厚労省 海外で臓器移植受け国内で通院患者543人 5年で38人死亡

厚生労働省はこのほど、海外に渡航して臓器移植を受けた後に国内の医療機関に通院している患者が3月末時点で543人に上ることを明らかにした。このうち25人の移植には4つの仲介団体が関与していたという。ただ違法性は不明としている。また、過去5年間に海外で移植を受けた人が38人死亡。このうち移植臓器が機能不全に陥り、亡くなった人は25人だった。
臓器移植を受けた543人の渡航先は米国が227人で最も多く、中国175人、オーストラリア41人、フィリピン27人と続いている。国内外での移植後に通院している患者は計3万1,684人。

京大, 佐賀大 iPS細胞から軟骨組織作製に成功 欠損治療に光明

京都大学や佐賀大学の研究チームは、iPS細胞を使って軟骨組織を作成することに成功したと発表した。軟骨の細胞塊を接着させると数日で融合するため、将来大きく欠損した軟骨の治療につながる可能性があるという。
チームは骨や軟骨に分化する能力がある幹細胞の一種「間葉系幹細胞」をiPA細胞から作製。これに特殊な化合物を添加することなどで、段階的に軟骨組織に分化させた。マウスに移植して経過を8週間観察。軟骨としての性質を維持していたとしている。

全仏車いすテニス 17歳 小田凱人が優勝 四大大会史上最年少

テニスの全仏オープン車いすの部のシングルス決勝戦が6月10日、パリのローランギャロスで行われた。男子は第2シードの17歳、小田凱人(東海理化)が、第1シードのアルフィー・ヒューエット(英国)に6−1、6−4でストレート勝ちし、同種目で四大大会史上最年少で制覇した。この結果、主催者によると大会後の世界ランキングで現在の2位から史上最年少で1位になることが確定した。
女子は第2シードの上地結衣(三井住友銀行)が3年ぶり5度目の優勝を逃し、準優勝に終わった。第1シードのディーデ・デフロート(オランダ)に2−6、0−6で敗れた。上地は、ダブルス決勝ではコタツォ・モンジャニ(南アフリカ)と組み、デフロートとアルゼンチン選手のペアを6−2、6−3で破り、優勝した。

LGBT法案 与党案を維新・国民民主と修正合意、可決

LGBTなど性的少数者らへの理解増進法案について、与党と日本維新の会、国民民主党は6月9日、与党提出法案の修正に合意した。与党案の「性同一性」の表現を、英訳にあたる「ジェンダーアイデンティティ」に修正する。同日、衆院内閣委員会で採決し、与党、維新、国民民主などの賛成多数で修正案は可決した。

5月企業倒産34.3%増の706件 高水準続く 増加は14カ月連続

東京商工リサーチのまとめによると、5月の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は、件数が706件(前年同月比34.3%増)、負債総額は2,787億3,400万円(同218.9%増)だった。
件数が前年同月を上回るのは2022年4月から14カ月連続。増加率は2023年1月から25%を上回る高水準が続き、1〜5月累計では3,272件に上り、すでに2022年上半期(1〜6月)の3,068件を超えている。5月としては2018年以来5年ぶりの700件台。負債総額は2カ月連続で2,000億円を上回り、5月に2,000億円を超えたのは11年ぶり。産業別では建設業132件(前年同月比40.4%増)、卸売業96件(同54.8%増)、小売業73件(同52.0%増)などとなっている。なお、このほかに5月に負債額1,000万円未満の倒産も53件(前年同月44件)発生している。

トランプ前大統領 2度目の起訴 自宅に国家機密文書所持

米国フロリダ州の連邦裁判所は6月9日、トランプ前大統領に対する起訴状を公表した。トランプ氏はフロリダ州の自宅に、米国の核計画や外国への反撃作戦に関わる、最高機密数点をを含む機密文書を所持していた。同裁判所は37の罪状を挙げている。また、同氏がその機密文書を周辺に2回見せていたことも指摘している。
トランプ氏は3月、不倫相手への口止め料支払いを巡る記録改ざんなどで大統領経験者として初めて起訴されている。今回の起訴はこれに続くもの。

全仏テニス混合ダブルス 加藤未唯・プッツ組が優勝

テニスの全仏オープンで6月8日、パリのローランギャロスで混合ダブルス決勝戦が行われた。その結果、加藤未唯(ザイマックス)ティム・プッツ(ドイツ)組が、ビアンカ・アンドレースク(カナダ)マイケル・ビーナス(ニュージーランド)組を2−1で破り、優勝した。日本人選手の混合ダブルスでの優勝は、柴原瑛菜(橋本総業)がオランダ選手とのペアで制した前回に続き、2年連続となった。

年率2.7%増へ上方修正 GDP1〜3月改定値 設備投資など活発

内閣府が6月8日発表した1〜3月期の国内総生産(GDP)改定値は、物価変動の影響を除いた実質の季節調整値が前期比0.7%増、年率2.7%増だった。5月に公表した速報値(前期比0.4%増、年率1.6%増)から上方修正した。
設備投資が自動車関連を中心に活発で、速報段階の前期比0.9%増から1.4%増に上振れした。民間在庫変動はGDP全体への押し上げ効果を速報値のプラス0.1ポイントからプラス0.4ポイントに引き上げた。

政府 在留資格「特定技能2号」の11分野へ拡大を閣議決定

日本政府は6月9日、熟練した技能を有する外国人労働者が取得できる在留資格「特定技能2号」を現在の2分野から11分野へ拡大する案を閣議決定した。2号を取得すれば無期限就労が可能になるうえ、家族の帯同も認められる。今回、2号の追加が決まったのはビルクリーニング、製造業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業の9分野。
特定技能は2019年4月にスタート。在留期間が通算5年の「1号」と、在留期間の更新回数に上限がない「2号」がある。1号は12分野あり、家族の帯同は認められていない。一方、2号は家族の帯同が可能だが、これまでは「建設業」「造船」の2分野しか認められていなかった。

技能実習制度は「発展的解消」転職可能な新制度創設へ

政府は6月9日、外国人材の受け入れ・共生に関する閣僚会議で受け入れ制度の改正方針を決めた。技能実習制度は国際貢献の目的と実態が大きく異なるため「発展的に解消」し、人材確保と人材育成を両立する代替の新制度を設ける。特定技能制度に関しては、長期就労が可能な業種を拡大する。外国人労働者の門戸を広げ、働き手不足に対応する。