米ファイザー製コロナ飲み薬 承認2カ月投与約2,000人

軽症・中等症患者向けの米ファイザー製コロナ飲み薬が、日本で承認されてから2カ月経過した。新型コロナウイルス感染者の重症化を防ぐ薬として大きな期待を集めていた。ところが、日本政府は200万人分を購入したものの、投与されたのはわずか約4,000人にとどまっている。
最大の理由は、一緒に服用することが禁じられている薬が約40種類に上り、現場では使いたくても、実際に使えないケースがあるためだ。また、感染力は高いが、重症化するケースが少ないといわれるオミクロン株が流行の主体となっていることで、飲み薬の治療を受けずに快復するケースが多いことが、使用量が伸びない背景にあるという。

仏大統領にマクロン氏再選 親EU路線継続 対ロ協調も

4月24日に投開票されたフランス大統領の決選投票で、現職のマクロン氏が再任された。フランス内務省によるとマクロン氏の得票率は約59%となり、極右国民連合のルペン氏は約41%にとどまった。この結果、親欧州連合(EU)路線は継続し、対ロシア圧力で米国などとの協調も続くことになる。

シンガポールでEV普及へ官民で充電スタンド網整備加速

日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、シンガポールの都市ガス供給会社、シティ・エナジーはこのほど、マレーシアのEV(電気自動車)充電事業者、EVコネクションと提携し、国内と隣国マレーシアのEV充電スタンドを1つのスマートフォンで利用できる新しいサービスを開始すると発表した。シンガポール陸運庁(LTA)は4月中にも、公団住宅の駐車場約2,000カ所に充電スタンドを設置する入札を開始する。
LTAが実施する入札は、公団住宅の駐車場約2,000カ所に、1万2,000個の充電器を設置というもの。入札は10のパッケージに分かれ、各落札企業は2025年末までに駐車場1カ所当たりEV充電器を3~4つ設置する。落札企業は2022年末までに発表され、当該企業は2023年から充電器の設置を開始する予定。2025年までにすべての公団住宅に充電スタンドを設置して、「EV対応タウン(EV-Ready Town)」とする計画。

日本企業の3月M&A450件と1年2カ月ぶり減

M&A(合併・買収)の助言を手掛けるレコフ(所在地:東京都千代田区)のまとめによると、日本企業が関わるM&Aの件数が減少に転じた。3月は前年同月比4%減の450件となり、1年2カ月ぶりに前年同月を下回った。とりわけ海外企業の買収が減っている。
ロシアのウクライナ侵攻や為替の円安で買収を見送るケースが増えている。カーボンニュートラル実現に向け、国際的な脱炭素やデジタルトランスフォーメーション(DX)を進めるうえでM&Aの重要性は増しているが、今回の不測の事態で事業再編の流れに水を差されることになりそうだ。

脱炭素へ30年時点で年間17兆円投資必要 経産省が試算

経済産業省は4月22日、2050年のカーボンニュートラル実現に向けた官民の投資が、2030年時点で少なくとも年間17兆円必要との試算を発表した。これは現状の3倍の規模。政府のクリーンエネルギー戦略を議論する審議会で明らかにした。
主な投資の内訳は、燃焼しても二酸化炭素(CO2)が出ない水素、アンモニアの活用など電源や燃料の脱炭素化で5兆円、送電線などインフラ整備で4兆円などを見込む。民間企業に巨額投資を促す積極的な支援策が欠かせない。

iPS細胞から作製の組織移植で腰痛治療に期待

京都大学iPS細胞研究所や大阪大学のグループは4月20日、iPS細胞から作製した軟骨の組織を移植して、ラットの尾の付け根部分にある椎間板の機能が再生され、正常に保つことができたと発表した。グループは今後、より大きな動物で研究を進め、2、3年後をめどにヒトに移植する臨床研究を目指したいとしている。
背骨にある椎間板の中には「髄核」と呼ばれる組織があり、この組織が傷ついたり、失われたりする「椎間板変性」は、日本人の腰痛の主な原因の1つとされている。グループは髄核の細胞が、軟骨の細胞と遺伝的に似た特徴を持つことを突き止め、尾の付け根部分にある椎間板から髄核を取り除いたラットにiPS細胞から作製した軟骨の組織を移植して半年後の状態を調べた。
その結果、椎間板の変性は起こらず、本来の機能が再生され、正常な機能を保つことができていたという。一方、髄核を取り除いたままのラットは椎間板の組織が壊れ、椎間板変性の状態になったとしている。

22年度からの住民税非課税世帯に10万円給付へ

日本政府は、4月中にまとめる緊急経済対策で、2022年度から新たに住民税が非課税となった世帯に現金10万円を支給する方針を固めた。コロナ禍の長期化はじめ、物価高騰で深刻な影響を受ける生活困窮者世帯の支援を強化する。与党の自民、公明両党の協議を経て、今週にも決定する見通し。
政府は2021年12月に成立した2021年度時点の住民税非課税世帯に10万円を給付する措置を決定し、今春から支給が本格的に始まっている。今回の支援策は2022年度から新たに非課税となった世帯に限る。2021年度時点の世帯は対象外となる。

21年度関西の輸出額は過去最高 4年ぶりプラスに

大阪税関によると、2021年度の関西2府4県からの輸出額は前年度比22.5%増の19兆2,384億円となり、4年ぶりにプラスに転じた。また、輸出額はこれまでの最多だった2017年度(16兆9,294億円)を大きく上回り、比較可能な1979年度以降で最高となった。
一方、輸入額も前年度比25%増の16兆5,744億円となり、原油や天然ガス価格が上昇したことから過去最高となった。
日本全国では、貿易収支は2年ぶりの赤字となっているが、関西では半導体などの電子部品輸出の伸びが寄与し、7年連続の黒字となった。

京都市京セラ美術館で「ポンペイ展」出土120点展示

京都市左京区の「京都市京セラ美術館」で、およそ2,000年前の火山の大噴火で埋もれた、イタリア南部・ナポリ近郊の古代都市の遺跡、ポンペイの美術品などを紹介する展示会が開かれている。
同展にはナポリ国立考古学博物館に所蔵されている遺跡の出土品などおよそ120点が展示される。このうち「踊るファウヌス」は、高さおよそ70cmの彫刻で体を強くねじる構図に当時の美術の特徴が表れている。また、直径20cmほどの「炭化したパン」は、ポンペイの街から見つかったとされていて、当時の生活を感じさせる。このほか、モザイク画の世界的な傑作とされる「アレクサンドロス大王のモザイク」をレプリカや映像で見ることができる。

日ロサケ・マス漁業交渉妥結 漁業協力金引き下げ

水産庁は4月23日、オンライン形式で進められていた、北海道沖でのサケとマスの漁獲量などを決める日本とロシアの漁業交渉が妥結したと発表した。日本の漁業者がロシア側に支払う協力金の見込み額は2億~3億13万円に決まり、2021年より6,000万円引き下げられた。漁獲可能量の上限は2021年と同様の2,050トンに決まった。2021年の漁獲実績600トンで、実際に支払ったのは2億6,000万円だった。