大阪大 唾液使い5分でウイルスの有無確認 新検査法

大阪大学の研究グループは6月26日、唾液を使って新型コロナウイルスの有無を5分間で確かめることができる新たな検査方法を開発したと発表した。
新たな検査方法は「ナノポア」と呼ばれる非常に小さな穴が開いた薄い半導体を使用。穴の直径は1万分の3ミリほどで、ウイルスが通り抜けることができるサイズ。この半導体に電圧をかけてウイルスが含まれる液体を浸すと、ウイルスが穴を通過する際に電流の波形がわずかに変化する。変化した波形を、あらかじめ調べておいた新型コロナウイルスが通過したときの波形と比べることで判断する仕組み。
この方法を使って唾液でテストしたところ、5分間の計測で90%の感度で判定できたという。従来のPCR検査よりも短時間で、抗原検査よりも高い精度で検査できる新たな方法になるとし、今後実用化を目指すとしている。ただ、変異ウイルスの種類を特定することはできないという。

中国で出土の頭骨は約15万年前の絶滅人類

中国科学院や大英自然史博物館などの研究チームは、中国東北部(旧満州ハルビン)の工事現場で見つかった頭骨の化石が、約15万年前の絶滅人類だとする研究成果を発表した。
現生人類(ホモ・サピエンス)に近縁の「旧人」とみられ、2010年に古代DNAの分析から発見された謎の絶滅人類、デニソワ人である可能性もあるという。研究チームは頭骨の主を「ドラゴンマン」と名付けた。推定される脳のサイズは現代人並みで、臼歯はシベリアで見つかったデニソワ人の歯と同じ大きさだった。

東京都内新型コロナ感染者は20~30代が過半数

東京都公表のデータによると、都内の新型コロナウイルス感染者のうち20~30代の割合が6月に入って過半数となっていることが分かった。
月別で20~30代が半数を超えるのは2020年8月以来。60代は減少傾向で、活動的な若年層への感染が顕著な状況。重症化しやすい高齢者に感染を広げる可能性が指摘される中、ワクチンの集団接種で若者を優先する自治体も出てきている。
感染者を月ごとに年代別でみると、20代は2月に全体の19%(2,091人)だったが、6月は25日時点で30.5%(3,214人)を占めている。30代も4月以降増加、6月は19.8%(2,089人)となっている。6月は20代、30代で50.3%(計5,303人)となり、2020年8月(58.1%、計4,720人)以来、10カ月ぶりに半数を超えた。一方で、60代以上の割合は2月に29.3%(計3,218人)となって減少傾向、6月は9.9%(計1,040人)となっている。
こうした状況を受け、ワクチンの接種体制を見直す自治体も出てきた。東京都新宿区はワクチンの集団接種で59歳以下は、20、30代を他の世代より優先する方針を決定している。

宝塚記念 クロノジェネシスが史上2頭目の連覇達成

阪神競馬場(所在地:兵庫県宝塚市)で6月27日行われた宝塚記念(G1・芝2,200m)で、クロノジェネシス(牝5、斉藤崇厩舎)が史上2頭目の同レース2連覇を果たした。2着馬に2馬身半差をつけ圧勝し見事、ファン投票1位、そして1番人気に応えた。宝塚記念連覇はゴールドシップ以来。昨年の有馬記念と合わせグランプリレース3連覇の偉業も達成した。
この結果、G1・4勝目。JRA獲得賞金も10億円を突破。牝馬ではウオッカ、ブエナビスタ、ジェンティルドンナ、アーモンドアイに次ぎ5頭目の大台到達となった。グランプリ3連覇はスピードシンボリ、グラスワンダーに次ぎ史上3頭目。

猛威のデルタ株 EUは8月末までに90%に

新型コロナウイルスのインド変異株の中で最も警戒が必要といわれるデルタ株について、欧州連合(EU)機関の欧州疾病予防管理センター(ECDC)は、8月末までにEU域内の新規感染の90%を占めるようになるとの見通しを明らかにした。デルタ株は感染力が従来株の1.9倍と強く、ワクチン未接種者の被害が特に懸念されている。
日本においても日を追ってデルタ株の広がりが指摘されており、早晩、新規感染者の過半がデルタ株になるとみられ、ワクチン接種の加速が求められている。

首都圏3県学校の五輪観戦6割解約 感染リスク懸念

東京五輪・パラリンピックの競技を子どもたちに見てもらう「学校連携観戦チケット」の利用を取りやめる自治体が相次いでいる。感染力の強いインド変異株「デルタ株」の広がりもあって、新型コロナへの感染リスクや猛暑に対する懸念などから中止を決めたもの。
多くの競技会場がある神奈川、埼玉、千葉の3県だけでもすでに約17万枚がキャンセルされた。これは3県が確保したチケットの6割にあたり、開催都市・東京でも取りやめる自治体が出ている。
埼玉県では、すべての学校で観戦を取りやめたのは27自治体に上る。神奈川県は観戦予定のある25自治体のうち16自治体がすべての観戦をキャンセルしている。

関西広域連合 水際対策の強化求め国に緊急提言

関西圏の自治体でつくる関西広域連合は6月26日、新型コロナ対策の会議を開き、国に水際対策の強化を求める緊急提言をまとめた。
これは東京五輪の事前合宿で来日して、成田空港の検疫で陽性者が判明したにもかかわらず、その後十分な濃厚接触者の特定過程を経ないまま、成田空港から受け入れ先の大阪・泉佐野市入りしたウガンダ選手団から2人目の感染者が出たことを受けたもの。
提言は、海外選手団の入国に際して陽性者が判明した場合には、濃厚接触者を早期に特定したうえで、検疫所の宿泊施設に留め置くなどの内容。併せて、ワクチン接種を加速するため、国が一時休止している職域接種と大規模接種の申請受付を早期に再開し、すでに申請した企業や大学、自治体に対しては、今後の対応方針を示すよう求めることも決めた。

裁量労働制に時短効果なし 週2時間長い結果に

厚生労働省は6月25日、裁量労働制が適用される労働者の実態調査を公表した。1日の平均労働時間は適用されない労働者より約20分長く、週平均でも2時間以上上回った。したがって、この裁量労働制導入の狙いだった時短につながらず、間逆な結果となっている実態が浮き彫りになった。
調査は2019年11~12月に実施。裁量労働制の有無で分類した計約1万4,000事業所と約8万8,000人の労働者から回答を得た。

福島 原発事故被災12市町村人口回復6割どまり

6月25日発表された2020年国勢調査の速報値で、東京電力福島第1原発事故の影響を受けた福島県の12市町村の人口は2015年の前回調査時と比べ6,072人増えたものの、東日本大震災前の2010年調査が20万5,900人からは、まだ6割にとどまっていることが明らかになった。
県全体は前回比4.2%減の183万4,198人。飯舘村、葛尾村、楢葉町、広野町など住民の帰還が進んでいることをうかがわせたが、第1原発が立地する双葉町はいまだ全町民の避難が続きゼロのままだ。住民の避難先の一つで沿岸部のいわき市は、前回調査から1万7,035人減り、市町村別で全国5位の減少となっている。避難者の帰還に加え、除染作業員らの減少が進んだことが要因。

中国・上海市の最低賃金2年3カ月ぶり引き上げ

日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、中国の上海市人力資源・社会保障局は6月23日、同市の法定最低賃金を7月1日から引き上げると発表した。全日制就業労働者(正社員)の月給は、これまでの2,480元(約4万2,160円)から110元増の2,590元に、非全日制就業労働者(パート)の最低時給基準は22元から1元増の23元となる。
法定最低賃金の引き上げは2年3カ月ぶり。今回の上昇率は4.4%で、2019年の2.5%に次ぐ低水準となった。なお交通費や食事、残業などの手当て、深夜残業、危険作業などの特別手当は法廷最低賃金には含まれない。