政府は3月19日、日本や中国、ASEAN(東南アジア諸国連合)など15カ国が署名したRCEP(地域的包括的経済連携)協定の発効に伴う経済効果について、実質国内総生産(GDP)を約2.7%押し上げるとの分析を発表した。
2019年度の実質GDP水準で換算すると、約15兆円に相当。雇用は19年の就業者数をもとに、約57万人増えると見込んだ。
ASEAN主要6カ国の20年外客・旅行者数7~8割減少
日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、ASEAN主要6カ国の2020年の外国人入国・旅行者数は、前年比で軒並み7~8割台の大幅な減少となった。最も減少幅が大きかったのはシンガポールの85.7%で、以下、フィリピン84.0%、マレーシア83.4%、タイ83.2%それぞれ減少した。これは各国政府が新型コロナウイルス対策として2020年3~4月に導入した入国制限や国内感染対策として実施した活動・外出制限などの影響によるもの。
こうした外国人入国・旅行者数の大幅な落ち込みにより、各国とも観光収入が大幅に減少し、観光関連産業における雇用などにも悪影響を及ぼしている。例えばマレーシア政府観光局の発表によると、同国では2020年の外国人観光収入は前年比85.3%減の126億9,000万リンギ(約3,426億円)にとどまっている。
日本 4都県の緊急事態宣言3/21までで解除を決定
日本政府は3月18日、新型コロナウイルス感染症の対策本部会合を開き、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の首都圏4都県に発令されている緊急事態宣言を期限の21日までで解除すると決定した。
新規感染者数が増加傾向にある中だけに、感染再拡大(リバウンド)を防ぐ観点から、変異株の検査体制などを強化する。4都県は3月中は飲食店などに対し、午後9時までの営業時間短縮を要請し、1日4万円を支給する。
EU 新疆ウイグル自治区での深刻な人権侵害で中国に制裁
欧州連合(EU)加盟国は、中国の新疆ウイグル自治区での深刻な人権侵害に関与したとして、中国当局4人と1団体に対し、EU渡航禁止と資産凍結の制裁を科すことで合意した。
欧州メディアによると、中国をめぐる制裁はEUの前身機構による1989年の「天安門事件」を受けた武器禁輸以来初めて。3月22日のEU外相理事会で正式承認の見通し。
大阪府内で初 変異ウイルス感染者が死亡 感染者は124人に
大阪府によると、英国型の変異ウイルスの感染者が初めて死亡したことが分かった。2月4日に亡くなった80代の女性で、死亡後の検査で判明したという。
大阪府内で3月17日までに確認された変異ウイルスの感染者は124人。国内では16日に神奈川県で死亡例が発表されている。
ミャンマー・ヤンゴン市内6つの郡にSACが戒厳令発令
日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、ミャンマー国家統治評議会(SAC)は3月14日および15日、ヤンゴン市内の6つの郡に対して戒厳令を発令し、憲法419条に沿って、行政権および司法権をヤンゴン軍管区司令官に委譲すると発表した。
ミャンマー国営イメディアによると、戒厳令が出されたのはヤンゴン市内のラインタヤー郡、シュエピタ郡、新ダゴン北郡、新ダゴン南郡、新ダゴンセイッカン郡、北オカラッパ郡の6郡。いずれもヤンゴン郊外で、工業団地が多く立地するエリア。
低所得子育て世帯へ子ども1人5万円の現金給付決定 政府
政府は3月16日、関係閣僚会議で住民税が非課税の所得の少ない子育て世帯に対し、子ども1人あたり5万円の給付金を新たに支給することを決めた。
このほか、孤独や孤立している人を支える活動をしているNPO法人への支援の強化などのため、およそ60億円の予算措置を講じるほか、収入が減少した人が生活費を借りることができる「緊急小口資金」と「総合支援資金」について、3月末の申請期限を6月末まで延長する。
菅首相は、これらの対策については5,000億円を超える予備費の追加を来週までに行うとしている。
20年自殺者2万1,081人で11年ぶり増加 女性は2年ぶり増加
厚生労働省が3月16日発表した国内の2020年自殺者数(確定値)は、前年比912人増の2万1,081人だった。リーマン・ショック直後の2009年以来、11年ぶりに増加に転じた。新型コロナウイルスの感染拡大による家庭環境や学校など教育環境の変化などが影響したとみられる。
性別では男性が1万4,055人(前年比23人減)で11年連続減少したが、女性は7,026人(同935人増)と2年ぶりに増加した。
警察庁の自殺統計を厚生労働省がまとめた。年間自殺者数は1997年までは2万人台で推移し、1998年以降は14年連続で3万人超が続いた。2003年には最多の3万4,427人に達したが、2012年以降は3万人を下回っている。
「冬虫夏草」は新種 クチキゴキブリに寄生して成長 琉球大
琉球大などの研究チームは、南西諸島などの森林にすむクチキゴキブリに寄生してキノコを生やす「冬虫夏草(とうちゅうかそう)」が新種であることを確認したと、国際菌学連合の学術連合の学術誌に発表した。ゴキブリに寄生する冬虫夏草の確認は国内初。世界でも3種目という。
研究チームによると、沖縄県国頭村(くにがみそん)や鹿児島県屋久島町、宮崎県延岡市の野外調査で、森林の朽ち木に住むクチキゴキブリの仲間「タイワンクチキゴキブリ」と「エサキクチキゴキブリ」から、それぞれキノコが発生しているのを見つけた。DNA配列の解析などの結果、それぞれから見つかった菌が同一の新種であると確認された。
冬虫夏草は「子(し)のう菌」の仲間で、昆虫などに寄生する菌類の総称。宿主に感染して、体内で増殖してキノコに成長し、胞子を放出して別の宿主に感染する。世界で数百種以上が知られ、漢方薬として使われる種もある。
値札が変わる!4/1からの税込み表示義務化で 頭抱える小売店
消費税の税率アップから1年半となる4月1日から、税込み価格での表示が義務付けられる。これに合わせ、多くの小売店が値札を変える。この変更に合わせ、値上げや値下げの動きも予想される。消費者の反応を考慮し、あるいは配慮し、総額表示による値上げ感をどう和らげるか?小売店はいま頭を抱えている。