マレーシアで人口当たりの新型コロナウイルスの新規感染者数が急拡大し、インドを上回る事態となっている。変異株の流入や規制疲れなど要因は複合的。人口が日本の4分の1程度のマレーシアで1日7,000人以上の新規感染確認が続いている。人口100万人当たりの新規感染者数(7日間平均)は5月26日時点で、マレーシアが211人、インドが165人となっている。
中国広東省広州市でインド型変異株の市中感染を初確認
中国広東省広州市で5月21日以降、インド型変異株を含む新型コロナウイルスへの感染者が新たに7人確認された。中国でインド型変異株の市中感染が確認されたのは初めて。これを受け、地元当局は26日夜から住民120万人のPCR検査を始めており、48時間以内に検体の採取を完了する予定。
9都道府県の緊急事態 5県のまん延防止措置 6/20まで延長
日本政府は5月28日、新型コロナウイルス感染症対策本部を開き、東京など9都道府県に発令中の緊急事態宣言と、埼玉県など5県に適用中の「まん延防止等重点措置」の期限をそれぞれ6月20日まで延長することを決めた。
宣言の延長対象は4月25日に発令された東京、京都、大阪、兵庫、5月12日に発令された愛知と福岡、16日に発令された北海道、岡山、広島の計9都道府県。これまでの期限は31日だった。23日に発令された沖縄県は当初から6月20日を期限としている。
38都道府県で21年産コメ作付面積減少へ コロナ禍で外食需要減
農林水産省は5月27日、2021年産の主食用米の作付面積について、4月末時点で38都道府県が前年実績から減らす意向だとする調査結果を公表し。1月末時点の前回調査の19府県から大幅に拡大した。前年並みとしたのは9県だった。新型コロナウイルスの影響で、外食需要が落ち込む中、増やすと回答した県はなかった。
作付面積を減らす38都道府県のうち、減少幅を「1~3%程度」としたのは宮城や茨城など28都府県、「3~5%程度」は北海道や秋田、新潟など8道県、「5%超」としたのは栃木と徳島の2県。
農水省は全国の主食用米の作付面積が約3万7,000ha減ると試算。ただ需要と供給のバランスを図るには全国で5%にあたる、過去最大規模の6万7,000haの作付け転換が必要とみている。
アマゾン 映画大手MGM買収「アマゾン・プライム」会員拡大へ
米アマゾン・コムは5月26日、米ハリウッドの映画製作大手MGMホールディングスを約84億5,000万ドル(約9,200億円)で買収することで合意したと発表した。有料会員サービス「アマゾン・プライム」のオンライン動画配信サービスの品揃えを拡充し、会員拡大を目指す。
アマゾンプライムは世界約2億人の会員を抱え、このうち9割が動画配信サービスを利用する。MGM買収で動画コンテンツを拡充し、有料会員を確保することで、中核事業であるオンライン通販市場「アマゾン・マーケットプレイス」の利用増につなげる相乗効果を狙う。
MGMは1942年設立の映画製作の老舗。「007」シリーズや「ロッキー」「荒野の7人」など、映画約4,000本とテレビ番組約1万7,000本の著作権を保有している。
香港民主派排除の条例案 立法会で可決 立候補は「愛国者」のみに
香港の立法会(議会)は5月27日、民主派勢力を香港政治から実質的に排除する選挙制度改革の条例案を、賛成多数で可決した。中国共産党が主導して制度化したもので、これにより今後、当局側が認める「愛国者」でなければ立候補もできなくなった。香港政治の中国本土化がさらに進んだ。
採決の結果は賛成40、反対2。だが、もともと議席は70あった。しかし、民主派議員の大半は2020年秋の一斉辞職し、この日の議場は議長席に向かって右側の半分近くは空席だった。
ミャンマー 20年度上半期の外国直接投資認可額54%減少
ミャンマー投資企業管理局のまとめによると、2020年度上半期(2020年10月~2021年3月)の外国直接投資認可額(ティラワ経済特区を除く)は12億5,661万ドルで、前年同期比54.0%減少した。業種別にみると、工業団地が2,821万ドル(前年同期比約3倍)、その他サービスが約1億366万ドル(同57.9%増)、ホテル・観光が8,100万ドル(同2.4倍)、農業が999万ドル(前年同期は認可なし)の4業種で認可額が増えたが、その他8業種は前年同期比減もしくは認可がなかった。
認可案件のある国は14カ国だが、前年同期比で認可額が増えたのは日本とマーシャル諸島の2カ国のみで、他の12カ国は2ケタ以上の減少幅で、認可額が縮小している。日本の投資認可額は前年同期比で約7.3倍の5億1,876万ドルで、このうち電力事業(5億1,512万ドル規模)が含まれている。
こども庁の創設「検討」”こどもまんなか”省庁横断で政策推進
自民党の「『こども・若者』輝く未来創造本部」(二階俊博本部長)が、6月の経済財政運営の指針「骨太の方針」に反映させるためにまとめた緊急決議の原案が5月27日、判明した。焦点となる「こども庁」について、子どもに関する政策を省庁横断で推進するため、新たな行政組織として「こども庁」の創設と担当閣僚の設置を検討するよう求めている。
原案では、児童生徒の自殺者増やいじめ問題の深刻化などを捉え、「こども・若者を取り巻く状況は深刻さを増している」と指摘。子どもの視点で政策を作る「こどもまんなか」の考え方を打ち出している。
20年の妊娠届4.8%減の計87万2,227件 コロナ禍で最少更新
厚生労働省のまとめによると、全国の自治体が2020年の1年間に受理した妊娠届の件数は前年比4.8%減の計87万2,227件で、過去最少を更新した。新型コロナウイルスの感染拡大による出産や子育てへの不安から、「妊娠控え」が起きたとみられる。
この数値は、2020年後半から2021年にかけての出生数に反映されるため、2021年の出生数が80万人を割り込む可能性がある。コロナ前から出生数の減少傾向は続いてきているが、コロナ禍で子育てのハードルが一段と高まった感があり、さらに少子化が加速する。
温室効果ガス削減目標を初明記 50年実質ゼロ 改正温対法成立
2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする目標が盛り込まれた改正地球温暖化対策推進法(温対法)が5月26日、参院本会議で全会一致で可決、成立した。日本で削減目標が法律に明記されるのは初めて。政権交代などによる目標の後退を難しくし、政策の継続性を高めるのが狙い。
改正法では、基本理念として「2050年までの脱炭素社会の実現」を明記。これまでは排出削減の長期目標を「2050年までに2013年度比80%減」と記載していたものの、温対法の条文自体には目標記載がなかった。菅首相が2020年10月、「2050年排出実質ゼロ」を宣言したことを踏まえ、国として新たな目標を達成する姿勢を法律で明確化した。