9月の有効求人倍率1.16倍に上昇 完全失業率2.8%で横ばい

厚生労働省が10月29日発表した9月の有効求人倍率(季節調整値)は1.16倍となり、前月を0.02ポイント上回った。上昇は2カ月ぶり。一方、総務省が同日発表した9月の完全失業率(季節調整値)は2.8%で前月から横ばいだった。
新規求人(原数値)は前年同月比6.6%増加した。産業別では製造業が32.4%増、建設業が5.7%増だった。これに対し、コロナ禍で時短営業などを強いられた宿泊・飲食サービス業は37.3%減だった。ただ、8月と比べると改善している。
完全失業者数(原数値)は192万人で、前年同月比18万人減少した。減少は3カ月連続となる。就業者数は前年同月比10万人減の6,679万人で、6カ月ぶりに減少した。宿泊・飲食サービス業で34万人減少したほか、生活関連サービス・娯楽業で27万人減少し、それぞれ大きな落ち込みとなった。

抗体カクテル療法 予防目的の投与認めるか 厚労省11/4判断

厚生労働省は10月28日、新型コロナウイルスの軽症患者などを対象とした「抗体カクテル療法」について、感染と発症を予防する目的で投与することなども認めるか、11月4日に専門部会を開いて承認するかどうか判断することを決めた。
厚労省によると、10月20日までに2種類の抗体を同時に点滴で投与する抗体カクテル療法で、全国で合わせておよそ3万6,000人が投与を受けたとみられる。日本で販売権を持つ中外製薬は、感染と発症を予防するための投与や、無症状の患者への投与も新たに認めるよう申請している。

東工大とJST プラスチックを肥料に変換するリサイクルS開発

東京工業大学、科学技術振興機構(JST)の研究グループは10月28日、植物を原料としたプラスチックをアンモニア水で分解し、肥料となる尿素に変換するリサイクルシステムを開発したと発表した。また、リサイクルシステムで生成した尿素が植物の成長促進につながることを実証した。これにより、プラスチックの廃棄問題と人口増加に伴う食糧問題の同時解決も期待される。

精神疾患発症30~40歳の働き盛り半数超21年版「過労死白書」

日本政府は10月26日、過労死・過労自殺の現状や、国が進める防止対策をまとめた2021年版「過労死等防止対策白書」を閣議決定した。過労死や長時間労働が懸念される業種のうち「自動車運転従事者」「外食産業」の2分野を実態調査。
白書によると、2012~2017年度の6年間に、うつ病などの精神疾患で労災認定された過労自殺者497人(男性479人、女性18人)のうち半数が精神疾患発症から6日以内に死亡していたことが分かった。自殺前に「仕事内容、仕事量の大きな変化」があったケースが177件、次いで「2週間以上の連続勤務」が109件、「上司とのトラブル」が92件、「いじめ、暴行」が60件。労働時間についてみると、「恒常的な長時間労働」が201件で、1カ月間の残業が160時間以上の「極度の長時間労働」が88件に上っている。
発症時の年齢は、40歳代が最多の163人、30歳代129人、働き盛りの世代が半数超を占めており、全体の6割超にあたる318人が精神科など疾患に関する医療機関を受診しておらず、とくに「極度の長時間労働」だった自殺者88人は、4分の3にあたる67人が受診していなかった。

中国製コロナワクチン輸出 1~9月累計で100億ドル突破

日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、中国製の新型コロナウイルスワクチンの2021年1~9月輸出額は前年同期比146倍の116億7,189万ドルだった。9月単月でも前月比13.3%増の22億1,565万ドルに上り、中国のワクチン輸出は増加基調が続いている。
1~9月の輸出額を仕向け先・地域別にみると、アジアや中南米の国・地域が上位を占めている。最も多いのはインドネシアで13億9,769万ドル(構成比12.0%)。以下、ブラジル(同8.0%)、パキスタン(同7.7%)と続いた。

オリックス 25年ぶりリーグ制覇 近鉄と合併後初

プロ野球パ・リーグで2年連続で最下位だったオリックスが、25年ぶり13度目(前身の阪急時代を含む)の優勝を決めた。ロッテが楽天に敗れたため、2004年の球界再編で近鉄と合併してからは初のリーグ制覇となった。これでセ゚・パともに前年最下位からのダブルVという史上初の快挙となった。
オリックスは21世紀になってから、Aクラスに入ったのは2008年と2014年のわずか2度。”負け癖”が染みついていたチームが、山本、吉田正、杉本らの投打の軸を中心に”生え抜き”の大活躍で蘇った。

北京冬季五輪の輸送用FCV「ミライ」140台 大連港に到着

中国・大連税関によると、2022年2月に開催予定の北京冬季オリンピック・パラリンピック期間中、観客・スタッフの輸送用車両として使用される予定の燃料電池車(FCV)、トヨタ自動車の「ミライ」(5人乗りモデル)140台が大連港にこのほど到着した。中国がFCVを輸入するのは今回が初めて。
中国メディアによると、北京市は冬季五輪に向け延慶会場などにおいてFCVを計212台投入することを計画している。また、冬季五輪のもう一つの開催地である河北省張家口市も、会期中にバス、乗用車、トラックなどを計2,000台の
FCVを導入する予定。

30年削減目標達成でも21世紀末までに平均2.7度上昇 国連

国連環境計画」(UNEP)は10月26日、各国衙2030年に向けて掲げている温室効果ガスの削減目標を達成したとしても、世界の平均気温は21世紀末までに少なくとも2.7度上昇するとの見通しを発表した。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い社会経済活動が抑制された結果、2020年は世界の二酸化炭素(CO2)の排出量は前年に比べ5.4%減った一方、メタン、窒素などを含む温室効果ガス全体の排出量の減少は限定的だったという。
各国で経済活動が再開されていることで、2021年のCO2排出量は前年に比べ4.8%増え、温室効果ガス全体の排出量は、これまで最も多かった2019年よりもやや低い水準になる見通しだとしている。

ヤクルト 6年ぶり8度目リーグ制覇 2年連続最下位から歓喜

最終盤まで大接戦が続いたプロ野球公式戦で、ヤクルトが10月26日、2015年以来6年ぶりにセ・リーグを制した。優勝マジック「2」として迎えたDeNA戦で5-1で勝利。その後、2位・阪神が0-4で中日に敗れ、8度目の優勝が決まった。就任2年目の高津臣吾監督は、データに基づく柔軟かつ大胆な采配で2年連続最下位のチームを頂点に引き上げた。