日銀が5月27日発表した2021年3月期決算で、総資産が前期比18.2%増の714兆5,566億円と700兆の大台を突破した。大量の国債買い入れと、新型コロナウイルスで打撃を受けた企業の資金繰り支援のための資金供給が押し上げた。この8年間で4倍以上に膨らんだ。資産の主な内訳は国債が9.5%増の532兆1,652億円、貸出金は2.3倍の125兆8,402億円だった。総資産の714兆円は、20年度の名目国内総生産(GDP)535兆円の約1.3倍にあたる規模。
4月有効求人倍率2カ月ぶり悪化 失業率2.8%で6カ月ぶり悪化
厚生労働省は5月28日発表した4月の有効求人倍率(季節調整値)は、前月比0.01ポイント低下の1.09倍だった。コロナによる就労環境の悪化が長期化し、休業者や転職希望者が求職活動を活発化させたためとみられ、2カ月ぶり悪化した。
総務省が同日発表した4月の完全失業率(季節調整値)は、前月比0.2ポイント上昇の2.8%で、2020年10月以来、6カ月ぶり悪化した。完全失業者数は、前年同月比20万人増の209万人。コロナ禍以前の有効求人倍率は、2019年4月は1.62倍、2020年4月は1.30倍だった。
米ファイザー社製ワクチン 12歳以上に拡大を了承 厚労省
厚生労働省の専門部会は5月28日、国内で16歳以上への接種が可能な米ファイザー社製の新型コロナウイルスワクチンについて、12~15歳にも拡大することを了承した。31日に開かれる別の審議会で了承されれば、12歳以上が公費による予防接種の対象に含まれる。また、専門部会は、ワクチンの解凍後の冷蔵保存期間を「5日間」から「1カ月」に延ばすことも了承した。これにより、保存や輸送がより容易となることで、小規模な診療所での個別接種を普及させるほか、期限切れで廃棄されるワクチンを減らす狙いがある。
マレーシアの人口当たりのコロナ新規感染急拡大でインド超え
マレーシアで人口当たりの新型コロナウイルスの新規感染者数が急拡大し、インドを上回る事態となっている。変異株の流入や規制疲れなど要因は複合的。人口が日本の4分の1程度のマレーシアで1日7,000人以上の新規感染確認が続いている。人口100万人当たりの新規感染者数(7日間平均)は5月26日時点で、マレーシアが211人、インドが165人となっている。
中国広東省広州市でインド型変異株の市中感染を初確認
中国広東省広州市で5月21日以降、インド型変異株を含む新型コロナウイルスへの感染者が新たに7人確認された。中国でインド型変異株の市中感染が確認されたのは初めて。これを受け、地元当局は26日夜から住民120万人のPCR検査を始めており、48時間以内に検体の採取を完了する予定。
9都道府県の緊急事態 5県のまん延防止措置 6/20まで延長
日本政府は5月28日、新型コロナウイルス感染症対策本部を開き、東京など9都道府県に発令中の緊急事態宣言と、埼玉県など5県に適用中の「まん延防止等重点措置」の期限をそれぞれ6月20日まで延長することを決めた。
宣言の延長対象は4月25日に発令された東京、京都、大阪、兵庫、5月12日に発令された愛知と福岡、16日に発令された北海道、岡山、広島の計9都道府県。これまでの期限は31日だった。23日に発令された沖縄県は当初から6月20日を期限としている。
38都道府県で21年産コメ作付面積減少へ コロナ禍で外食需要減
農林水産省は5月27日、2021年産の主食用米の作付面積について、4月末時点で38都道府県が前年実績から減らす意向だとする調査結果を公表し。1月末時点の前回調査の19府県から大幅に拡大した。前年並みとしたのは9県だった。新型コロナウイルスの影響で、外食需要が落ち込む中、増やすと回答した県はなかった。
作付面積を減らす38都道府県のうち、減少幅を「1~3%程度」としたのは宮城や茨城など28都府県、「3~5%程度」は北海道や秋田、新潟など8道県、「5%超」としたのは栃木と徳島の2県。
農水省は全国の主食用米の作付面積が約3万7,000ha減ると試算。ただ需要と供給のバランスを図るには全国で5%にあたる、過去最大規模の6万7,000haの作付け転換が必要とみている。
アマゾン 映画大手MGM買収「アマゾン・プライム」会員拡大へ
米アマゾン・コムは5月26日、米ハリウッドの映画製作大手MGMホールディングスを約84億5,000万ドル(約9,200億円)で買収することで合意したと発表した。有料会員サービス「アマゾン・プライム」のオンライン動画配信サービスの品揃えを拡充し、会員拡大を目指す。
アマゾンプライムは世界約2億人の会員を抱え、このうち9割が動画配信サービスを利用する。MGM買収で動画コンテンツを拡充し、有料会員を確保することで、中核事業であるオンライン通販市場「アマゾン・マーケットプレイス」の利用増につなげる相乗効果を狙う。
MGMは1942年設立の映画製作の老舗。「007」シリーズや「ロッキー」「荒野の7人」など、映画約4,000本とテレビ番組約1万7,000本の著作権を保有している。
香港民主派排除の条例案 立法会で可決 立候補は「愛国者」のみに
香港の立法会(議会)は5月27日、民主派勢力を香港政治から実質的に排除する選挙制度改革の条例案を、賛成多数で可決した。中国共産党が主導して制度化したもので、これにより今後、当局側が認める「愛国者」でなければ立候補もできなくなった。香港政治の中国本土化がさらに進んだ。
採決の結果は賛成40、反対2。だが、もともと議席は70あった。しかし、民主派議員の大半は2020年秋の一斉辞職し、この日の議場は議長席に向かって右側の半分近くは空席だった。
ミャンマー 20年度上半期の外国直接投資認可額54%減少
ミャンマー投資企業管理局のまとめによると、2020年度上半期(2020年10月~2021年3月)の外国直接投資認可額(ティラワ経済特区を除く)は12億5,661万ドルで、前年同期比54.0%減少した。業種別にみると、工業団地が2,821万ドル(前年同期比約3倍)、その他サービスが約1億366万ドル(同57.9%増)、ホテル・観光が8,100万ドル(同2.4倍)、農業が999万ドル(前年同期は認可なし)の4業種で認可額が増えたが、その他8業種は前年同期比減もしくは認可がなかった。
認可案件のある国は14カ国だが、前年同期比で認可額が増えたのは日本とマーシャル諸島の2カ国のみで、他の12カ国は2ケタ以上の減少幅で、認可額が縮小している。日本の投資認可額は前年同期比で約7.3倍の5億1,876万ドルで、このうち電力事業(5億1,512万ドル規模)が含まれている。