厚生労働省は6月23日、仕事が原因でうつ病などの精神障害を患い、2020年度に労災認定されたのは前年度比99件増の608件だったと発表した。1983年度の統計開始以降、2年連続で最多を更新した。原因別では昨年、認定基準項目に追加された「パワーハラスメント」が99件で最も多かった。自殺(未遂含む)の認定は前年度比7人減の81人。
申請は2051件で過去2番目の多さ。うち女性は999件、48.7%を占め、5年前に比べ約10ポイント増えた。
東京都「感染再拡大の予兆」専門家は危機感
東京五輪開幕まで1カ月を切った中、東京都内で新規感染者の増加傾向が続いている。6月23日に5月28日以来の600人台を記録。都は24日、感染状況を分析するモニタリング会議を開催。専門家からは「感染再拡大(リバウンド)の予兆がみられる」との懸念が示された。
また、会議では都内感染者のうち、インドで最初に確認された「デルタ株」が約8%を占め、前週の約3%から上昇したことも報告された。このまま感染力が1.9倍ともいわれる変異株が増え続けると、「五輪開催期間中に急激な感染拡大・爆発の可能性がある」と危機感を示している。
警察庁に「サイバー直轄隊」22年中にも新設
警察庁は6月24日、重大なサイバー攻撃などの捜査にあたる専門部隊「サイバー直轄隊(仮称)」を2022年にも新設する構想を明らかにした。逮捕などの執行事務は都道府県警が一元的に担ってきており、警察庁が全国の事件を捜査する組織を持つのは初めて。戦後、自治体警察を基本方針に掲げ、1954年に現行の警察組織になって以来の大きな制度変更となる。
また、同庁内で生活安全と警備の両局に分かれているサイバー担当をまとめ、2022年4月1日にも「サイバー局」を新設する。
ウガンダ選手団2人目の陽性 濃厚接触者から
大阪府泉佐野市は6月23日、東京オリンピックの事前合宿のため同市に滞在中のウガンダ選手団から、新たに20代の1人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。今回で2人目。
府泉佐野保健所は22日、成田空港検疫で陽性だった1人を除く9人を濃厚接触者と判定。連日検査をした上で、7月3日までは宿舎に待機し、練習を控えるよう求めている。国と自治体の連携に”ほころび”が出て、後手に回った濃厚接触者の判定だけに、引き続きさらに陽性者が出ることが懸念される。
夫婦同姓 最高裁が再び合憲の判断,違憲は4人
夫婦別姓を認めない民法と戸籍法の規定が憲法に違反するかどうかが問われた3件の家事審判の特別抗告審で、最高裁大法廷は6月23日、両規定を「合憲」とする決定を出した。合憲判断は、2015年の判決に続いて2回目。大法廷は2015年以降の社会状況や国民意識の変化を踏まえても、判断を変更すべきものとは認められないとした。裁判官15人のうち11人の多数意見。
今回の決定は2015年の判決を踏襲し、新たな考え方は示さなかった。夫婦のどちらかが姓を変えなければならないのは、人権に関わる問題だ。にもかかわらず、最高裁は正面から憲法判断することを避けた。まさに、時代に背を向けた最高裁で、「憲法の番人」としての役割を放棄したに等しいと言わざるを得ない。
「りんご日報」最後は100万部 通常の10倍以上
香港国家安全維持法違反罪に問われ、事実上廃刊に追い込まれた民主派の香港紙「りんご日報」の、最後の6月24日付朝刊の発行部数は100万部だった。同紙によると、通常の10倍以上の発行部数で1995年の創刊以来、記録的な数字となった。
「港人雨中痛別(香港人の雨の中の別れ)」。新聞の1面には、この大きな見出しが躍った。香港の報道の自由を体現する新聞として存在した同紙は、良識ある数多くの香港人に惜しまれつつ、およそ四半世紀の歴史にいま幕を閉じた。
サッカーミャンマー代表選手が難民認定申請
サッカーのミャンマー代表のピエ・リアン・アウンさんが6月22日、大阪市住之江区の大阪出入国在留管理局に難民認定を申請した。同行した代理人の空野佳弘弁護士によると、申請は受理され出入国在留管理局の担当者ができるだけ早い時期にアウンさんへの面接を行うという。
また、本国では軍による市民への弾圧が続いていることから、日本での在留を希望するミャンマー人のために5月、日本政府が新たに設けた特別措置による就労を認める在留資格の変更についても併せて申請をしたという。
中国で時速1,000㌔超で走行するリニア実験線建設開始
中国山西省で時速1,000㌔以上で走行する超高速リニアモーターカー「高速飛車」の実験線の建設が始まった。気圧が低い低真空チューブの中を超電導磁気浮上で飛行する仕組みで理論上は時速4,000㌔も実現可能という。
習近平指導部は安全面も含め世界最高水準の交通インフラを整えた「鉄道強国」を目指しており、北京や上海など大都市間を結ぶ長距離リニアモーターカー整備構想も浮上している。
5月下旬から山西省大同市に実物大の実験線(全長2km)を建設。2025年まで実験を重ね5km、15kmと延伸する計画という。
京大 有人宇宙学研究センター 人類の宇宙生活見据え
京都大学は6月22日、将来人類が宇宙で生活することを見据えて、惑星への移住に必要な技術を研究する「有人宇宙学研究センター」を設立したと発表した。同センターは、京都大学大学院の総合生存学館が中心になって立ち上げ、宇宙飛行士で京都大学特定教授の土井隆雄さんや、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の研究者など9人がメンバーとなっている。
同日、設立の会見で、土井さんは①火星への移住を想定して大気の多くが二酸化炭素(CO2)で、気圧が地球の100分の1しかない火星に近い環境で樹木を育てること②宇宙環境に配慮し、木材を用いた人工衛星の開発を行うことなどを紹介した。
同センターでは①惑星で暮らすことを想定した居住空間のデザイン②宇宙放射線による被ばくリスクやその低減-など5つの分野において研究を進めるとしている。
21年度最低賃金中央審議議論開始 交渉難航か
厚生労働相の諮問機関「中央最低賃金審議会」は6月22日、2021年度の最低賃金の目安を決める議論を始めた。7月中に決定する。
近年は政府が介入し大幅に引き上げる動きが続いたが、2020年度は新型コロナによる企業業績の悪化を受け、全国加重平均で902円と前年度から1円の引き上げにとどまった。いぜんとして新型コロナが一部産業に色濃くダメージを与える状況下、経営者側は最低賃金の据え置きを求めており、審議は難航が予想される。