東京優駿、G1、2400m芝、18頭出走)は5月28日、東京・府中の東京競馬場で行われ、4番人気のタスティエーラ(ダミアン・レーン騎乗)が2分25秒2で優勝した。同馬はG1初制覇で、1着賞金3億円を獲得した。D.レーン騎手は日本のクラシックレース初勝利、堀宣行調教師は2015年のドゥラメンテで制して以来、このレース2勝目。
タスティエーラは皐月賞2着で、圧倒的1番人気に支持されていた皐月賞馬、ソールオリエンスの猛追を首差しのいだ。レーン騎手の巧みなレース運びが光った。さらに首差の3着には6番人気のハーツコンチェルトが入った。

トルコ大統領選 エルドアン氏が決選投票制す 政権継続

現職エルドアン大統領(69)と野党6党の統一候補、クルチダルオール氏(74)との間で争われたトルコ大統領選の決選投票が5月28日実施され、即日開票の結果、エルドアン氏が当選した。選挙管理委員会によると、開票率99%時点でエルドアン氏の得票率が52%、クルチダルオール氏が48%だった。
これにより20年にわたりトルコを率いた政権が、今後さらに5年間続き、未曾有の大地震からの復旧・復興の”舵取り”を担うことになる。

政府「貨客混載」タクシー・ワゴン車 6月から全国で可能に

政府は6月から、タクシーや貨物用ワゴン車が本来の業務とは違う荷物や乗客も運ぶ「貨客混載」を全国で可能にする。これまで貨客混載は物流網の乏しい人口3万人未満の市町村に限られていた。
都市部で物流に携わる人手の不足や医薬品など生活必需品を迅速に運べるようにしたいとの要望に応える。トラック運転手の残業規制が強化される物流業の「2024年問題」が差し迫る同業界の課題克服策の一環。

経産省 航空燃料の1割をSAFに 石油元売りに義務化を公表

経済産業省は5月26日の官民協議会で、脱炭素社会に向け2030年に石油元売りが国際線に供給する燃料の1割をSAF(サステナブル・アビエーション・フューエル、廃食油の再生燃料)にすることを義務付ける案を正式に示した。SAFはジェット燃料と比べて二酸化炭素(CO2)の排出量を80%削減できるとされている。2023年度中にエネルギー供給構造高度化法の政令改正を目指す。

23年出生数70万人台前半か 1〜3月は5%減の18万2,400人 減少加速

日本の人口減少が、政府の推計をさらに前倒しで進みそうな数値が発表された。厚生労働省が5月26日発表した人口動態統計(外国人含む速報値)によると、2023年1〜3月の出生数は18万2,477人だった。1899年の統計開始統計開始以降初めて80万人を割り込み、衝撃を受けた2022年の同期の19万2,211人を5%下回った。
出生数は婚姻件数に2年半ほど後ずれして顕在化する。新型コロナウイルス禍で2020年、2021年と結婚が大幅に減少していることを考え合わせると、出生数は下振れする可能性が高い。
国立社会保障・人口問題研究所が4月に公表した将来推計人口で、2023年の日本人の出生数は最も実現性が高いとした中位推計で76万2,000人。しかし、専門家は1〜3月の出生数のペースが続くとこの中位推計を下回り、2023年の出生数は70万人台の前半になるとの予測も出ている。

役所広司さんにカンヌ映画祭男優賞, 坂元裕二さんに脚本賞

第76回カンヌ国際映画祭は5月27日、ヴィム・ヴェンダース監督「パーフェクト・デイズ」に主演した役所広司さんに男優賞、是枝裕和監督「怪物」の脚本を担当した坂本祐二さんに脚本賞を授与し、閉幕した。なお、最高賞のパルムドールはフランスのジュスティーヌ・トリエ監督「アナトミー・オブ・ア・フォール」が受賞した。日本人俳優の」男優賞は「誰も知らない」の柳楽優弥さん以来、19年ぶり2度目。日本人の脚本賞は「ドライブ・マイ・カー」の濱口竜介さんと大江崇充さんの受賞以来2年ぶり2度目。

Jリーグ56クラブの22年度全売上高1,304億円 コロナ前上回る

Jリーグは5月26日、3月決算の柏レイソル、湘南ベルマーレの2クラブを除くJ1からJ3までの56クラブの2022年度の経営状況を開示した。これによると全体の売上高は1,304億円だった。2019年度に比べ103%となり、新型コロナウイルス禍前の水準にまで回復した。このうち入場制限の段階的緩和により、入場料収入は2021年度と比べて148%と大幅に増えたものの、2019年度と比べると80%にとどまっている。